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2021年7月19日月曜日 まるで太鼓の音が鳴っているよう

キャンプ場のハンモックの中で、みんながすでに起きている話し声で目が覚める。
離れたところにテントを張っていたしげもりさんは、もういなくなってて、LINEに今朝の虹の写真を送ってくれていた。

残ったメンツで朝ごはんを食べ、私は16時間断食をしているけれどコーヒーだけいただき、今から山に登るのは暑いなぁとか言いながらだらだら過ごすうちに、全員いつの間にかまたハンモックの中へ。
私はキャンプしているところから橋を渡ってトイレに行って、戻ってきて橋を渡ってそのまま川に入る。
はいているジャージの裾を膝くらいまでめくり上げ、足先や手先だけを水に浸ける。
あまりの気持ち良さに、履いていたサンダルを脱いで、砂地になった川底を素足で歩き回る。
足先を水に浸したまま、座りの良い岩に腰掛けると、水が溜まって流れの遅いところにアメンボがいて、すいすい歩いている。
時々流れの早い方に行くけど、器用に戻ってくる。
しかしこのアメンボはこの岩陰のわずかな流れの淀みに、ずっと棲んでいるのだろうか。
それともこれから意を決して、急流に挑むのだろうか。

日向に置いていたサンダルはもう乾いていて、みんながハンモックで寝ているところに歩いて戻り、また適度な岩に腰掛けてぼんやりする。
あそしんが起きてきて、肉焼きましょうか昼飯作りましょうかと言うので、火を熾す。
持ってきた食材はほぼ全部食べてしまい、とても満足してまた各自のハンモックへ。

ハンモックの中で、ようやく「私はゼブラ」を読み始める。
飛行機がとても揺れて、ゼブラである主人公がずっと挙動不審で面白い。
揺れるハンモックの中で、適度な日光と日陰とで至極快適な時間を過ごしている自分とはずいぶん違う。
遠く山の向こうに、厚い雲があって、時折雷が鳴る。
まるで太鼓の音が鳴っているようで、とても呑気な気持ちになった。

撤収し、全員無事車に乗り込み、各自のおうちに送り届けてアトリエに戻った。
荷物を全部片付けて、徒歩5分くらいの温泉に行く。

券売機を見ると、温泉2時間以内700円のボタンだけになっていて、前は1時間以内500円のチケットがあったはずだが、と思ったがちょうど小銭を多めに持ってきていたので、700円を払って浴場へ。
あっつい内湯、外のぬっるい寝湯、水風呂、寝湯、水風呂の順番で入り、温泉を飲んで上がる。
ロッカーの鍵を受付で返すと、お客さんはもうお帰りですかと聞かれ、そうですと答える。
1時間経ってないので500円になりますので、差額の200円をお返ししますと言われて、反射的にありがとうございますと言って出た。

東京から帰って、何か分からない疲労感があったが、キャンプをして温泉に入って完全に抜けた感触がして、気持ちよくアトリエへの道を歩いた。
何かをやらねばならない意識。
これに取り憑かれると、肩が凝る。
自然に自然に。

アトリエに戻り、信也くんと野焼きの話と、今年も酷暑をどう乗りきりましょうかという話になる。
信也くんは、先日私の高校以来の友人の彫刻家こんちゃんに会い、彼も大変熱い仕事場で彫刻をやっていて、夏はどうしているのかと聞いてみたら、作業用ベストのポケット全てに保冷剤を入れて、送風機付きベストを羽織っているとのこと。
話を聞きながら、私はそこまでやらないなぁという気持ちになる。
彫刻に比べれば絵画は楽な作業だ。

帰宅し、カレーを久しぶりに食べて、おかげでさらに整った感じがして、MCU好き有志とのリモート飲み会。
ロキ、ブラックウィドウの感想から、話は日本の特撮ヒーローの話になり、アクマイザー3、電脳警察サイバーコップ、スーパージョッキーで電人ザボーガーをいじる動画等の収穫があって、一度は諦めたこの道がまた開くのかと楽しい反面、途方に暮れる気持ちにもなった。

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