【有志翻訳】『某某』 第1話 江添(ジャン·テン)
『あの夏の蝉声はよりさわがしく鳴いていた。教室の窓側に枝が勢いよく伸びていたが、真夏の日差しを遮れない』
付属で明理楼最上階の休み時間はいつも騒々しくなっている。
「注目して――、うちのクラスに新入りが来るらしいぞ!」
二年A組の学習委員が大声で叫び、廊下から教室へ走ってきた。
「敬事房の宦者さんはまたうそをついてきた」
誰かが学習委員をからかってきた。
「お前こそ宦者め! っていうか、今回はウソじゃない!」
「学年中間でもなく期末でもなく。新入り