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五感の豊かさについて

企業と大学で研究職をしているNakamaruと申します。ちょうどnoteの企画で「#ゆたかさって何だろう」のハッシュタグ企画があったので最近の気づきを記録してみます。

私は社会人博士をやっていたこともあり、一時期は日中のフルタイムの仕事と夜間や休日には大学とかなりバランスの悪い生活をしていました。


しかし、昨年大学を卒業したことや此度のコロナの影響でリモートワークが増え、子供と過ごす時間が大幅に増え、ライフスタイルが大きく変わりつつあります。

最近では、2歳になる息子と人が密集していない、地元の公園などに一緒に出かけることが増えました。

子供は蝶々を見つけると追いかけたり、その辺の草や棒を拾って渡してきたりと、大人になってからはなかなかやらない行動をします。

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写真1. 息子が集めてきたモノを取り扱うお店(仮)

そんな彼と一緒に過ごしていると土や草の匂いとか、止まっている虫の動きとかをじっくり観察するという時間を久しぶりに得ることができました。

一見すると子供と触れ合う以外は非生産的な時間かと思っていたのですが、今になって改めて蝶々を見るとアゲハ蝶の羽に赤い斑点みたいな特殊なスポットがあったり、ある葉っぱの裏面には異方的なうぶ毛のようなパターンがあり、そのため片方にだけ摩擦が働きやすくなっていたりと、新しいことに色々と気づかされました。

自分も小さい時は無意識に自然を知覚していたと思うのですが、知識を得てから、子供のようなじっくりとした時間軸で自然に触れると新しい発見があり、非常に楽しいです。

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写真2. 草に止まった蝶々の様子

普段はついディスプレイを介した情報に自分の思考や五感のリソースを奪われたり、外で運動するときもつい音楽を聞きながらランニングしたりといったスタイルに大人はどうしてもなりがちです。

しかし、こうしたゆっくりとした時間の中で自然と繋がることで、自分の感覚を研ぎ澄ましていくことは楽しいだけでなく、仕事などでもプラスの効果があるのかなと思っています。

私はプログラマーではなく、材料などを扱う研究職なのですが、材料を作ったり、観察している時は自身の5感がもたらす情報は重要だと信じています。

素材を混ぜる時の粘度や香り、加熱した時の表面の変化の様子など実は計測ききで測れるデジタル情報以上のモノを時には作業者たる人間が知覚するというのは私に限らず経験されている方も多いのではないでしょうか。

実際に私は生活のリズムが少しゆっくりになり、一見すると学ぶことが内容に思われる公園で過ごす時間によって、少しだけ5感が豊かになった(正確には意識の隅に追いやられていた感覚を取り戻せた)気がします。

その結果、切羽詰まって研究をたくさん入れていた時に比べると、コンセプトを考えたり、アプローチ法をそのものを考えるといった型にはまらない活動をするときはこれまでよりも創発的に取り組めているように思います。これは感覚的なモノですがアイディアが出たり、複雑な問題を構造化するのがスムーズになっているように思います。

話を戻すと、ゆたかさには色々な切り口があるとは思いますが、この数ヶ月の経験で私が感じたことは、五感をいつもとは違う時間軸で自然とつながりながら解放していくことで、少なくとも自分が本来持っていた思考の自由度や世界の理解の仕方が少し変わるならそれはとても素敵なことかと思います。



アイディアの具現化やプロトタイプを応援してくださる方はサポートいただけると助かります。個人プロジェクトで得た知見やツールの情報はnoteにて発信していく予定です。