ゆるキャン第1話【ふじさんとカレーめん】 プロット分析
あらすじ
自転車を走らせ、本栖湖のキャンプ場を目指す女子高生の志摩リン。その道すがら、彼女は外のベンチで眠りこけている女の子を見かける。
- Google検索の概要欄から引用
はじめてゆるキャンを視聴しました。
前情報は殆どなしで、私が知っていたのは
・かわいい女の子が沢山出てくるらしい
・ビーノの原付が有名らしい
・キャンプをするようだ
といったレベルです。
名前通りゆるい空気の流れるアニメで、単なる萌えではない自然の中の安らぎのようなものを感じました。
オープニングまで
夜のキャンプ。女の子たちが賑やかにお喋りと焚き火を楽しんでいる様子がアップで映ります。
ここで各キャラクターの顔をあえて見切るという演出が面白いです。
しょっぱな目に入るのがキャンプのメインとも言える焚き火で、その後に女の子のかわいい声が聞こえてきます。
焚き火でしっかりキャンプの世界観を示しつつ、「どんな人達が出てくるんだろう?」と好奇心をそそる形になって良いです。
その後はハンドビデオ風の映像で、ゆるさとキャンプの空気感、女の子達の可愛さやキャラ(特に喋り方)をしっかり出しています。世界観のつかみはバッチリでした。
そしてオープニングも雰囲気にとてもあっています。
最後のテントマークの頂点がくねくね躍るシーンは思わずくすりとさせます。
シンプルだけど遊び心がある楽しい映像ですね。
志麻リンが焚き火をつけるまで
志麻リンが本栖湖(もとすこ)に向かう際は息が白かったり、木の様子も紅葉を過ぎていたり、キャンプ場に人が少なかったり、暖かそうなポンチョ(あれポンチョですよね?)を着込んでいたりと、11月という季節感が随所に溢れています。
スマホでさりげなく11月だと視聴者に教えるのも少ない説明で状況がわかる良いテクニックですね。
到着直後は富士山が帽子をかぶっているし、「焚き火はめんどくさい」と避けたりと、キャンプの盛り上がる部分がお預けになっています。
この流れを作るためにもオープニング前のザ・キャンプなシーンはやはり必須でした。
最初に生まれる「どうしてこの女の子はオフシーズンにキャンプをするのだろう」という疑問は、志麻リンの後にきたお客さんであるおじさんがそのまま代弁してくれます。
その後志麻リンが「貸し切り、オフシーズン最高!」というセリフと広いキャンプ場の絵で全ての答えが明快に示されています。
簡潔なセリフでキャラクターの意思がわかるのはさすがプロです。
また、キャンプに関する小物や乗り物、自然などの描写がすごく細かいな〜と思いました。
キャンプの空気感を伝えるためにここはあえてデフォルメせずに描いているようです。
ちょっと余談ですが、ダイナミックにペグを石で撃つ様をみて、上級者はこうなのか!?...と衝撃を受けたりしてました。
ハンマー使わないんだ。
松ぼっくりが「コンニチワ」って喋るのすごく緩くて可愛いですよね。
全体的に緩めの笑いが多くて個人的に好みでした。
寒さに耐えきれず、やっぱりを焚き火つけちゃう主人公。
キャンプの醍醐味を味わう主人公と視聴者がリンクして心地よい体験が生まれます。
もう1人の女の子との出会い〜富士山が見えるまで
キャンプの動きと同時並行で「気になるもう1人の女の子(爆睡中のなでしこ)」が度々描かれます。
ゆるいキャンプとはいえ、しっかり関心の先を作ってくれています。
今までおとなしかった志麻リンの独白オンリー状態から、賑やかで元気な女の子なでしこが加わったことにより、両者のキャラクターの魅力がとても際立ち、輪郭がしっかり浮かび上がるような感じを受けました。
シンプルな対比をぶつけるというのは鉄板でありながらとても心惹きつけられます。
ドタバタ追いかけっこの後に「つまり〜ってこと?」と志麻リンに簡潔に説明をさせています。シンプルイズベスト。
その後美味しそうにラーメンを食べる描写。食べるという行為はやはり静の動きより動の方が圧倒的に映えます。
このタイミングで元気キャラは必須、完璧な予定調和(いい意味での)です。
そして2人の目当てだった富士山の絶景という話のピークがここでやってきます。
冒頭の達成できなかった出来事がしっかり消化されています。
エンディングまで
なでしこのお姉さんが迎えにきてくれるわけですが、クレヨンしんちゃんのお母さんばりにコミカル暴力・暴言をふるいます。
ここはちょっと世界観から若干浮いている気がして「あれ?」と引っ掛かりました。
存在感を示したい、などの何かしらの意図があったのでしょうか?
エンディングでは学校の描写が入り、色々な登場人物の登場を予感させ、また今後の志麻リンとなでしこの関係も予感させるまさに1話目に相応しい終わり方です。
変にドラマチックに演出せず、さりげない演出なのがゆるキャンらしさですね。
まとめ
まったりとした空気とキャンプ感の味わえる、とても良いアニメでした。(まだ1話だけど)
こういったまったり系はストーリーはあってないようなものかと思っていましたが、全然そんなことないですね。
特に空気感にしっかりフォーカスするために説明文を削ぎ落とすテクニックは、見ていてとても勉強になりました。
あとやっぱり登場人物達がとてもかわいいですね。
次回も楽しみです
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