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ゆるキャン第5話【二つのキャンプ、二人の景色】

あっという間に第5話です。
今回は終盤で、「なにこの演出、良〜〜〜〜」と大声に出していってしまうほど良い回でした。

あらすじ

温泉やグルメを堪能しながらキャンプを楽しむ野クル一向。リンは寒さに震えながらも絶景やキャンプ飯を楽しみます。
なでしことリンはそれぞれの夜景を送り合い、その夜景の美しさに心打たれています。

アバン 温泉

早々にに温泉シーンですが、あくまでキャンプの魅力紹介の一環…ですよね?絶妙に見切れているカットが続きます。

絵ばかりに目がいくかもしれませんが、何気に温泉内で使われるひたひたと石床を歩く音、戸を開ける音、シャワー音などSEが凝っていていい味を出しています。

一方凛は原付の旅のために凍えています。なでしこから温泉に行く話を聞いているので、自分も温泉に行きたくなったようです。
寒すぎてちょっと泣いていますね。

アバンはテーマの提示の役目があるので、今回の話はタイトルでも示されている通り【リンと野クルのそれぞれの旅の対比】がメインで描かれるようです。

引き続き温泉パート

温泉の景色を楽しむ野クル一行。
温泉の描写でも髪色や体型、タオルの色(!)という細部まで個性が目立つように図られています。

最後になでしこが「リンちゃん、今頃どうしてるかな〜?」というセリフの後、少しリンのセリフが食い気味(音のずり上げ)で場面展開です。とても王道的です。

一方のリンは寒くて泣きべそです。
気温が2度であることが道路の電光表示版で示されていて、とても寒そうだ…と視聴者が具体的に想像しやすいアイテムです。

そしてまた急ピッチの場面展開。野クル一向が温泉から上がったようです。千明の「暑くて上着いらんな〜」というセリフがリンへの皮肉っぽくてコミカルです。

つい食券売り場で何かを食べたくなったようですが、キャンプ飯のためにギリギリで持ち堪えます。…と思いきや、温玉揚げのパワーには負けてしまったようです。
温泉上がりにちょっと軽食をつまむ、というよくある簡単なシーンでも、面白い構図や音楽の停止・よだれ表現などを用いて日常系アニメらしく楽しく描かれています。

あおいの関西弁に被せて喋り方を真似する(ここでは「あかんやつや〜」というセリフ)があり、とてもいい表現だなあと思いました。
和気藹々とした雰囲気を出すことに成功しています。

そしてまたもや場面展開。今話は対比が主軸になっていることもあり、場面展開が表に激しいです。今回はセリフではなくBGMのずり上げによる場面展開です。

リン、高ボッチ高原に到着

苦労してやっと目的地「高ボッチ高原」麓まで到着したリン。
上まであと9キロ!と息巻いています。
野クルのわいわいした雰囲気とは対照的にゆったりとした景色のシーンを流し、ソロキャンの良さを引き立てています。

細かい部分なんですが、原付が止まるときに「キュウウン」という音…原付ってこんな停止音しないですよね?
普段の描写が丁寧なこともありちょっと違和感があったんですが、賑やかしも兼ねて入れているのでしょうか。それとも…

150キロ走りきって大喜びのリン。原付もツカレタとコメントしています。

夏の牛を想像して楽しくなっている模様。あれこれ空想したり考えたりというのが一人でいる時の醍醐味ですね。
またしても寒くなったため6km先の温泉を目指します。

温泉の用意をウキウキでした後は即落ち二コマでした。
どうも今話ではリンは不憫担当のようです。BGM・SEなし、「おい、まじか…」というセリフだけなのがゆるキャンらしいです。

仕方なく高ボッチ高原に引き返しますが、絶景が有名な展望台は曇っていてなにも見えなかったようです。流石にちょっと落ち込んでいる様子。

落ち込みすぎたせいか「ぼっちでボッチ山登り…」というセリフまで出てきます。
こう言った孤独に関する描写は今まであえて避けていたと思っていたのですが、「高ボッチ」という名前に流石に作り手もやりたくなってしまったのでしょう。

散々落とした後は山頂で絶景が一望できました。
緩急あって視聴側の満足感もとても大きいです。

温泉は帰りに入ることにして、温まるキャンプご飯の調理に気持ちを切り替えたようです。
場所決めも緩やかに丁寧に、「自販機止まってる..」「もうちょっと回ってみよう」といった独白はリアリティと親しみやすさがあります。

恒例のナレーションを使った豆知識コーナーはリンのキャンプ飯であるスープパスタの作り方についてでした。

食事シーンは湯気や効果音でしんみり美味しさが伝わる表現でした。

そのまま自然に場面展開がなされ、なでしこがリンからのメッセージを送ったことがわかります。

温泉で楽しげだった野クルも少し物語の下げが始まります。
寝過ごしてしまい暗い森を迷いながら歩くと、不安になるような看板が待ち構えていました。一番伝えるべき部分が欠けている…

無事キャンプ場に到着し、作務衣をいている管理人に案内を受けています。
キャンプの設営中、管理人に説明を聞くという程でちょっとしたキャンプ豆知識を挟んでいます。

ウッドキャンドルを楽しむ一向。
UFOの本を読みながら、明らかにUFOに遭遇しているという一リンのネタシーンが一瞬挟まれます。

キャンプ飯である煮込みカレーを食べている3人。隠し味の話題から話を弾ませ、それぞれのキャラクターの個性を出すのはとても自然な流れです。

ただちょっと趣向がおっさん的というか(とんこつカレー、おでんカレー)…見ている層に合わせて作られているのでそこは触れてはいけませんね。

ダイジェストの楽しいキャンプの様子が流れ、そのまま駆け足で就寝シーン。
ただテント一つで3人は狭すぎるので、なでしこが別のテントで一人で寝ることになりました。

寂しさからリンとSNSが弾んでいます。
夜景がすごいよ、とリンが言ったのを受けて、なでしこは夜景を求めてキャンプを後にします。

美しい夜景をリンに送ったなでしこ。その景色にとても驚いた様子で、リンもわざわざキャンプを離れて同じように「お返し」を送ります。

とても嬉しそうな二人。「綺麗だね」というセリフとともに、それぞれの二人の夜景をつなげた映像で今話は終わりを迎えます。

エンディングではいつもとは違い、これまでのそれぞれの旅の思い出のダイジェストが流れていました。あまりに綺麗な終わり方だったので最終回かと思うほどでした。

それぞれの見ていた景色がつながる、というシンプルですが力強い表現です。

まとめ・感想

大目標だったそれぞれのキャンプ描写だったので、かなり力の入った回でした。
対比を主軸に見せつつも最後に景色とつなげるという表現は、シンプル美しいの一言です。

今回お話に綺麗に区切りがついたので、次回からは全く別のテーマがはじまることが予想されます。これからもキャンプという題材をどう魅せていくのか、とっても楽しみです。

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