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ACEでティール組織について学び、組織のあり方について考えました


ティール組織、ご存知ですか?

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数年前からまわりでこの「ティール組織」についてザワザワ聞こえはじめ、私自身も気になっていたんですが、この度、ACEのこれからの組織のあり方について考え方や対話を深めるために、「ティール組織」の基礎について学ぶ勉強会を2020年11~12月の3回にわたって実施しました。その報告です。

講師としてお招きしたのは、「NPO法人場とつながりラボ ホームズビー」の嘉村賢州さんと熊倉聖子さん。組織運営や人材育成に関わるメンバーのほか関心のあるスタッフにも呼びかけて、約10名が勉強会に参加してティール組織について学びました。

賢州さんはこのティール組織の著者、フレデリック・ラルーさんからも直に薫陶を受けた(!?)というお方。賢州さんが紹介してくれた、ラルーさんの言葉、そしてラルーさんがご自身のことを語ってティールの話をしてくてている貴重な映像などを見せてもらい、賢州さんがラルーさんのことを本当に尊敬していること、また、その本質をとらえていて、それを伝えようとしてくれていることを感じました。

さて、今回は特別にお願いしての、3回セッション。まずはティールとは?のインプットを1回目にお願いしました。2回目はティールを実践している組織が具体的にどんな仕組みを用いているかに焦点をあてたお話と、ラルーさん個人のパーパスジャーニーについて。そして3回目は、「全体性」「自主経営」と、賢州さんご自身のジャーニーと組織について。この3回目がささりまくったスタッフからは、「いやぁ、私やっぱりACEでよかったです」とか、「希望を持てた」っていうフィードバックを私も直接聞きました。

さて、1回目は概要を学んだわけですが、のっけから「ティール組織は『正解』でも『目指すもの』でもない」というお話。え?そうなの?と衝撃を受けたスタッフもいましたが、回を追うごとにその意図が少しずつ分かってきたように思います。

「こうすればティール組織になれる」という型があるのではなく、これまでの「組織」についての固定観念から離れて、個々人が持っている力をより「自由に、流れさせる」ことを目指していくことが「ティール的」ということなのかなと。

何しろ「組織をティール的にするということは、パソコンのOSをアップデートするくらい、根本的な変化」なのだそうです。まったく新しい価値観を学んだため、たった3回の勉強会で「全部よく分かった!」といえるレベルには到底たどり着けません。

内容を簡単にまとめることはとても難しいので、参加したスタッフの感想をご紹介します。

印象的だったこと、感想など

・ティール組織は、これまでの様々な組織のあり方をすべて含んで、さらに超えた組織像であるということ。共通した特徴はあるが、いろいろな形があって、柔軟性が大切。

・「ティールって何?」に対してこれという正解はなくて、どちらかというと、これまでの固定観念、ルール、慣習、ポジションとかを「しあわせに働くために、本当に必要?」という視点で考え直すということなのかなと感じた。

・権限を持つ人に委ねるのではなく、各自が自分のセンサーによって変化をとらえて、自己決定していく=「自主経営」という特徴。

・ティール組織に「失敗」という概念は無い。何事も「気づき」があるだけ。

・「存在目的」とはビジョン・ミッションの類のものではなく、Call(コール)=「組織は生き物として何になりたいと願っているのか?」に耳を澄ませて捉えるもの

・ミッション、ビジョン(目的)をブランディングの手段として使っていないか。 →目的はすでにそこに「ある」もの。きれいに作って掲げるものではない。それよりもCallに耳を傾ける。

・性悪説のルールは作らない。Positionという権力は作らない。

・「本音を言うのを控えたときに、その関係性は腐っていく」がグサッときました。

・本で読むよりぜんぜん伝わってくるリアリティが違って、やっぱり話を聞けて良かった、と思った。

・新しい言語のリスニング力がついた感覚です。まだ体の周りにフワフワくっついている感じなので、しゃべれはしないのですが、Tealは10社あれば10通りのとおり、それを実践している団体・企業がいることを例を出して話してくれたことにより、リアリティさが増しました。

などなど。

私自身は、この研修と、対話を通じて、大きな気づきがありました。

これまで創設者として、また経営者としての責任を感じながら組織を運営していきたゆえに、組織と親子の関係のようになってしまっていることに気づいたのです。「親」としての責任を勝手に感じ、何か悪いことでもあれば全て自分の責任のように思ってしまう。まぁ、経営者なので、それはそれである意味事実なのですが、もう少し距離を離して、子離れしたほうがいいんだな、ということに気づきました。

「全体性」というのは、「心理的安全性」にもつながると思うのですが、その人がその人らしく組織の中でもあり続けられることだと理解。つい、自分の役割(肩書き)やポジションから「自分はこうあるべきだ」と自分で自分を縛ってしまいそうですが、そんな必要性を感じない組織なのではないかと。

何をどこから始めたらいいのか、まだこれからですが、ACEがスタッフひとりひとりがイキイキと働ける場と(ますます)なっていけるように(※ますます、は経営者として今もある程度そうであるという願い(笑))、これからも模索していきたいと思います。

ご協力いただいたホームズビーさん、ありがとうございました!

※ティール組織とは(ごくごく簡単に)

次世代型組織モデルとして、世界中で注目を集めています。「全体性(ホールネス)」「自主経営(セルフマネジメント)」「存在目的(進化するパーパス)」の3つの中心的価値観をもつ。日本では2018年1月に英治出版から本が出版され、10万部を超えるベストセラーに。http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2226 

✳︎ホームズビーさんについて

home’s beさんでは、以下のような学びの機会も提供しています。ティール組織にご関心のある方はぜひ。(今回は、事務局長の白木がこのセミナーに参加したことをきっかけにチームで学んでみることになりました。)

https://www.homes-vi.org/ティール組織探究へのご招待/

※ACEでは、「Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs」の助成を受け、戦略面と組織面の強化に取り組んできました。この研修はその一環として実施したものです。


 


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