外国ルーツの子どもに助詞を教える

今日は、月イチで開催している勉強会がありました。
この勉強会は、

・市内の交流センターで
・毎月第3火曜日の午後2時間
・非常勤講師、JSLサポーター(磐田市独自の入り込み支援員)、日本語支援に興味関心がある方なら誰でも

参加できる勉強会です。
内容は……外国ルーツの子どもに関することなら結構なんでもアリです。

今日は、参加者の1人からのご要望で、助詞「は」「が」、「に」「へ」の使い分けについて
ちょっとした文法講座をしました。

後半は、日本人のお弁当ってすごいよね〜だとか、学生のときこんな教材で英語の勉強したんだ、おおそれは日本語バージョンでも作ってみたいね!などなど、
情報交換をしました。


さて、本題に入ります。

外国ルーツの子どもに助詞指導を行った方がいいのか?

※ここから先は完全にわたしの個人的な意見です。

よく学校で先生たちが、日本人児童向けの助詞プリントを使って外国ルーツの子たちに指導している姿を見かけます。
ほらアレよ、文の真ん中あたりにカッコがあって、その中から文脈にふさわしい助詞を選ばせるやつ。

……あれ、意味あるのかな……?

だって選択肢選ぶの大体テキトーじゃん。
しかも先生のフィードバックも「なんか変じゃない?」で終わりじゃん。

その"変"がわからないんだよォォォ!!!!!
間違った助詞を使ったときのあの"気持ち悪さ"がまだ体得できてないんだよォォォ!!!

…取り乱してしまったけれど、これは致し方ないことでもあると思うんです。

だって、助詞がなくても話通じちゃうじゃん。
友だちも先生も、助詞を入れないでお話しするのが自然なんだもん。
友だちから、
「◯◯さん、本を借りに図書館へ行こう!」
なんて言われないですよね。
「◯◯さん、本借りに図書館行こ!」
ですよね(この場合「に」はギリギリ入っているけども)。

日本語をまず"耳"から覚える彼らにとって、あのプリントは難問すぎる。

だから、特に小学校低学年の子たちには、たくさん日本語に触れて自分の中にサンプルを作っていくのが良いのでは、と思うわけです。

以下、指導にあたる方にできそうなこと。

・たまには助詞を意識して話しかけてみる
・教科書と同じ文を助詞抜きで提示して、「ここに入る平仮名なーんだ?」と教科書から探させる

ここで、
「いーい◯◯さん、「は」の意味は〜で、「が」の意味は〜でね、だからここは「が」なんだよ!」
と教えても、子どもはポカーンです。


学校の先生方がいわゆる"日本語指導担当"になると、
「日本語指導ってことは…え、助詞とか教えるんだよね…?」と思いがちです。
でもそれは日本語教師の範疇なので、そこまで恐れなくても大丈夫。
子どもに「ここはどうして「は」じゃなくて「が」なの?」と聞かれたら、
「いいところに気づいたね〜!!」と笑顔で返して、
一緒に調べたりすればいいのです。

もちろん文法知識があるに越したことはないので、
もし興味が湧いたら是非調べてみてほしいなぁ。
日本語沼でお待ちしております(^ ^)


ちなみにここでお話ししたのは、小学生に対してです。
中学生相手だとまた勝手が変わってくると思いますので、それに関してはまた後日。

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