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#345 業界ネタ~第一三共 米メルクとADC3製品で戦略提携

おはようございます!いや~本当に今週はバタバタしてしまいまして、なかなか更新できずでした。ちょうど今年のビジネスレビューと来年のプランニングが始まり、自分のプロジェクトも複数持っているので、なかなかバタバタしております。年末はどうしてもバタバタしてしまいますよね。おそらくグローバル側は11月末までしか動かないと思いますので、ここ1か月がある意味、勝負ですね。もう少しだけ頑張るかな、それが終われば年末年始はゆっくりできそうな気がします。さてさて本日は「業界ネタ~第一三共 米メルクとADC3製品で戦略提携」です。

製品の戦略提携で総額最大220億米ドル(3兆3000億円)

内資系の製薬企業としては、久しぶりに明るい話題かもしれません。以下、記事からの抜粋です。第一三共の眞鍋淳会長兼CEOは10月20日夜、オンライン会見に臨み、米メルク社と締結した独自の抗体薬物複合体(DXd-ADC)技術を用いた3製品の戦略提携で総額最大220億米ドル(3兆3000億円)を受け取る可能性があると強調した。米メルク社をパートナーに選んだ理由について眞鍋CEOは、ADCの開発競争がグローバルで激化している中で、「より早く、より多くの患者さんにイノベーティブな薬を届ける最善の手段は戦略的提携だと判断した」と明かした。また、メルクが強みとするキイトルーダなどで培ったがん領域での豊富な経験、専門性、高い開発力に、第一三共のADCを組み合わせることで、「最も多くの新たな標準治療を創出できる」と強調。これが米メルク社をパートナーに選んだ理由のひとつだと説明した。

提携の肝はシナジーか・・・

今回の提携に関する額も結構、目立つところだと思うんですけど、MSDとの提携というところもなかなか深いなと思いましたね。既存のADCであるエンハーツはアストラゼネカと提携しているわけで、きっとパートナリング先の候補にはなっていたと思うんですよね。ただMSDを選んだと。やっぱりMSDの製品キイトルーダが今回の取引に大きく影響を与えたんだろうなと。併用の試験も組みやすいでしょうし、市販後のシナジーも期待できますしね。ただちょっとだけ残念なのは、やっぱり日本の企業はすごく良い製品があったとしても、単独で全世界で開発して販売することは難しくなってきているんだろうなと。すごくいい話題ではあったのですが、若干、寂しさもよぎる話題でした。それでも日本の技術力が評価されているのは本当に嬉しいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?日本でもメガファーマが最大3.3兆円も払ってくれる製品を出せるっていうのは非常に嬉しいことですね。何となく思うのは中外さんの抗体技術もそうですけど、技術力の高さはまだまだあるんだと思うんですよね。ただ臨床開発とかマーケティングの部分でメガファーマにはかなわないんだろうなと思いました。何となくこれは製薬に限ったことではない気がしていて、日本の良いところでもあり、弱点でもあるのかもしれないですね。ただもっとビジネスに変えるアイディアを出せるようになれば、まだまだ世界と戦えるってことなんだと思います。まだまだいけるぞ、日本と思えるニュースでした。ではでは、また!


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