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税務マガジン

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税に関する投稿をまとめました。
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記事一覧

大学生への租税講座 ~ 新しい視点を ~

 先月、大学生への「税理士による租税講座」という授業を担当しました。 ■ 講座の趣旨  大学の後期授業の1つで、全15回。内容は税理士制度、租税法概論、各税法(所得税、法人税、消費税、相続税)、トピックなテーマ(若者のマネー学、国際課税、事業承継、税務実務)など。様々なテーマを約10名の講師が担当する講座です。  大学の授業ですので「学び」を提供することを前提とし、プラス実務家の講話を通じ、税理士や会計業界に興味をもってもらおうという趣旨もあります。そのため、各講師が担

税理士として、市の「監査」に携わる

 今年度から、高崎市の「包括外部監査補助者」を担当しています。  包括外部監査とは、公認会計士等の専門家が毎年テーマを決めて外部の目で地方公共団体の「監査」を実施するものです。  「監査」という仕事は、公認会計士が専門です。しかし、様々な知見が必要なため、高崎市の場合は代表が会計士、補助者に弁護士1名・税理士1名・会計士3名の6人体制で外部監査を実施しています。  会計士と税理士の違い。それぞれ会計の専門家と税務の専門家ですが、税理士は企業の税金の計算上、会計学の知識が

生前の対策が高度化!?【 相続税・贈与税に関する改正や推薦図書など 】

■ 税制改正による影響  今、税については「インボイス制度」が話題ですが、令和5年度税制改正には、もう1つ大きな目玉があります。  それが相続税・贈与税の改正です。 (noteで何度か取り上げてきましたが、改めて概要を書きます)  相続税は、原則、相続等によって取得した財産が課税対象です。 亡くなる前に贈与されたもの(生前贈与)は贈与税の対象であり、相続税の対象ではありません。  しかし、相続税を軽減するために生前贈与を行うケースも多くあるため、例外的に「相続開始前3

オープンキャンパス

 気付けば、新年度。小学校に入学する娘たちの名前シール貼り付け作業を終え「小学生かー」と前向きな気持ちになっています(そして双子の算数セットへの貼り付け作業で無の境地を経験しました)。  さて、先日。  専門学校のオープンキャンパスで登壇してきました!  今回はその実施レポートです。 ■ 現場の声を届ける  オープンキャンパスといえば学校の説明会ですが、今回は学校で学んだ先にある業種や就職先の「現場の声」を紹介するという趣旨でお話する機会を頂きました。担当したのは、会計

実務で活かす『経理学校出身』の強み【 講師を担当しました 】

 お久しぶりです。書こう、書こうと思いつつもズルズルと12月になってしまいました。習慣化の大切さを実感している今日この頃です(元気です!)。  さて、今回は先日担当させていただいた講義のお話と振り返りを記したいと思います。11月~12月にかけて、県内の経理専門学校の学生に向けて特別講座の講師を務めてきました。  来年4月から社会人になる学生が対象。また、就職先は会計事務所や会計・経理の知識を期待されて一般企業へ入社するとのことです。社会人になる前に知っておきたい実務を…と

「過去問」活用術【 会計人コースWebコラム 後編 】

こんにちは、税理士の岩下尚義です。 会計系資格試験に挑む受験生のバイブル「会計人コース」に、コラムを寄稿しました。 今回は直前期に多い相談の1つ、教材の活用術として「模試」と「過去問」について2日に分けて紹介しています。 本日は、後編。こちらです☟ 直前期の必須ツール!「過去問」フル活用術 ■ 目的:なぜ過去問を解くのか? ■ 活用術⑴:どう過去問を解けばよいか? ■ 活用術⑵:解きなおすときのポイントは? ■ 参考:答練、模試、過去問の違いとは? といった点を中

「模試」活用術 【 会計人コースWeb コラム 前編 】

こんにちは、税理士の岩下尚義です。 会計系資格試験に挑む受験生のバイブル「会計人コース」に、コラムを寄稿しました。 令和4年度(第72回)税理士試験は、8/2~8/4。 いよいよ直前期ですね。 今回は直前期に多い相談の1つ、教材の活用術として「模試」と「過去問」を2日に分けて紹介しています。 本日公開は前編。こちらです ↓ 直前期の必須ツール!「模試」フル活用術 ■ 目的:なぜ模試が必須か? ■ 活用術⑴:どう模試を解けばよいか? ■ 活用術⑵:解きなおすときのポ

ふるさと納税の申告手続が簡素化します!(令和3年分~)

 ふるさと。私は、地元へUターン組なので、現在住んでいる高崎市がふるさとでもあります。  今、GoogleでもYahoo!でも、検索バーに「ふるさと」と入れると「ふるさと納税」が予測変換のトップ。その後も表示される予測変換全てが「ふるさと納税 限度額」「ふるさと納税 仕組み」といった関連ワード。  「ふるさと」と「故郷」は別物になってきましたね。  総務省が公表している「ふるさと納税の意義」は以下の通り。  ふるさと納税における「ふるさと」は生まれ故郷はもちろん、お世

マスク・PCR検査費用と医療費控除について

 確定申告期間(2月16日から3月15日)が近づいてきました。還付申告は1/1から可能なため、既に「準備は万端に整った!」という方もいらっしゃるかもしれません。  さて、還付申告といえば医療費控除やふるさと納税、住宅ローン控除(初年度)の適用を受ける方が多いですね。今回はその中で医療費控除について解説します。  医療費控除で最も多い問い合わせは「何が対象になりますか?」というもの。国税庁の資料では以下の通りです。  税法上、基本的に医療費は「診察や治療」に関連するもので

事業復活支援金 続報(令和3年12月24日更新)

 税理士の岩下尚義です。約1ヵ月前に、コロナ禍で売上が減少している中小企業・個人事業への給付金「事業復活支援金」について書きました。  この制度について12/24、以下の資料が公開されました。  前回は、今後注視したいポイントを挙げましたが、今回の公開情報で概要がみえてきました。追加情報をまとめておきます! ■ 比較対象期間 → 2018年11月~2021年3月  前年又は2年前だけでなく、3年前の期間も比較対象です。 ■ 算出方法 → (基準期間の売上)△(対象月

事業復活支援金 ≪売上対象期間:2021年11月~2022年3月≫

 税理士の岩下尚義です。  11月19日「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」が閣議決定され、地域や業種を限定しない形で支給される「事業復活支援金」が盛り込まれました。  経済産業省にて以下のリーフが公表されています(11月26日)。 jigyo_fukkatsu.pdf (meti.go.jp)  そこで今回は、11/27現在、公表されている情報についての説明と、今後公表される情報の中でポイントになる点について書きたいと思います。 --- ⑴ 支給対象者【 ポ

多様性と税 【 学術研究討論会 】

 お久しぶりです!  一か月半ぶりにnoteを書いています。下書きすら書いていなかったので、フワフワしていてnoteの白い背景が濃霧のようです😅。  10月の頭、とある冊子が私のもとに届きました。 「第31回 学術研究討論会 研究論文」  税理士会では毎年、当番の3県が各3名の研究チームを構成し、租税に関する論文作成、発表会(本日)を行っています。  私は当番の県ではなく登壇等ありませんが、所属支部の中で研究部会の部員を担当しているので、本日の発表会に参加しています

インボイス登録申請書の書き方 【令和3年10月1日~申請開始 】

インボイスの登録申請が令和3年10月1日から受付開始になります。 インボイス制度自体は「令和5年10月1日」から始まりますが、同日より制度を利用するためには、令和5年3月31日までに申請が必要です。 ■ 申請書についてインボイス制度は「適格請求書等保存方式」といいます。 登録するためには「適格請求書発行事業者の登録申請書」を電子申請(e-Tax)又は管轄地域の「インボイス登録センター」に郵送します。 詳細は下記、国税庁HPをご覧ください。 今回は申請書のうち「国内事

『税理士試験 会計科目から税法科目へ』教えて先生!②学習方法編【 会計人コース・コラム 】

税理士の岩下尚義です。 昨日に引き続き、資格試験メディア「会計人コースWEB」様にコラムを寄稿しました。 本日のテーマは、 【税理士試験 会計科目から税法科目へ】 教えて先生! 税法ってどう学べば効果的? です。 noteでも、概要を少し触れたいと思います。 ■ ポイント⑴:学習の「質」と「バランス」 勉強の「質」を高めるためにはどうすべきか。 このテーマはダイエット論のようにいくらでも説がありますね。 今回、コラム内で紹介した方法が「時間を区切ること」です。