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UXデザインと戦ってみた

プロダクトマネージメント2.0を模索しているIwaoです。今回はユーザエクスペリエンス、略してUX、みんな大好きなUXデザインの話です。

うちの製品ではいくつか問題がありますが、その一つにUX自体に課題があることが判明したため、ミステリアスなエクスペリエンスから逃げずにプロダクトマネージャーとして真摯に向き合っていきます。

戦略をつくる

何かの問題に取り組むときに、僕のやり方は2つの案でアプローチしますが、それをプランABと呼んでます。リスク回避だけではなく、切れるカードが2枚になるだけで選択するプロセスが生まれ、戦略というものが発生するからです。

UXの問題って言っても何がダメなのかもわからないので、問題点を探すところからスタートします。プランAが顧客の意見を分析してPMFを達成すること。プランBがUXデザインプロセスをプロジェクト化して改善策を模索することの2本立てでトライしてみることにしました。

彼を知り己を知れば百戦殆うからず

本題に入る前にこんなことわざがあるのを知ってますか?UXを知り製品を知れば戦に負けないということで、まずはUXが何か製品が何かを知っておこうと考えました。

UXを知る

UXが何かを知ることですが、PdMである僕が全てを理解するのは困難なので、答えはシンプルにUXデザイナーが知ってればOKだと思ってます。そこで偉い人に土下座してUI/UXデザインチームを設立しました。

製品を知る

今の製品を開発して1年半なのでだいぶ理解はできています。時間がなければ誰に聞けばわかるかをわかっておけばOKだと思いますが、僕は偉い人に土下座して製品レビュー会を定期的に開催することにしました。困ったときは土下座ですよね!

プランA: マーケットイン的に戦う

プロダクトマーケットフィット(PMF)の構造に当ててみて、UXにアプローチしてしまおうという作戦です。PMFはスタートアップとかで製品の達成すべき状態として使われる概念ですよね。この美しい図を見ればシンプルに見えます。

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PMFだけでも複雑なので詳しくは別途noteに書ければいいなと思いますが、ここではうちの製品の理想形だけ定義しておきます。

定期的に製品レポートが送られてきて、それを見るとマーケットの動向、利用者の声、他社製品と比べた優位性、製品を使い続ける理由、施策のアイデア、次に打つべき施策がわかる状態を実現させること。

いきなり全部やろうとするとヤバそうなので、ステークホルダーと協力してできるところから改善していきます。

フィーチャーセット・グルーミング

まずはセールスチームとカスタマーサクセスチームが抱える課題をヒアリングし、これからやろうとしていることがユーザからの意見群とフィットしているかをチェックします。

ワークショップを開催して顧客やステークホルダーのアイデアを全てカードに書き出して、各チームの代表に参加してもらいカードに優先度をつけていきます。これで機能群を仮置きできました。

バリュープロポジション検証

次にバリュープロポジションを仮置きします。機能群のうちやることが決まっているカードに対して、なぜそれをやるか、何ができるようになるのか、どんな価値が出るのか、競合優位性はどうなのかっていうのを定義していきます。ここで機能ができているのに提供価値を定義できていないことが分かりました。

例えば冷蔵庫のメーカーなら、他社製品より優れた保存力があるならそれを売りにしたいですよね。保存効果が優れている冷蔵庫の提供価値があって、7日経っても劣化しない野菜室という機能があって、一人暮らしでも余らせがちな野菜を安心して食べれるというUXが出来上がります。

改善策

改善策としては、提供価値をキャッチコピー化して、顧客に対してブレなく機能価値を説明することです。そのためにも機能価値を理解した上で製品開発をしないといけません。

間違っても、とりあえず値段を下げて数を売ろうとか、マイナスイオンが流行ってるからその機能乗っけておけとか、製造チームが忙しいからこの問題は無視しますみたいな価値から目を背くことは防がなければいけません。

プランB: プロダクトアウト的に戦う

当たりをつけてUXデザインをしてみて改善策を模索するというアプローチです。ユーザの声から問題を捉えるのではなく、製品自体から問題を捉えるために、ワークショップを開催してあたりをつけて、少しずつ製品を改善していきます。

客足が減った居酒屋なら、来てくれているお客様にアンケートをとるのがプランAなら、同業者に来店して価格、メニュー、味や立地などをチェックしてもらうのがプランBです。ポテトサラダはみんなで食べにくいからポテトフライにした方が売れるよ、みたいなアドバイスをもらいます。

しかしUX改善フローをつくるために、製品の提供価値がわからないと定義できないことがわかりました。いったん製品のコンセプトを検証し、そのコンセプトからどんな価値を提供するべきなのか、その価値を提供するにはどんな機能群が必要なのか、現状と比較検証していきます。

客足が減った居酒屋のコンセプトが「早い安い美味い」なら、コンセプトから調理時間は5分以内、スタッフ数は座席数の1/6以上、生ビールは400円以下、塩分は2%程度など理想形から検証して、塩分が多すぎることに問題がありますねぇ的なやり方です。(例え話好きだなぁ)

UX改善はすぐにできそうだと思っていましたが、落とし穴を埋めてから取り組む必要があることがわかりましたので、UX改善の理想形だけ先に定義しておきます。

UX改善のワークフローを定義し、製品全体から価値を高められそうな箇所を洗い出して、UX改善を繰り返すことで提供価値を高めていって、結果的に品質の高い製品を顧客に届けること。

雑感

UXデザインとの戦いはまだしばらく続きそうですが、今回の問題に立ち向かううえでこちらの記事が参考になりました。ありがとうございます。

ワークショップは楽しいですが、なかなかヘビーでUXデザインの重要性を身をもって体験しています。SaaS型BtoBビジネスと言えども昨今はUI/UXが優れている製品が多いのもわかります。

こちらの記事でも、プロダクトマネージャーの観点でも価値の重要性を書いてますのでよろしければどうぞ。ビギナー向けにカタカナは極力使わないように書いていますがUXネタでは無理でしたw


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