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ポルトガルのお土産

11月の後半、バルセロナでの仕事のついでにポルトガルを旅行してきた。

ここのところ、ヨーロッパ出張する際は少し足を伸ばしてどこかに寄り道をすることにしている。ヨーロッパ出張するようになったとはいったが、年に数回程度で、しかもここ4、5年くらいのことなので、いい大人になって、世界周遊への憧れを胸にプチ周遊をして楽しんでいるといったところだろうか。

現地では知人と合流して行動をともにしたり、食事を一緒にしたりもあるけれど、基本的には一人旅。あまり事前には計画せず、その日その場で目的を決めて現地の空気や臭いを感じながら歩き回るのが楽しい。

今年もまたバルセロナ出張の時期が近づいたころ、家でそんな話をしていたら、中学3年の息子が自分もヨーロッパに行きたいと言い出した。一緒に行ったとして、仕事の間一人では放っておけないから、という理由で諦めるように説得していたのだが、息子はぼくの両親(=ジジ、ババ)を子守要員に巻き込むことに成功。

家族から解放されて、ヨーロッパでの気ままな一人旅だったはずが一変、息子に加えて両親までついてくるという大ごととなったのであった。ちなみに、妻と受験勉強中の娘、そして犬は留守番。(これはこれで、そのうち連れて行かないとならない)

事前に覚悟していたとおり、バルセロナでは気を抜けないタフな現場が数日続いて、日中はほとんど家族の相手はできなかった。その間、ジジ、ババは息子を連れてあれこれ観光してくれていたようで。ちょっとした面倒やアクシデントもあったのだが、ぼくが無事に仕事から解放された後はさっさとパリに向けて飛び立ち、オペラ鑑賞などして日本に戻っていった。頼もしい限りだ。

さて、それから、残された息子とぼくの二人はバルセロナからリスボンへ。

今回は個人的にはポルトガルを旅することが目的。一人旅を想定していた当初はそこからモロッコまで足を伸ばそうか、などとも考えていたのだが、息子同伴となることが決まり、旅をコンパクトにまとめる方向に転換して断念したのだが、それでも、バルセロナ、リスボン、ポルト、そして、パリと、4つの都市に滞在するという、息子にとってはなんとも贅沢な旅となった。

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川縁がポルトの一番の人気スポット。皆、テラスでワイングラスを傾けながら、思い思いの時間を過ごす。

今回は旅のあれこれを書くのはやめて、ポルトガル(ポルト)で買ったお土産の話を少し書こうと思う。

クチポールというカトラリーブランドをご存知だろうか。日本でも比較的知られたブランドのようで、じつは、ぼくは以前どこかの雑貨やで見かけて、柳宗理がデザインした黒柄シリーズのカトラリーを想わせるデザインが気になっていたのだが、今回、ポルトガルに行くにあたり、クチポールがポルトガルのブランドだということを思いだしたのであった。

せっかくだということで、その気になって調べて見たものの、クチポール社によるショップは滞在しているホテルからは少し離れたところにあるということがわかった。今回訪問することは断念して、代わりに近くでカトラリーを扱っているショップを見つけたので、そこに立ち寄ってみることにした。

古い街並みの通りの角にあるショップは、どうやら、レストランとかホテルを相手にするような業務向けのショップなのだろう、洒落っ気はなく倉庫のような佇まい。店内入って右手にはショーウィンドウに向かってカトラリーのセット売りの箱が積み上げられている。店の一番奥の棚にはケトルやらフライパンやらの姿も見える。その手前には大きなテーブルの上に無造作にさまざまなデザインのカトラリーが一本ずつ並んでいる。カトラリーのばら売りコーナーだ。しかし、その中にはクチポールはなく、しかし、似たのがあった。せっかく来たのだしと思い買うことに決めた。若い女性の店員に改めてオーダーを伝えて、必要な本数をレジの後ろの棚のストックから出して揃えてもらった。紙袋に本数を確認しながら梱包している間、オンラインショップについて案内してくれた。

「オンラインショップもあるから来て下さいね。」
「世界中どこでも発送してます。」
「日本でも大丈夫?」
「もちろん。先週はドバイにも発送したんですよ。」
「おー。でも、日本はさらに遠いね。笑」

などと話しているうちに、会計まで済んで、和やかな雰囲気のなか店を後にした。

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ポルトの中心São Bento駅 

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ホテルの近くの土産物屋。コルク製品や陶器を買った。魚のチャームはポルトガルでは定番の縁起物のイワシ。

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柄は細く、金属部分が大きいが持つと意外にバランスが取られていることに気が付く。そういえば、小さいフォークが無かった。

ちなみに、旅の最後、シャルルドゴール空港で日本へのフライトを待っている間、夕食を食べに入ったレストランでふとナイフを見たらクチーポールだったのである。やはり、メジャーなブランドなのだなと関心するとともに、クチポールへの想いが増すのであった。

しかし、日本に戻って、買って帰ったカトラリーは家族にも好評だし、デザイン的にも使い心地にも満足している。食事のたびに息子と歩いたポルトの夜の街の景色を思い出すのだろう。

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ドウロ川にかかるドン・ルイス1世橋から望むポルトの夜景。右岸が旧市街。左岸にはポルトワインの醸造所などがある。

さて、今回の旅は息子の目にはどのように映ったか、今回の親子二人の旅にどのような感想をもったか。彼がどのように感じたかはぼくにはわからないが、個人的には、仕事から解放されて、息子と並んで歴史のある美しいヨーロッパの街並みを歩き、少し贅沢な食事をシェアしたり、お土産を選んだりと、リラックスして楽しい時間を過ごすことができたのであった。

なにしろ、息子は中学3年生。親子二人での旅行などひょっとしたらもう2度とないかもしれない。そう思えば、貴重な機会だったということになる。両親にも感謝しないとな。

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ポルトで買ってきた猫の置物。ポルトガルといえば陶器。
そういえば、去年プラハに行ったときも猫の置物を買ったのだった、、なにか無意識にあるのか。

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