その言葉はどこから?

一昨日の夜、金縛りに遭いました。
金縛りに遭うのは初めてではないのですが、少し不思議な体験だったのでnoteにしました。

寝る前の日課であるツイッターチェックとFGOのAP消費を終えて、床に就いた時のこと。

一昨日は中々寝付けずにいて、次のnoteの構想や推しのことを考え続けても全然眠気が襲ってきませんでした。寝付きは良い方なので、普段なら布団に入って10分程度で眠りに入れるのですが、目は冴えるばかり。
携帯で時間を確認すると、寝ようと思ってから既に1時間は経っていました。次の日は朝も早いのに、このまま眠れないのはかなり辛いところ。
でも目を閉じ続けていれば何時かは寝るだろうと思った矢先、急に腕の筋肉が強張る感じがしたのです。

あ、これはヤバい。
そう思った瞬間、そこから身体がグゥッと重たくなり、鈴の音のような耳鳴りが止まらない。「チリン」という軽やかな方ではなく、「りーーーーーん」という仏壇に置いてある鐘を鳴らした時のかなり長い音。
金縛りは心霊現象ではないとわかっていても怖いものは怖い。

そして、時間にして数十秒足らず。フゥッと緊張状態が解けて身体が動かせるようになりました。
恐る恐る目を開け、真っ暗な部屋を見渡しました。案の定、誰もいません。怪しい影や靄とかもなく、見慣れた景色がただただ広がっているだけ。
「なんだよ驚かさないでくれよ」と安心した瞬間、ギシリと大きめの家鳴りがして、ビクッと身体が跳ねました。これ以上はやめて。勘弁して。
バクバクする心臓を落ち着かせる為、枕元に備えていた水を飲み、もう一度寝直しました。

けれど急に起こった金縛りのせいか、余計に眠れなくなりました。
「虫の知らせみたいなもので、身内の誰かに不幸があったんじゃないか?」とか、「最近、職場で霊を見たって言う人がいたから、まさかそれが憑いてきたのか?」など嫌な方向に頭が働き出してしまい…。
その間もピシピシと軋む音はしますし、微弱な金縛りもあり、布団に入ってからもう2時間は経っていたと思います。もう心霊現象なら心霊現象として、姿でも声でも何でもいいからそれっぽいの来てくれと、半ば投げやりになっていました。私は早く寝たいんだ。気絶でも良いから寝かせてくれ。心の中でブツブツと文句を垂れていたら、

1回目の時よりもズシリと重くなる身体。
耳元から左肩付近にかけて、撫でられている感触は無いのに被っている布団の表面を荒々しく撫でるような音。ザーーという音が左側だけに聞こえる。

あれ?本当に喚んでしまったかもしれない?
身体は動かせないし、怖いから目は開けたくない。音は止んだものの、キーンと耳鳴りがまたする。来るなら来いとは言ったものの、アポ無しはそれとして困る。
恐怖と動揺で頭の中がパニックになり、ヤバいヤバいと焦っていると、意識していた左側に衝撃が走りました。
物理的なものではなく、聞いてしまったのです。

男性の声を。
低いわけでも高いわけでもない、けれど女性ではない掠れた声。
子どもだとか老人だとか年齢が明確にわかる訳ではないが、青年だと思うような若い声。
誰に似た声なのかすら表せない特徴のない声がしたのです。
その声の主はただ一言、ぽつりと




「サイボーグ009」


と呟いたのです。

はあ?
恐怖に怯えていた気持ちは一気に冷め、代わりに沸々と腹が立ってきました。
なんでこのタイミングで出る言葉がそれ?

仮にこの状況が本当の心霊現象だったとしよう。
通例なら死とか呪い系の言葉だったり、不気味な唸り声だったり、これぞという表現はたくさんあるはず。守護霊様だったなら言葉の謎を解き明かすと「〇〇には気を付けろ」っていうメッセージが隠されてたとかもある。
でも「サイボーグ009」では、トラウマになるような怖さも感じられないし、解読する謎すらもわからない。
何故その言葉を私に伝えたかったの?何を遺したかったの?ふざけるにも程があるぞ幽霊(仮)。

反対に、心霊現象ではなく、私の空耳・想像の産物だとしよう。
私は知らず知らずのうちに1人で大喜利でも始めていたのでしょうか?「金縛り中、幽霊が言った面白フレーズは?」なんていうお題でも出ていたのですか?
サイボーグ009は今まで一度も観たことがない。強いて言うなら、宮城県民なので石ノ森萬画館に何度か足を運んで知っている程度。百歩譲って仮面ライダーとかならわかる。同じ石ノ森作品だし、なんなら今も観ていますし。
寝る前に何か関連性があるものを見た訳でもないし、ふと思い付いた言葉にしても中々出てこないワード。
どこからその言葉が出てきた?1人で大喜利する暇あるなら早く寝ろ。解答が寒すぎる。

金縛りは何時の間にか解けており、ただ意味不明な謎と憤りだけが残されていました。
ふざけた幽霊を見てやろうと目も開けましたが、そこには何もいません。十中八九、この言葉を残した犯人は自分自身です。
あまりの自分の馬鹿らしさに怒りを抱えながらも、何時しか眠りに就くことができました。

翌日。
当たり前ですが、身内には何も起きておらず、左肩が異様に重かったりもしていません。夜に遭った金縛りはただの身体の異常でしかありませんでした。
寝不足を栄養ドリンクで誤魔化しながら仕事をしていましたが、深夜のスベり解答のバチが当たったのか、言葉や話がつっかえたりカミカミだったりで、上手く口が回っていませんでした。
睡眠って本当に大事ですね。

嘘や冗談のような話ですが、本当に起きた出来事なのでここに綴ります。
できれば嘘や冗談であってほしかった。

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