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2/19 耳に開いた穴/コンビニとターミナル/経験に学ぶ

僕の耳には穴が開いている。家に帰ると数日前に注文したピアスが届いていた。500円くらいで小さい丸型のやつが何色かセットになっているもの。穴を開けた時から人に会う時は必ずピアスをつけていたが、最近はそうではなかった。理由はピアスを入れていた小物入れをひっくり返してしまい、その大半を見つけられなくなってしまったから。家の中なんだから探せば見つかるはずなのだが、面倒だった。それに使っているものも数年経って色褪せたり錆びたりしているものが多かったので、別れの時期だったと思えばなんてことなかった。

僕は物には執着するタイプで、ゴミ同然の衣類や靴も捨てられないタイプだ。でも外的要因によって僕と物が切り離されると、途端に執着が消える。憑き物がとれたように。

ひとまずこのままでは埋まってしまいそうな穴をこじ開けるべく黒いピアスを手に取り耳に差し込んだ。予想通り左耳は穴が塞がりかけていて、少しばかり捻じ込んでようやく刺さった。鈍い感覚が広がる。右耳は分かるようなは変化していなかったが、違和感は拭えない。要は痛いということだ。

痛みは嫌いだが嫌いになりきれない。程よい痛みは自分が在るということを実感できるから。レッスンと練習を終えて、疲労で足が痛むが、これこそ生きている証拠といえる。身を削り死に近づくことで、初めて自分の生を実感出来る。だから、痛みは好きだ。嫌いだけど。

随分日が伸びた気がする。17時まで野外で練習していたのだが、空はまだ明るかった。長い冬が去ろうとしている。雨の予報が出ていたが、僕らが公園から駅に向かう道中は降っていなかった。湿った地面に雲間から優しく光が注がれる。その景色が素晴らしくて、救われた気分になった。何から救われるのかは分からないが。



疲れましたねえ。エッセイっぽく二千字書くのは大変だ。あと練習でめちゃくちゃ頑張ったあと曲編を頑張るのは少しばかり辛いものがあるな。肉体の疲れもあるけど、精神の疲れがデカい。心の浪費だ。別に頑張っていないわけじゃないんだよ。でもなかなか出来ないねって話だ。

とにかく今日は久々に外で練習したんだけど、シンプルに足が疲れた。錦糸町という街、ほとんど行ったことがなかったけどまあ悪くない街だったな。

近隣のコンビニ。閉店を前にして店内がほぼ空洞になっていた。伽藍堂とはまさにこのこと。売っているのは僅かばかりのおにぎりやパンなど。

飲料もこの通りだ。このコンビニに対して思い入れは一切ない。が、しかし在るものが無くなるという現象は悲しい。2日前に引用した岸本さんの言葉を再び引用するが、

この世にいきた全ての人の、言語化も記録もされない、本人すら忘れてしまっているような些細な記憶。そういうものが、その人の退場とともに失われてしまうことが、私には苦しくて仕方がない。どこかの誰かがさっき食べたフライドポテトが美味しかったことも、道端で見た花を綺麗だと思ったことも、ぜんぶ宇宙のどこかに保存されてほしい。

死ぬまでに行きたい海

ということだ。ここで働く人、ここで買い物をする人、皆が色々は感情をこの店で動かしたのだろう。それが跡形もなく失われるのは胸が痛むな。


昨日か一昨日の夜にこのnoteを見つけた時も胸が締め付けられるような感情になった。この場所には何度か訪れたことがある。船に乗ったことはないが、とにかく眺めが良くて素敵な場所だった。近いうちにまたふらっと訪れたいなと思っていたのだが、明日の営業で閉館し、施設は取り壊しになるそうだ。もう二度とあの展望台に足を踏み入れることもないし、だだっ広い広場から海を眺めることもないのだ。僕は悲しい。


曲編は捗らない。もう明朝の自分を信じるしかない気がしてきた。まあそれでもいいか。確実に進捗はしているんだ。進まない時に無理をするのは僕の性分には合わない。やりたい時にやる。それが一番いいんだ。そう言い聞かせて文字を打つ。実際のところ気合いで手を動かせばいいんだし、最悪明日電車の中でも出来る。そういうことだ。追い詰められれば人は強くなる。学生時代に一夜漬けをしたことはない。というより出来なかったのだ。だから早朝に起きてギリギリの時間で自分を追い込んでいた。そうでもしないと出来なかったから。今もその方が都合がいい気がしてきた。よし、これでいい。という風に自分を正当化する。うん。

家に帰ると作業が停止するというのは大いにあるな。本当に。ぶっちゃけ今日先輩から誘いがあって、曲編と疲れを理由に断ってしまったのだが、こういうことなら行けば良かったな。まあいいか。ミスも味だ。人は間違えて生きていく。間違えて生きていくんだ。賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶというが、僕はどうやっても愚者だ。歴史から学ぶこともあるが、それ以上に経験から学ぶことが沢山だ。経験は何にも変え難いものを与えてくれる。こういうことを書くと、僕の嫌いな自己啓発的な文章になってしまうのだが、真実だから仕方ない。経験から学ぶことは多い。多いんだ。寝ます。

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