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第2回:自分の気持ちに素直にやる(北京オリンピックでの #カーリング沼 マーケティングを振り返る)

(タイトル画像の出典:カーリングYAMAチャンネル)

北京オリンピックでの #カーリング沼 マーケティングを振り返る企画、第1回から2週間経ってしまいましたが、続きです!
前回の投稿、読み返していて、文章のあまりのテンションの低さに自分でもビックリしています。(もうちょっと明るく書けば良かったです)

前回の内容をまとめると、こんな感じでした。

  • 北京オリンピックを前に準備不足だったけど、2021年12月に「これではいかん」と気づいた

  • 闇雲にやるのではなく、「ライトファン」、「コアファン」をイメージして、その中でも「ライトファンのコア化」にを重視することにした

(一応、前回の投稿のリンク載せておきますが、テンション低すぎるので、読み飛ばし可です)

第2回(この記事)では、「ライトファンのコア化」に向けてどうやって取り組めばよいのか、自分なりに考え感じたこと、そのきっかけについて、(中くらいのテンションで)書きたいと思います!

緊急作戦会議とYouTube

12月の中頃、日本カーリング協会(JCA)のアスリート委員が「緊急作戦会議:ズバリ!今話題のルール改正について話します」という企画を立ち上げました。

当時(今も)議論されていた、ルール改正の方向性とその対策について、アスリートへの共有とファンの理解の醸成が主な目的だったと思うのですが、私自身が世界カーリング連盟(WCF)のルール改正等について話し合うワーキングループのメンバーで、(アジア人の中で最も)この話題について詳しいということで、ゲスト兼説明要員として参加することになりました。

豪華なゲストの割に、グダグダなスタートの危なっかしい配信ではありましたが、「JCAのYouTubeチャンネルで、出演者(アスリート)と視聴者(主にカーリングファン)が交流する」という #カーリング沼 の原型が生まれた瞬間でもありました。

これまでYouTubeについては、「ヤマ(SC軽井沢クラブ:山口剛史選手)(カーリングYAMAチャンネル)と大野君(大福カーリングTV)が頑張っているな」といった程度の認識で、実際どういったポテンシャルがあるのか、私自身は肌感として持っていませんでした。ところが、一度YouTubeに出て話してみると、アスリートとオンラインで話している内容がそのまま魅力的なコンテンツになり得て、しかも視聴者の反応もつぶさに分かるという凄く面白いアプローチであることを感じられます。

JCAが大会の映像を2018年頃から自身のYouTubeチャンネルで発信し、登録者数を稼いでいたという土台、そしてYouTube配信を生業とするファイアー山口がアスリート委員にいたという条件が重なり、これが #カーリング沼 の垂直立ち上げへとつながっていきます。

カーリングYAMAチャンネルへの出演

少し遠くから見ていたカーリング選手のYouTube活動でしたが、いざ触れてみると、いかに未来のアスリートの境遇改善等に課題意識を持って、手を動かしている偉い人たちなのかを感じることができました。その後、ヤマにはオンライン会議で相談に乗ってもらったりしながら、いっそのことYAMAチャンネルで話しちゃおうぜということで、作戦会議から1週間も経たない12/27に再度YouTubeに出演、しゃべり倒します。

今思うと、割と純粋にゲストとして話しができる珍しくも楽しい機会でした。
(余談ですが、サムネイルに使われたやたらフォーマルな写真は、会社で撮影したやつですね)

この2回のYouTube配信で分かったのは、「YouTubeで話すの結構楽しい」です。それは、視聴者の前で話すということもそうだし、アスリートとオンラインで色んなことを話すことそれ自体が楽しいという両方の側面があります。

「カーリングの発展のために、なんとかしなければ」という、義務感というか使命感のような部分はありますが、楽しみながらそれを成し遂げる道筋を見つけられたような気がしました。

「獣道(けものみち)IV」の衝撃

YouTube配信は方向性として見えたものの、「カーリングの楽しさを感じてもらって、もう1歩踏み込んで、ハマってもらうためのきっかけって何だろう」と考えながら色々なチャンネルを見ていた時に、2021年の年末に格闘ゲームの企画「獣道」を見かけます。

「スト2(ストツー)」は、誰もが知る2D格闘ゲームだと思いますが、そのストリートファイターシリーズで活躍し日本初のプロeスポーツプレーヤーとなった梅原大吾氏がプロデュースするイベントが「獣道」、2021年は第4回となります。

このイベントの特徴は「因縁のマッチメイク」。「獣道IV」では、4つのゲームタイトルでそれぞれたった1試合ずつしか組まれません(イベントの中で対戦カードが4つしか組まれていない)。

私が偶然見かけたのは、そのうちの「SUPER STREET FIGHTER 2X(スパ2X)」の対戦カードの紹介動画(5分30秒)でした。

ゲーム画面をご覧いただければ分かる通り、「スパ2X」は、「スト2」(1990年代前半に爆発的なブームになった)の流れを組む古いタイトルで、最新シリーズは「スト5」まで進んでいる中、発売から25年以上経っていまなお根強く遊ばれているタイトルのようです。

ディフェンディングチャンピオンの「こたか商店。」は「獣道」から「獣道III」まで、毎回出場、圧倒的な強さを見せ続けています。「スト2 第一世代」と呼ばれるレジェンド級のプレーヤー、その当時誰も手も足もでなかったようなスーパースターたちが全力をかけて挑戦してくるのを、現役プレーヤーである、こたかが蹂躙するというのが「獣道」のこれまで3回で、もはや「獣道IV」で誰とマッチメイクしても、勝負は見えているのではないかと、見ている側の心を折るほどの小憎らしい存在です。

例えば、これが前回「獣道III」の予告動画ですが、圧倒的な実績を持ち「ストII」をこよなく愛する挑戦者クラハシがプライドをかけて挑んで、全く手が出なかったという結果。「獣道IV」もこの再現になるのではないかと誰もが心の底で思っていたはずです。

ところが、「獣道IV」での「こたか商店。 vs ユウベガ」は、  格闘ゲーム史上最高とも呼ばれる1戦になります。

正直、真剣に「スト2」をプレーしたことのない私の理解度は、ゲームの雰囲気が分かる程度です。

ところが、予告編を見た数日後に、本編を視聴し、本当に衝撃を受けました。半年経った今でも、自分的ハイライト部分(予告、逆転箇所、終了後インタビューなど)を中心に再視聴してしまうほどに気に入っている動画です。

なぜか。

ここで気づいたのは、私がスポーツ観戦(エンターテイメントの視聴)で楽しんでいるのは、まずその競技・大会にどのような意味、重みを見出すかという点。(舞台の重み、プレーヤーの背負うものの大きさ)

その上で、競技の内容そのものが面白ければ、さらに楽しめる、ということ。(極めた技術、接戦)

カーリング競技自体の面白さについては、私自身は確信しているので、あとはその中身についていかに、かみ砕いて、やっていることの意味を理解してもらえるか。そして、その背後にあるアスリートのストーリー、背負っているものを感じてもらえるかが大事ではないかと強く思いました。

そして、アスリートから伝わる、作り物でないリアリティ、それはオンアイスであったりオフアイスであったりすると思うけれども、それしか人の心をつかむ、動かすものはないんだろうなと。

カーリングのマーケティングを考える上で、自分の心がどういうときに動くのかを直視して、「小手先じゃないことをやろう」と思うきっかけに、ここしかないというタイミングで出会えたのは、今思うとラッキーでした(「獣道IV」は12/30、YAMAチャンネル出演の3日後)。

カーリングの話をしていたはずが、なぜかほとんど格ゲーの話をしてしまいました・・・。

こんな心意気で #カーリング沼 の企画がスタートしていきます。

つづきはこちら↓


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