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友人の子と、わたし

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友人の子どもたちのエピソード
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2020年1月の記事一覧

散歩

友人の子を預かって、散歩した。

胸からお腹にかけて温もりを感じながら、顎にあたる前髪を時折フーッと吹いてみたりする。

スー・・・スー・・・

しばらく進むと、寝息が聞こえた。

見下ろすと、長い睫毛が見える。
寝てるだけなのになんだか一生懸命でいじらしい。

寂れたデパートのベンチに座り、ゆっくり揺れながら彼女を見つめた。なんだかこっちまで眠くなってくるなぁ・・・

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「おねーちゃ~~ん!」

友人の子が走ってきて、私の人差し指をきゅっと掴んだ。

小さい手のふわふわした感触が、心地よく伝わってくる。

「ねー、私の指冷たくない?大丈夫?」
33歳の冷え性が、4歳のぬくもりを奪うような気がして心配になる。

「うーん、だいじょうぶ〜」
指を離そうとしない彼女。なんて可愛く笑うんだろう。

しばらく歩いていると、「あっ!ママー!」何かを見つけた

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超えてゆけ

寝転んでいたら、モソモソっという感触がした。足元を見たら、友人の子が、私のふくらはぎにつかまり立ちをしている。

「おっ、がんばれー」

寝転んだまま、エールを送る。

すると彼は、うーうーと可愛いうめき声をあげ、クリクリの目を見開いて更にモソモソする。

なるほど、向こう側に行きたいのね。

「イワムラを〜越えてゆけ〜」

寝転んだままエールを送ったら、

「ちょっ、

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レモネード

「ねー、いっしょに混ぜよ~」
友人の子が、話しかけてきた。

「いーよー、せーのっ」
レモネードを一緒に、ぐるぐる、ぐるぐる。

こんなことで喜んでもらえるなんて、
子どもって、なんて優しいスタンスなんだろう。

「もういい?ストップって言って~」
「すとっぷー!!」
「はやっ。笑」

このあとこれを、2回繰り返した。
#友人の子