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「金の斧と銀の斧と50円」

練習をしに音楽スタジオへ行った時のこと。
店員さんに「前回来られたとき、おつりの渡し忘れとか無かったですか?」と聞かれた。突然の質問に「???????」となる私。
よくよく聞くと、どうやら私が前回練習した日に最終的に50円のプラスが出たので、その日の利用者で50円のおつりの渡し忘れの可能性がある人に冒頭の質問をしているらしい。私が利用しているスタジオは当日に予約すると1時間550円。そして私は600円を渡しているとのこと(レジの記録)。
ふむ、なるほど。それは50円のおつりだ。

うーむ......覚えてない。
全く覚えていない。

貰った気もするけど、例えば店員さんが渡し忘れていたとしても常にボーッとしている私は(日常生活にほぼ意識無し)そのままスルーするというパターンも大いにあり得る。うーむ。
そもそも50円じゃないか、とも思う。
いや、待てよ。
これが6000円渡して500円のおつりとかだったら覚えているんじゃないか。いや覚えていられるかは分からないけどその場で気がついて「あ、おつり....」って言える気がする。ということは何だか50円をすごく軽く扱っているようで(実際そうなのだけれど)嫌だなあ。とかそんなことを思ったところで全く思い出しはしない。
感情と記憶は全く別物。
とりあえず質問には「全く覚えてません.....いやぁ貰ってると思うんですけど......ははは」と、どっちやねん1000%で答えました。

そしてここで「50円ですし私はもういいですよ」って言わない小物な私...とも思い、「あなたが落としたのは金の斧ですか?銀の斧ですか?」を思い出した。
50円を貰ってるのに「あ、私だ!」って言うこともできるし、覚えてないのに「たぶん私じゃありません」って言うことも出来る。

「あなたが落としたのは金の斧ですか?銀の斧ですか?」

私は「普通の斧です」って言えるだろうか。
言える人間でありたい。ありたいよな。
「あ!金の斧ですー!!!!!」って両手挙げて言ってたら、みなさん遠慮なく頭を張り倒して下さいね。

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