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【プロ野球】 3連戦から読み解く 先を見据えた投手運用 〜6/21 ソフトバンク 1-5 ロッテ 〜

こんばんは、岩国です。ロッテがソフトバンクに連勝しました。
初戦も惜しかっただけに、やはり戦いを優位に進められる明確なデータがあるのかもしれませんね。

試合の前に、福田秀平選手が登録抹消となりました。
検査の結果、右肩甲骨の亀裂骨折。自分の不注意ではなく、死球という不可抗力なアクシデントなので、やり場がない悔しさを抱えていると思いますが、しっかり直して復帰してから、頑張ってほしいですね。

入れ替わりで茶谷健太選手が1軍合流しました。
前日の2軍戦で、ヒットを打った直後なのに交代になり、怪我でもしたのかと思いましたが、福岡への移動が急に決まったということでした。古巣相手に出番はなかったですが、展開によっては守備固めなどの起用も考えられるので、アピールしてほしいですね。

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本題に入る前に、まずは試合について。
きょうは、そんなアクシデントが勝敗に直結しました。

2回表。レアード選手とマーティン選手が連打で無死1・2塁のチャンスを作ったロッテ。この場面でベンチは6番・中村奨吾選手に送りバントを指示しました。

前日までの2試合でも、終盤には送りバントを使っていましたが、昨年は序盤からこのような作戦をとるケースは、あまり見かけた記憶がなかったので「今年のロッテはちょっと違うのかな。どうなるのかな?」と、興味深く見ていたところで事件がおきました。

ソフトバンク・二保投手の投じた3球目が、内角高めに抜けて、中村奨選手の左後頭部付近に直撃。二保投手は危険球で退場となりました。

中村奨選手は6月13日、ライオンズとの練習試合でも松本航投手から、頭部死球を受けており、わずか9日間で2度、頭にボールを受けたことになります。考えただけでもゾッとしますね。

中継でなかなか中村奨選手を撮ってくれず、気が気じゃなかったのですが、投手交代が終わったところで、笑顔で一塁に戻ってきたので、その笑顔に救われた気分になりました。

その後、変わったばかりのルーキー・津森投手から、井上晴哉選手がバックスクリーンへ満塁弾を放つわけですが、後から考えれば、中村奨選手に走らせる必要がなかったので、良かったです。

というのも、頭部死球によって、脳震盪を起こしていた可能性は拭えなかったからです。交通事故でも後から「気持ち悪い・・・」と病院に運ばれるケースもありますから。

インターネットで簡単に調べましたが、たいていの脳震盪はすぐに回復するとのこと。しかし、重度になると後遺症の残る障害が出る場合もあると、何かの番組で見たことがあり、中村奨選手の場合、昨年も頭部への怪我があったので、なぜすぐに代走出さなかったなと、再び寒気に襲われた次第です。

その後、守備から交代していましたが、賢明な判断だと、胸をなでおろした次第です。

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ここからが本題です。

井上選手の満塁ホームランの直後、2回裏に松田選手の今季初安打、初タイムリーで1点を返され、4ー1で5回を終了。

この段階で先発・美馬投手の投球数は96球。「耐えられたかな」と、中継中に談話が入っていましたが、特に変化球を操りきれない中、5回7安打2四球。毎回ランナーを出しながらの1失点と、先発として最低限の仕事ができていたと思います。要所で三振を奪えたことが大きかったのでしょう。

ただ、ここからどうするか。

今季の勝ちパターンだと思われるハーマン投手、ジャクソン投手、益田投手の3投手は、前日までの2試合で登板。この日投げれば3連投となってしまう状況でした。

吉井投手コーチは、よっぽどのことがない限り、リリーフの3連投はやってこない。特に今季は6連戦が最後まで続く過密日程になるので、この段階から消耗するような起用はしてこないだろう。

ベンチが6回のマウンドに送ったのはチェン・グァンユウ投手でした。対左のワンポイントとしてだけではなく、ロングリリーフとしても昨年、要所でいい働きをしていた投手。そういう仕事ができるように、経験を積ませてきたと、吉井コーチも昨年おっしゃっていたので、まさにこういう時にはうってつけの投手と言えます。

途中、ピンチも招きましたが、左キラーの代打・川島慶三選手や、好調の栗原選手、前日ホームランを放っている柳田選手と明石選手などしっかり抑えて、2イニングを無失点で切り抜けました。

8回には開幕戦で無敗記録が止まってしまった東條投手が、右打者3人を危なげなく料理して9回へ。1点を追加し4点差となっていましたが、ここでこちらも開幕戦でサヨナラ安打を打たれた小野郁投手をマウンドへ送りました。

昨年のロッテリリーフ陣運用は、形のないところから作っていくところから始まりました。

そんな中で台頭してきたのが東條投手と、楽天に移籍して行った酒居投手。彼らがリリーフとして、1本立ちできるようになったのは、吉井コーチの投手運用が大きな一助となっていたと私は思っています。

記事にも書いたことがありますが、酒居投手は昨年、一時はセットアッパーを任されるまでになっていました。しかし、未経験ということもあり、失敗するケースも。

そんな中、吉井コーチは「リリーフは失敗してもすぐに行きたいもの。そこでダメだからと使わなくなると、本当にそのままダメになってしまう」と、失敗翌日の同じような場面で酒居投手を起用し、酒居投手もその心意気に応えたという試合がありました。

今現在、現場での取材ができない状態ですが、今回の特に小野投手の起用には、そういう部分も含まれているんじゃないかと思いながら、見ていました。

育てながら戦える戦力を整えていく。

今年は、昨年の課題であった終盤を任せられる外国人リリーバーを2人も獲得したロッテ。しかしそこにあぐらをかくのではなく、不測の事態と、その先の将来を睨みながら、淡々と職務を遂行する吉井コーチ。

ファームにいる内投手や松永投手が、復活した時に、その周りを固める若い投手が何人育っているのか。

競馬がお好きな名伯楽は、きっと好位につけながら、差し脚を溜めこんで・・・と、計算をしているような気がしてならないのです。

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余談ですが「好位差し」で、私が思い出すのはビワハヤヒデ。なんだかわかんないけど強かったという印象でした。

がっつり勝負しに行った秋の天皇賞で、故障してしまい、馬券の相性は悪かったですが、いい馬でした。

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