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いわきりなおとの国宝漫遊記&トーハク見聞録

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共同通信加盟新聞にて連載中の「いわきりなおとの国宝漫遊記」「トーハク見聞録」の過去記事置き場です。掲載新聞は、秋田魁新報、新潟日報、静岡新報、上毛新聞、神戸新聞、中國新聞、山陰中…
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#いわきりなおと

【特報】アニメおしえて北斎!3月配信決定&キャスト発表です!!

ついにここまでやってきました。かなりおもしろい作品に仕上がっておりますので 皆さま応援よろしくお願いいたします!! https://natalie.mu/comic/news/415608 ニュースから引用 「監督は原作者にして、生粋の日本美術マニアでもあるいわきりが務める。メインキャストとして主人公・岡倉てんこりん役で和氣あず未 てんこりんの夢を叶えるために絵師を降臨させる雷神役で小西克幸、 かつては天才少女と呼ばれたてんこりんの最大のライバル・狩野カノン役で若井友希が

いわきりなおとのトーハク見聞録 重文「不動明王立像」

◎怒って導くお不動さん 重文「不動明王立像」  東京国立博物館(トーハク)が所蔵する重要文化財「不動明王立像」(平安時代・11世紀)は、目を見開いて唇をかみ、歯をむき出しにした怒りの表情です。  なぜ怒っているのでしょうか? それは仏様が人々を優しく教え導くのに対し、教えを聞かない者や欲を捨てられない者を、激しい怒りで導くためです。  日本における不動明王信仰は、平安時代初期に空海が中国から持ち帰った密教とともに広まりました。空海は中国で学んだ知識や持ち帰った図像を元

いわきりなおとのトーハク見聞録「ゆる埴輪   踊る人々」

◎シンプル極めたゆる埴輪  野原古墳出土「踊る人々」  東京国立博物館(トーハク)が所蔵する埴輪「踊る人々」は、1930年に埼玉県熊谷市の野原古墳から、2体一緒に出土しました。6世紀に作られた物で、どちらも下半分が推定復元されています。  当時は小さい方(高さ57・0㌢)が古代の男性の髪形「美豆良(みずら)」が見られるため男性、大きい方(同64・1㌢)は女性と考えられたことから「踊る男女」と名付けられました。 その後研究が進み、女性と考えられていた方が美豆良(みずら)が

いわきりなおとの国宝漫遊記 第13回国宝「銀閣寺」の巻

漫画家のいわきりなおとさんが、京都市にある国宝の慈照寺(銀閣寺)を紹介します。    ×   ×     室町幕府の8代将軍足利義政は、応仁の乱を引き起こしたり、土一揆に悩まされたりするなど、政治能力に欠けていたとされていますが、文化面では大きな功績を残しました。茶器や美術品をたくさん収集し、現代に残っているコレクションの多くが、国宝や重要文化財に指定されています。  義政は、祖父である3代将軍義満が建てた鹿苑寺(金閣寺)を参考に、京都の東山に慈照寺を造りました。銀色

いわきりなおとの国宝漫遊記 第12回国宝「源氏物語絵巻」の巻

◎下ぶくれ顔で雅を表現 国宝「源氏物語絵巻」、東京・五島美術館蔵  漫画家のいわきりなおとさんが、4月28日~5月6日に、五島美術館(東京都世田谷区)で特別展示される国宝「源氏物語絵巻」を紹介します。   ×   ×    紫式部の長編小説「源氏物語」(11世紀)の世界を、約150年後に絵画化した国宝「源氏物語絵巻」(12世紀)は、現存する日本の絵巻の中で最も古いものです。絵と詞書で構成された19図が現存し、名古屋市の徳川美術館と五島美術館が所蔵しています。  登

いわきりなおとの国宝漫遊記 第11回「琉球国王尚家関係資料」の巻

◎子孫が守った玉冠の輝き琉球国王尚家関係資料、那覇市歴史博物館蔵 漫画家のいわきりなおとさんが、那覇市歴史博物館が所蔵する、沖縄県唯一の国宝「琉球国王尚家関係資料」の玉冠を紹介します。    ×   ×     かつて琉球王国として栄えた沖縄県には、もともと貴重な文化財がたくさんありました。しかし、沖縄戦と米軍の略奪のためにその多くが失われてしまいました。世界遺産の首里城跡にある首里城正殿や守礼門も元国宝で、現在の姿は戦後に再建された物です。  1879年に沖縄県が設置

いわきりなおとの国宝漫遊記 第10回「秋萩帖、伝小野道風筆」の巻

仮名の歴史伝える書跡  国宝「秋萩帖」伝小野道風筆  東京国立博物館蔵   漫画家いわきりなおとさんが、平安時代の能書家(書の名人)、小野道風筆と伝わる秋萩帖(東京国立博物館蔵)を紹介します。    ×   ×     約1100件の国宝のうち、書跡は227件で2割を占めます。つまり国宝鑑賞をしていると、たくさんの書に出合うことになります。最初は違いがあまり分かりませんでしたが、たくさん見ているうちに分かるようになり、今では書跡を見るのが大好きになりました。  平

いわきりなおとの国宝漫遊記 第9回「円山応挙 雪松図屏風」の巻

◎リアル表現で日本画に革命   円山応挙「雪松図屏風」、北三井家旧蔵  漫画家いわきりなおとさんが、江戸時代中期から後期の絵師円山応挙筆の国宝雪松図屏風(6曲1双、左隻、北三井家旧蔵)を紹介します。   ×   ×  応挙は、同時代の伊藤若冲や曽我蕭白といった「奇想」の画家たちに比べ、真面目な絵を描く画家という印象です。現代の若冲ブームに対し、応挙の人気は地味です。しかし、これは現代人から見た評価で、応挙が生きた時代では評価が逆転します。  応挙が登場する前は、格好良く

いわきりなおとの国宝漫遊記 第8回「天平の美少年  阿修羅像」の巻

仏女に人気、天平の美少年 阿修羅像  奈良市・興福寺蔵  漫画家いわきりなおとさんが、奈良市の興福寺が所蔵する国宝阿修羅像を紹介します。    ×   ×  広島カープを応援する「カープ女子」や日本刀が好きな「刀剣女子」が近頃 話題ですが、「国宝阿修羅展」が開かれた2009年ごろから、仏像が大好きな女子、略して「仏女」が注目されています。  数ある仏像の中でも、仏女の人気が高いのが興福寺の阿修羅像です。仏様には偉い順に「如来、菩薩、明王、天部」があり、阿修羅は一番下の天

いわきりなおとの国宝漫遊記 第7回「運慶作 制多伽童子」の巻

◎仏像をリアルに進化  運慶作、制多伽童子 和歌山・金剛峯寺  漫画家いわきりなおとさんが、国宝八大童子立像のうち制多伽童子(和歌山・金剛峯寺蔵)を紹介します。    ×   ×  有名な仏師と言えば、多くの人が運慶の名を挙げると思います。他の仏師とどこが違うのでしょう? 私は、仏像はどれも同じような顔だと思っていましたが、運慶の作品を見て、一目でその良さが分かりました。  運慶仏は、現実の人間のような表情で、今にも動きだしそうな肉体表現がとてもリアル。ポーズや見

いわきりなおとの国宝漫遊記 第6回「迎賓館赤坂離宮」の巻

“明治生まれ”初の国宝  迎賓館赤坂離宮  東京都港区 漫画家のいわきりなおとさんが、国宝迎賓館赤坂離宮(東京都港区)を紹介します。    ×   ×  日本外交の舞台である迎賓館赤坂離宮は、1909年に、皇太子時代の大正天皇が住むための東宮御所として造られました。  設計総指揮を任されたのは、お雇い外国人であった英国の建築家ジョサイア・コンドルの弟子の一人、片山東熊。片山はヨーロッパの宮殿建築をモデルにして、日本初の本格的な西欧様式の宮殿を設計しました。  建築、内装、装

いわきりなおとの国宝漫遊記 第4回「姫路城」の巻

世界も認める美しい白 姫路城天守  兵庫県姫路市 漫画家いわきりなおとさんが、世界文化遺産でもある兵庫県姫路市の国宝・姫路城天守を紹介します。    ×   ×     姫路城は2015年に「平成の大修理」を終えたばかり。白しっくいの美しさを取り戻し、「白鷺城(しらさぎじょう)」の名にふさわしく白く輝いています。 あまりの白さに、修理前の姿を見慣れた人たちの間で「白くしすぎ」「これでは白すぎ城だ」と言う声もありましたが、昔の白さに戻っただけなのです。  姫路城の白さは

いわきりなおとの国宝漫遊記 第3回「金印」の巻

歴史のロマン伝える輝き 金印(漢委奴国王印)  福岡市美術館蔵  漫画家いわきりなおとさんが、教科書でもおなじみである純金製の国宝「金印(漢委奴国王印)」(福岡市博物館蔵)を紹介します。    ×  ×   金印は江戸時代の1784年、志賀島(現在の福岡市東区)で、農作業中のじんべえさんによって偶然発見されました。 この時田んぼを耕していなかったら、いまだに地中に埋もれたまま、つまり歴史に埋もれたままだったことでしょう。  印面には「漢委奴国王」の5文字が刻まれていま

いわきりなおとの国宝漫遊記 第2回「志野茶わん銘卯花墻(うのはながき)」の巻

◉手のひらの中の宇宙   漫画家いわきりなおとさんが、東京国立博物館で6月4日まで開催中の特別展「茶の湯」で展示している、国宝「志野茶わん 銘卯花墻」(三井記念美術館蔵)を紹介します。 (※「茶の湯」展はすでに終了しています) 織田信長や豊臣秀吉、明智光秀など、戦国時代から江戸時代の大名や武家の間では立派な茶わんを持ち、部屋を飾るのが最大のステータスでした。 現代のビジネスマンが高級スーツやブランド時計を身につけ、できるオトナを演出するのと同じですね 井戸茶わん、楽