WTT2024で見た、学生XRエンジニアの1スライドに強く感動した理由。
こんばんは、XR界の吉田松陰 (コミュニティリーダー) を目指す、イワケンです。
今、深夜3時ですが、どうしてもこのことだけは残しておきたかったのでnoteに書きます。
6/22 (土) に開催された、株式会社サイバーエージェント主催のイベント
女性エンジニアのための技術とキャリアのカンファレンス
Women Tech Terrace 2024 (以下WTT2024)
に参加しました。
イベント参加の背景
なぜ女性向けのイベントに男性である私が参加したのか、理由は三つありました。
という中で、本イベントでは、基調講演の安田 絹子さんの講演から始まり、私自身大変気づきのある内容ばかりでした。
登壇者の皆さん、運営の皆さん、準備・登壇ありがとうございました!
このnoteでは、これだけ伝えたい!!!というスライドを1枚ご紹介します。
会場にいる聴講者の中で、XRを専門とする人は私しかいないと思うので、私が語るしかない!!! という想いです。
強く感動した1スライド
このスライドは、学生XRエンジニアさくたまさんの発表「XR新体験を開拓せよ!〜AR×ドラムの場合〜」からのものです。
このスライドの前までのストーリーが
・XRのコンテンツって意外と簡単に作れる方法あるんですよ! (事例紹介)
・XRコミュニティは温かい / 年齢性別を気にしないコミュニティも存在する
・しかし、XRの作り手に女性は少数派、それによって見過ごされる事象がある
からの本スライド
このメッセージの言語化に私は感動しました。そして、これからのXR業界に必要な目線だと感じました。
以下、私の解釈と感動ポイントを述べさせていただきます。さくたまさんに確認を取ったわけではないので、本人の意図とは違うかもしれないのはご了承ください。
まず
SF好きな人がつくるSFの世界観
これは既存のXR作り手と、それによって作られたXRコンテンツに対する言語化です。
私目線でも、XR作り手の多くは、レディプレイヤーワンやSAO、電脳コイルなど、SFの世界観に惹かれてXR始める人が多いです (全員とは言いません)
実際に、私はXR好きな学生70名以上面談しています。その中で「あのアニメ、映画に感銘を受けてXRに興味を持ちました!」という人は確かに多いです。
このこと自体は、黎明期において非常に価値のあることだと思います。
ワクワクする未来に向けて、情熱ドリブンで世界観を実現する。この原動力は非常に尊い、世界を前進させるのに必要なことです。
それによって生まれるXRコンテンツは「SFの世界観」であることが多いでしょう。
しかし、XRデバイスが一般に普及し、日常のUXになる未来が近づいている時において、SFの世界観「だけ」でよいのか?という問いかけだと私は感じました。
答えはNoでしょう。
SFの世界観が刺さらないユーザーもいるし、顧客が本当に求めているUXは別かもしれない。という視点は当然必要です。
じゃあどうすれば、というのが次のメッセージ
多様な作り手がつくる日常のUX
多様な作り手が日常のUXを作って行きましょう。というメッセージにつながります。
チームとして、SFの世界観が好きな人もいれば、そうでない人もいる、男性も女性もいる、その他の多様な目線もあると日常のUXとして向上していくでしょう。
なぜこのメッセージが私が感動したのか
3つあります。
XR界隈に対するメッセージとして
「SF好きな人がつくるSFの世界観」というのが、今のXR界隈の特徴を良く表しているなと思いました。そういう人がいること自体は悪くないと思うのですが、「XRの作り手には、SF的な世界観が好きな人が多い」ということが自分の中で当たり前すぎて、気づいていなかったのです。
私も以前、アニメ的魔法演出を世の中に披露しました。
SF好きが多いことが、いい悪いという話ではなく
それが当たり前になっていたことに、気づかなかった自分を反省すべき
だと思いました。
私は「XR的な演出は、魔法のような演出をすれば伝わりやすいだろう」
と無意識に思っている自分がいました。
でも、そうじゃない人もいるかもしれない、と一歩立ち止まることが大事だと思っています。考えた結果、SF的な世界観にするのはOKだと思います。でもその立ち止まりがなければ、偏った種類のコンテンツが増え続けるでしょう。
女性エンジニアに対するメッセージとして
本イベントの聴講者は女性エンジニア (not XRエンジニア) でした。
その中でどういったメッセージを残すか。
多様な作り手が日常のUXに貢献する。
このメッセージが良かったです。
女性が貢献する例として、
をあげていました。非常にわかりやすいです。
HMDとメイクの相性の悪さと、提供者側の考慮の少なさについて、私も最近Apple Vision Pro体験会を実施して、やらかしました。
ある女性の方に体験させるときに、ファンデーションがHMDが付着するのを気にしすぎて、コンテンツに集中することができない時がありました。
これに対して、私は急遽ハンカチを挟むなど、ベストかわからない対応をしました。(ニンジャマスク持ってくれば良かったと思いましたが、それがベストかどうかもまだ検証しきれていないです)
これは作り手チームに女性がいれば気づくことだと思いますし、UXの向上に向けて議論できることだと思います。
言葉選び
「女性の作り手」ではなく「多様な作り手」という言葉を選んだも、個人的には感動ポイントでした。
女性向けイベントなので、「女性の作り手」という言葉の選択肢にあったかもしれないですが、本質的には「多様な作り手」が重要だと私も思います。
また、「SF好きな人がつくるSFの世界観」「日常のUX」など、色々言いたいところを、この短さの言葉にしたも流石と思ました。
まとめ: XR界の未来をつくる、私たちの役割
ここまで、WTT2024で登壇した学生XRエンジニア、さくたまさんの1スライドに強く感動した話をお伝えしました。
さくたまさん目線の意図もXで投稿されていたのでシェアします。
XR界のコミュニティリーダーを目指す立場として、今回の経験から学んだことを自分の行動に反映させていきたいと思います。
これまでの3年間、私は以下のような活動に取り組んできました
異業種とのコラボハッカソン withAR
コロナ禍でのXR学生支援コミュニティ Iwaken Lab.
これからのXRの普及期に向けて、新たな課題が見えてきました
XR作り手コミュニティのバイアスを認識すること
多様な作り手から生まれる日常のUXを大切にすること
これらの課題に取り組むため、私自身がさまざまな界隈・コミュニティの窓口となって、以下のことを実践していきます
積極的なコミュニケーション
新しいコラボレーションの創出
社会に影響を与えるインパクトの追求
だから、DE&I界隈の皆さん、ジェンダーギャップ解消に向けて活動する皆さん、これからもどんどん教えてください!一緒にコラボしていきましょう!
ちなみに、最近のチャレンジとして、茶道の先生とApple Vision Proでコラボできないか模索中です。明日もお茶会で体験会してきます! XRの可能性は無限大。みんなで力を合わせて、ワクワクする未来をつくっていきましょう!ではまた!
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