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ビスケットカンファレンスに参加してきました



ビスケットカンファレンスとは


ビスケットカンファレンスは、プログラミングソフト「ビスケット」の生誕20周年を記念したイベントです。
全国のビスケットを活用している教育者が一同に集まり、実践を発表するイベントでした。

ビスケットとは

プログラミングソフト「ビスケット」は、自分の描いた絵を不思議なメガネを使って、動かしたり、変化させたりして遊びます。
スクラッチのようなブロック型プログラミングアプリとは異なり、メガネの置く順番はプログラミングに左右されないため、ビスケット独自の楽しさがあります。

ビスケットカンファレンスに参加して思ったこと

ビスケットはコミュニケーションツール

口頭発表とポスター発表合わせて、30ぐらいの発表がありました。
どの実践も、一人でビスケットをしてこんなプログラムを作りましたではなく、周りを巻き込みながらビスケットを楽しんでいました。
それぞれ実践では、作品を見せ合いながら「なるほど〜それも面白い」「まねしてみよう」と、協働的な活動が発生していました。
そして、ビスケットに触っていない保護者や地域の人にも、自分の作ったビスケットを見せることで新たなコミュニケーションが広がっていました。
また、ビスケットで描こうとする対象物とコミュニケーションが取れるのです。
自然の葉っぱや自分の作ったリアル卵、牛乳パックが片付けられない問題。
ビスケットを通すことで、対象物や作品に思いを込めることができるのです。
つまり、人と人を繋げたり、物と自分の思考とを繋げたり、課題と解決策を繋げたりできる。
まさに、ビスケットはつなげるコミュニケーションツールなのです。

ビスケットはアウトプットツール

このビスケットというコミュニケーションツールは、人とつながるためにはアウトプットを行う必要があります。
作品を作ることが、ビスケットではアウトプットになります。
絵を描き、メガネを使って変化させたり、音を鳴らしたり、タッチしたりして作品を作ります。
文字でアウトプットするよりも、色の違いや置く位置によって、自由なアウトプットができるのです。
自由ということは、考えなければいけないことが増えると言うことです。
子どもたちはビスケットを使うことで、自分なりのストーリーを載せて、アウトプットするできます。

ビスケットは優しいツール

幼稚園の子から特別支援の子、高校生までのたくさんの子がビスケットを楽しんでいる様子が各発表者から分かりました。
私の発表したビスケット部も含めると、大人までもが他の楽しんでいます。
つまり、どの世代の人にも楽しんで使えるツールであることが分かります。
どの世代にも楽しいと思えるツールはそうありません。
なぜなのか、博士がヒントをくれました。
「手作りのプログラミング」
プログラミングは、端的で正確で速いほどよいプログラミングです。
しかし、「手作りのプログラミング」はその逆というか、甘じょっぱいのような、矛盾したような印象を受けます。
私的には、人間臭さのあるプログラミングのことなのかと思いました。
社会が進みタイパやコスパが求められる社会だからこそ、高速で無駄のないプログラミングが活躍します。
そんなプログラムのアンチテーゼとして、不格好で長く、しかし温かみのあるプログラミングを人間として求めているのだと思うのです。
例えるとするならば、都会の忙しさから田舎を求めるノスタルジーのようなものでしょうか。
誰にでも優しく包んでくれる優しいプログラム。
それがビスケットだと思います。