【葬送のフリーレン】構成のリフレイン:時間経過コマ
漫画「葬送のフリーレン」には、様々なリフレイン(繰り返し)が組み込まれています。
それらを意識しながら読み進めるのも、この漫画の一つの楽しみだと考えています。
リフレインの種類についての概要はリンクを参照して頂き、以下では具体例について紹介します。
対象は単行本全10巻97話までですので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。
本記事で紹介するのは、構成のリフレインの「時間経過コマ」です。
「時間経過コマ」とは
漫画「葬送のフリーレン」では、話の中での重要な場面の間で、移動や時間経過などを表現するコマを挟む構成が、繰り返し登場します。
私はそれを「時間経過コマ」と呼んでいます。
例えば、以下のようなコマを指します。
この構成は、箸休め的な役割を持っており、葬送のフリーレンを読む際に、独特のリズムを付与しています。
また、ちょっとした伏線回収が表現されている場合もあり、それを発見するのが、葬送のフリーレンの楽しみ方の1つでもあります。
本記事では「時間経過コマ」という構成について、個人的にお気に入りな例を紹介していきたいと思います。
「時間経過コマ」の具体例
第7話 魂の眠る地
第7話では、フリーレン一行とアイゼンが出会ってから、フォル盆地のどこかにあるフランメの著書を見つけるまでに、以下の「時間経過コマ」があります。
個人的に好きなポイントは2つあります。
1つ目は、焚き火の前で葡萄を食べているシーンです。
話は戻りますが、第3話にて、甘い葡萄を酸っぱい葡萄に変える魔法を、旅の道中で手に入れたことが描かれています。
また第4話にて、アイゼンは葡萄が好きで、酸っぱいほどいいとの発言がありました。
このことから、今後アイゼンへ上記の魔法を使うだろうことが推察できますが、それが第7話の「時間経過コマ」にて描かれており、無事伏線回収できました。
2つ目は、フリーレンとアイゼンの寝相がめちゃくちゃ悪いシーンです。
フリーレンの寝相が悪いことは、この話以前にも描かれていましたが、アイゼンも寝相が悪いことが、この話で判明しました。
また、第78話に登場する、勇者一行の他愛のない日常の回想シーンにて、上記と同様に2人の寝相が悪いことが描かれていました。
フリーレンと同じエルフであるクラフトは、そんなに寝相が悪くなかったので、種族というよりかは、2人の個性だと思われます。
第28話 僧侶と後悔
第28話では、フリーレン一行がザインを仲間に勧誘する様子が、「時間経過コマ」として描かれていました。
個人的に好きなポイントは3つあります。
1つ目は、シュタルクとザインが森の前で並んで座っているシーンです。
何をしているかは明確ではありませんが、シュタルクが草を持っているのと、後にザインが草刈りについて言及しているシーンがあるので、2人で草刈りをしていたと推察されます。
あと細かいですが、フリーレンが草むらに突っ込んでいるのも可愛いです。
2つ目は、シュタルクとザインが身包みを剥がされているシーンです。
これは第27話でも描かれており、その時と同様にポーカーで負けたのだと考えられます。フェルンの冷たい目も面白いです。
3つ目は、村の真ん中に収穫された食料が山積みにされているシーンです。
第27話にて、フリーレン一行とザインが初対面した際に、村が収穫祭の準備で忙しいことが言及されており、おそらく上記のシーンは収穫祭の様子を描いていると考えられます。ちょっとした伏線回収ですね。
第49話 迷宮と魔導具
第49話では、フリーレン一行が迷宮を攻略している様子が、「時間経過コマ」として描かれていました。
ほとんどの「時間経過コマ」はセリフ無しで描かれていますが、この例はセリフがあります。
ただ、テンポよく進行しているので、「時間経過コマ」に分類しています。
個人的に好きなポイントは3つあります。
1つ目は、ガーゴイルに対処するシーンです。
フリーレン一行は動き出す前に倒すようにしていますが、デンケン一行はガーゴイルに気付かれた上で対処しているので、フリーレンの迷宮上級者っぷりが良く描かれています。
2つ目は、フリーレンが正規ルートに気付いて引き返すシーンです。
魔王討伐の時代での、ヒンメルの迷宮攻略の考え方を受け継いでいますが、フェルンはその考え方に納得していないみたいなので、継承はここで途絶えそうですね。
3つ目は、ミミックに引っ掛かったフリーレンを、フェルンが助けるシーンです。
ミミックからの引き抜き方は、その直前のシーンに登場しているので、おそらく2回目の実践シーンだと思われます。
もうフェルンは手慣れた感じがあるように思います。
上記に関連して、ミミックに引っ掛かったシーンや、草むらに突っ込んでいるシーンを、総称して「頭隠して尻隠さず」と呼び、それをまとめた記事がありますので、時間があれば御一読ください。
まとめ
漫画「葬送のフリーレン」では、「時間経過コマ」という構成が繰り返し登場します。独特のリズムの形成に貢献したり、ちょっとした伏線回収を表現したりする役割があります。上記で紹介した具体例の他にも、たくさん「時間経過コマ」は登場しますので、読み返す際には多少それに注目してみると楽しいかと思います。
長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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