見出し画像

【葬送のフリーレン】貨幣・路銀事情について

漫画「葬送のフリーレン」では、多くのファンタジーと同様に、金貨や銀貨などの貨幣が存在します。

本記事では、この作品での貨幣について、作品中の記述を参考に、交換性などを整理するとともに、フリーレン一行の路銀事情について紹介したいと思います。

ただ正直言って、この作品において貨幣は重要なテーマではなく、明確な記述は少ないので、以下の内容には多少粗い推定も含みます。

また、貨幣については、正確に把握するためには、もっと複雑な議論が必要なものなので、本記事の内容は簡易なものだということを、ご了承下さい。


漫画「葬送のフリーレン」の単行本全11巻107話までの記述内容を含むので、ネタバレを避けたい方は読むのを止めて下さい。



貨幣の種類

葬送のフリーレンの世界では、以下の4種類の硬貨が存在します。

・銅貨
・銀貨
・シュトラール金貨
・ライヒ金貨

硬貨は4種類 第8巻47ページ

シュトラールは中央諸国にある聖都の名前なので、おそらくシュトラール金貨は、主に中央諸国で価値が保証されている金貨だと考えられます。

シュトラールは聖都のこと 第1巻42ページ

一方以下にある通り、ライヒ金貨は主に北側諸国で最も信用のある金貨です。

ライヒ金貨は北側諸国で最も信用のある硬貨 第8巻50ページ

硬貨以外では、一応借用書というものも存在するので、広く流通はしていませんが、それが交換可能な紙幣のようなものと言えます。


モノ・サービスとの交換性

次に、上述した硬貨と、モノ・サービスとの交換性を整理します。

パン1個

作品の中で、最も明確に記述されていた物品との交換性は、以下のパンとの交換の描写です。

フランスパンの形をしたパン1個に対して、銀貨1枚の交換が、相場の10倍以上とのことです。

つまり、ざっくり銀貨1枚でフランスパン10個買える感覚ですね。

聖雪結晶の取れる場所ではパン1個で銀貨1枚 第9巻47ページ
聖雪結晶の取れる場所は相場の10倍以上の物価 第9巻48ページ


1年間の生活費

また、シュトラール金貨10枚は、冒険者4人が1年間は三食おやつ付きで生活できるくらいの価値になります。

シュトラール金貨は1年分の食費相当 第4巻85ページ


300年の鉱山労働

さらに、若干価値が分かりづらいですが、ざっくりシュトラール金貨500枚は、鉱山で300年働くくらいの価値になります。

シュトラール金貨500枚で鉱山労働300年分 第8巻48ページ


封魔鉱

あとは、小石ほどの大きさの封魔鉱が、金貨数枚の価値とのことです。

小石ほどの大きさの封魔鉱は金貨数枚 第7巻64ページ


硬貨同士の交換性

一旦銅貨・銀貨は、大陸全体で共通の価値(共通の含有率)を持つと仮定して、硬貨同士の交換性について考察します。

シュトラール金貨 ⇔ ライヒ金貨

まず、ほぼ明確なのは、以下の描写にあるように、ライヒ金貨がシュトラール金貨の約1.7倍の価値があるということです。

ライヒ金貨はシュトラール金貨の1.7倍の価値がある 第8巻50ページ


銀貨 ⇔ 銅貨

銀貨と銅貨の交換性については、作中に明確な記述はないため、粗い推定になります

粗い場合分けですが、銀貨1枚あたり銅貨10枚の場合と、銅貨100枚の場合の2つを考えます。

また上述したように、銀貨1枚でパン10個程度買えることも考慮します。

その上で勇者一行が旅立ちの際に、王様から貰った銅貨10枚のことを考えると、銅貨100枚で銀貨1枚だと、4人の冒険者にパン1個分の資金しかないので、さすがにそれは王様がケチ過ぎるのかなと考えています。

旅立ちのときに王様から銅貨10枚を貰った 第1巻8ページ

つまり、銀貨1枚あたり銅貨10枚くらいが、妥当な交換性なのかなと考えています。

なお上記の推定では、約90年前の銅貨の価値をベースにしているため、現在までに貨幣のインフレが起こっているケースは無視しています。


シュトラール金貨 ⇔ 銀貨

シュトラール金貨と銀貨の交換性についても、作中に明確な記述はないため、粗い推定になります

上述したように、シュトラール金貨10枚は、冒険者4人が1年間は三食おやつ付きで生活できるくらいの価値です。

また以下リンクより、フランスパン1本のカロリーは684kcal程度で、人間の一日に必要な摂取カロリーが約2000kcalなので、おおよそフランスパン3本分が、1人あたり一日に必要な食料だと言えます。

4人分だとフランスパン12本で、銀貨約1枚くらいの出費になりますが、パンだけでは栄養不足になるのと、おやつという単価の高い食べ物も含まれるので、一日あたりのパーティーの食費は銀貨3枚程度だと概算します。

それが1年分あるので、ざっくり銀貨1000枚がシュトラール金貨10枚、つまりシュトラール金貨1枚あたり銀貨100枚が、妥当な交換性だと考えています。

ただし上記の推定は食費のみを考慮しており、「生活できる」を他の出費も含むと解釈すると、銀貨100枚よりかは上振れすると思いますが、本記事では一旦食費だけ考慮した場合の推定とさせてください。

シュトラール金貨は1年分の食費相当 第4巻85ページ


硬貨同士の交換性まとめ

上記の議論をまとめると、以下のようになります。

銀貨1枚 ⇔ 銅貨10枚
シュトラール金貨1枚 ⇔ 銀貨100枚
ライヒ金貨1枚 ⇔ シュトラール金貨1.7枚


日本円で換算すると…

上述した硬貨同士の交換性を考慮すると、大体銅貨1枚でフランスパン1本であり、以下リンクより、現代の日本の物価を考えると300円くらいなので、ざっくり銅貨1枚300円くらいだと考えています。

ただ、フリーレンの世界だともっと安価な材料を使っている、または物流網が整っていないので、現実世界よりも希少性が高い、などなど、フランスパン1本でも価格を左右する要素は、様々にありますので、あくまで参考程度と捉えてください


路銀を稼ぐ方法

葬送のフリーレンの冒険者は、主に討伐依頼を熟して路銀を稼ぐのが一般的らしいです。

討伐依頼を熟して路銀を稼ぐのが冒険者として一般的らしい 第3巻140ページ

また上記と似ていますが、街や村の住人から仕事を紹介してもらって、宿代などを稼ぐこともあります。

街や村の住人に仕事を紹介してもらっている 第4巻101ページ

あとこれは想像ですが、フリーレンの荷物の量を考えると、報酬でもらった魔導書も、魔法を覚えた後に売却して、路銀を稼いでいると推察しています。

(特殊な用途過ぎて、価値はあまり高くないと思われますが…)

魔導書は魔法を覚えたら売却しているかも 第1巻80ページ


路銀の分配・管理方法

上述した方法で稼いだ路銀を、フリーレン一行はどのように分配・管理しているのでしょうか

以下の描写にあるように、ある程度は個人の財布に分配しており、それぞれの裁量で支出しているみたいです。

ある程度は個人の財布の裁量がある 第2巻90ページ

またフリーレンに関しては、ヘソクリという表現をしているので、もしかしたらフリーレンの財布はフェルンが握っているのかもしれません。

フリーレンは個人の財布をヘソクリと言っている 第1巻121ページ

また以下の描写にあるように、パーティー全体の路銀の状況については、フェルンが把握しているようなので、共通の財布は「お母さん」であるフェルンが管理していると考えています。

パーティー全体の財布はフェルンが管理している 第4巻83ページ

フェルンが共通の財布を管理していることもあり、安心できるお金の残量の目安は、「毎日おやつを食べることができる」ことらしいです。

フェルンの安心できるお金の残量の目安は毎日のおやつ 第4巻178ページ


主な路銀獲得イベント

魔導書の解読

フリーレンとフェルンが旅立つ前に、ハイターから賢者エーヴィヒの魔導書の解読の手間賃として、ある程度の路銀は手に入れたと考えられます。

具体的な金額は不明です。

魔導書の解読の手間賃 第1巻68ページ


オルデン卿の依頼

オルデン卿から、シュタルクが彼の息子になりすますことを依頼され、その報酬としてシュトラール金貨10枚を手に入れました。

オルデン卿の依頼に対する報酬 第4巻85ページ


皇帝酒の封印解除依頼

ドワーフのファスから、皇帝酒のある部屋の封印を解除するよう依頼され、その報酬としてライヒ金貨20枚を手に入れました。

ファスからの依頼に対する報酬 第8巻29ページ

ただし、そのライヒ金貨20枚は、勇者一行がノルム商会にした借金の形として、ほとんどが没収される形となりました。

ライヒ金貨20枚はノルム商会との借金の形に取られた 第8巻48ページ

上記だけでは、ライヒ金貨が本当に没収されたかは不明ですが、ノルム商会とのイベントから1年もしないうちに、船代が払えないくらい路銀が少なくなっていることが、没収された証拠と言えます。

(魔導書を買い過ぎたとはいえ、ライヒ金貨20枚は出費しないだろうと考えています)

船代が払えないくらい路銀がないフリーレン一行 第9巻10ページ
魔導書を買いすぎたから路銀が少なくなった 第9巻11ページ


聖雪結晶の採掘場での魔物討伐依頼

聖雪結晶の採掘場にて、魔物討伐の依頼を受け、その報酬として路銀を手に入れました。

具体的な金額は不明です。

魔物討伐の報酬 第9巻57ページ

ただしその報酬は、フリーレンが物価の高い土地で魔導書を買ってしまったことで、すぐに消えてしまいました。

物価の高い土地で魔導書を買ってしまうフリーレン 第9巻58ページ


まとめ

本記事では、葬送のフリーレンの世界での貨幣について、作品中の記述を参考に、交換性などを整理するとともに、フリーレン一行の路銀事情について紹介しました。

繰り返しになりますが、本記事での推定は簡易的なものであり、もちろん公式の見解でもないので、参考程度だと捉えてください。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?