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イーロン・マスクのインタビュー要約

普段投稿しているジャンルと全然違いますが、YouTubeにイーロン・マスクさんのインタビュー(レックス・フリードマンさんがホスト)がアップされていたので、その内容の要約を紹介したいと思います。

といっても、動画は2時間ちょっとあるので、個人的に気になった話題のみを抜粋して紹介します。



全体の感想

こんなこと言うと何様やねんってなるかもしれませんが、イーロン・マスクさんの全体的な印象としては、頭の良い普通の人だなと思いました。

基本的に二項対立の話題では、どちらかに偏った意見は避けるし、現実主義に寄ってはいますが、理想論も同時に持っています。

政治の話題で以下のように自身のことを言っていましたが、社会問題に関しては中央左派、経済問題に関しては中央右派であり、インタビューを聞いてもそんな感じでした。

Elon: I would say that I would be probably left of center on social issues, probably a little bit right of center on economic issues.

https://youtu.be/JN3KPFbWCy8?si=kSvVeFLuXCto1yHt
1:56:30頃より

物理学を専攻していたのもあり、何かを批判する場合でも、そのものを批判するよりかは、根底に流れる原理やメカニズムを批判している感じもしました。

私はXのアカウントを持っているので、インタビューのようなバランス感覚で運営してくれれば嬉しいですね。


個別の話題

米国と中国との衝突について

現在水面下で進行している、米国と中国との衝突について、それが戦争につながるかを、3つの観点で論じていました。

・一般論的な観点

米国・中国に限らず、人類の歴史を俯瞰すると、巨大な2つの勢力の対立は幾つか起こっています。

それらを研究した本が"Destined for War(邦題:米中戦争前夜)"で、その本の中で"Thucydides Trap(トゥキュディデスの罠)"という理論が説明されているそうです。

インタビューではその"Thucydides Trap"について、ギリシャのスパルタとアテネの対立についての会話が行われていました。

ただ結局衝突するのは両者わかっていたけど、止められなかったという、歴史的な事実を述べるに留まりました。

・経済的な観点

前後の文脈もありますが、イーロンさんは戦争の構造について、以下のように「戦争の基礎は経済だ」と述べています。

Elon: And the foundation of war is economics.

https://youtu.be/JN3KPFbWCy8?si=kSvVeFLuXCto1yHt
22:27頃より

今は米国が世界一の経済大国ですが、中国の経済は米国の2~3倍になりうるので、その観点で言うと戦争は来る("Lex: So we see it coming. Elon: Yeah")と答えています。

実際建築の分野では、中国は米国よりも魅力的な建造物が多いとも言っています。

・文化的な観点

イーロンさんは中国との交流も多い方で、中国の文化的な特徴について以下の3つを言及していました。

  • 歴史的に見て、中国は内政を治めるのに注力してきた。

  • 現在でも体感としては90%くらいの国民は内政に興味がある。

  • 中国の国民は他国が思っているよりも一枚岩ではない

米国も歴史的に見て、他国を侵略して拡大すると言うよりかは、北アメリカの土地で内政に注力してきたので、文化的な観点で見ると、衝突が起こりにくい構造になっていると、イーロンさんは考えています。

ただし、中国にとって台湾は、内政の範囲内と捉えている、とも付言していました。


AIと計算効率

この話題に関しては、以下のユーモアを紹介したくて選びました。

Elon: Ironically, transformers, for transformers. You need transformers to run transformers.
Lex: Somebody has a sense of humor in this thing. (Both laughing)
Elon: I think. Yes. Fate loves irony, ironic humor and ironically funny outcome seems to be often what fate wants.
Lex: Humor is all you need. I think spice is all you need.

https://youtu.be/JN3KPFbWCy8?si=-OlhDR0zBv5ewF83
1:11:46頃より

上記の発言の前に、AIを計算する上で、単位電力あたりの計算効率が重要になるという会話をしています。

その中でイーロンさんは、電力は確かに制約になるけど、短期的には変圧装置(voltage transformer)を作るためのシリコンが足りなくなると言及しています。

また、話は変わりますが、AIの自然言語処理に使われる有名なモデルの1つに、Transformerという名の深層学習モデルがあります。

上記の引用にある、"You need transformers to run transformers."とは、AIのモデル(Transformer)を動かすためには、変圧装置(Transformer)が必要になるという、偶発的なユーモアを表現しています。

また、レックスさんの"Humor is all you need."という発言に関しても、AIのTransformerモデルに関しての有名な論文"Attention is all you need."をもじっているところも、ちょっとしたユーモアのポイントです。


信用について

イーロンさんは世界で最もお金持ちな有名人の1人で、人を信頼するのも苦労すると思われます。

基本的には経歴などを見て、信用するかを判断するらしいのですが、明確に信用しない人の特徴として、以下の発言をしていました。

Never trust a cynic. The reason is that cynics excuse their own bad behavior by saying everyone does it because they're cynical. So I always be, it's a red flag if someone's a cynic, a true cynic.

https://youtu.be/JN3KPFbWCy8?si=Lu_GlZHd6SG9u9vS
2:00:30頃より

"cynic"は冷笑家を意味し、他人の行いに関して、常に懐疑的で信用せず、否定的な態度を取る人のことを指します。

そういう人は、自分が悪いことを行った際に、他の人も(自分が信用できないことを)やってるじゃん、と言い訳し反省することもないので、信用できないとイーロンさんは言っています。


その他

他の話題についても、書きたいことはありますが、ちょっと長くなりすぎるので、面白かった話題を言及するだけに留めます。

・イスラエルとハマスの戦争について(4:33頃)
・エイリアンは居るかどうかについて(44:55頃)
・X(旧Twitter)のアルゴリズムについて(1:30:36頃)


まとめ

本記事では、YouTubeにアップされている、イーロン・マスクさんのインタビューについて、個人的に気になった話題を選んで、内容を紹介しました。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。

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