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プーチンの“義”:真の敵(ラスボス)としての,あるいは大東亜共栄圏の亡霊について

 「プーチンは,地政学的な利害(の視点だけ)からNATOの東方拡大を阻止しようとした」とか,はたまた「ついにプーチンは理性を失った」とかいう人がたくさんいますが,どうも小生は別のことを考えてしまうのです。いま私の眼前には,大東亜共栄圏の幻影がちらちらしています。つまり,,,

「ウクライナはロシアに帰属すべきである」「ロシアとその"衛星国(?)"は一致団結して西欧文明を排斥して,東欧新秩序を確立するのだぁ」という,プーチンなりの道理というか道義意識をわたしは感じてしまうのです。正義や価値観というよりも,ましてや利害などではなくて,「道義」です。それはある意味"善意"にも近い。

 やっかいです。なにせ,「地獄への道は善意で舗装されている」のですから。

 プーチンも,かつての大東亜共栄圏も,わたしには”一つ穴の狢”に見えます。これらはいずれも伝統的保守的価値意識に立脚しているように見えて,実のところは今日のルサンチマンに基づいて新造された復古主義のイデオロギーだからです。中国の「一帯一路」も,新時代の構想と謳ってはいますが,やはりまあ狢でしょうな。

 わたしたちが対峙すべき真の敵(ラスボス)とは,こういった類のイデオロギーです。

 まだラスボスは姿を現していません。ラスボスは眼前の敵の背後に控えています。今,わたしたちにはラスボスを直接撃つことはできないけれど,でも,少なくともラスボスが喜ぶような言動は慎むべきであると思います。


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