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台湾有事・シュミレーション

 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)のシナリオ。基本的なシナリオは、殆どが中国の初期優勢、1週間後(中東に配備の空母その他の到着)の米軍の報復で中国軍は侵攻に失敗することになっている。

私の危惧するのは、侵攻時での最前線は沖縄を中心とする在日米軍の戦闘態勢において、自衛隊がその殆どを担うということだ。報告にもあるように、当初の戦闘で、『米国と日本は米空母2隻を含め艦船数十隻、航空機数百機、要員数千人を失うと予測』とある。つまり、海空自衛隊が壊滅的被害を被るということだ。当初1週間は日本が米国の為に戦い、台湾が自治権を守るという構図だ。

同盟関係は、国民が生きる為に結んだ「血の結束」だ。但し、日本の日米関係は西側とのそれとは違う。台湾はどの国とも同盟関係にはない。戦争をしてまで自国民の命を捧げる関係性にはない筈だ。米国は植民地化を狙っているのかも知れないが、日本の国益を考えた場合はどれ程のものか計り知れるというものだ。岸田首相は、春にバイデン氏に台湾有事の準備と決意を携えて訪米する。最早、手遅れだ。2005年、米国で2プラス2を開催、「日米同盟: 未来のための変革と再編」で合意、報告書で連携の強化と進化を謳った。
「在日米軍再編」反対は、当時の「9条を守る」運動に阻まれて、運動とはなりえなかった。むしろ「排除」されるかたちでこの問題の将来的危険は封印されたかのように結果的に思う。私は随分とがっかりした、9条に特化した運動の限界を誰も指摘しなかった、そして、今日の「台湾有事」に備える為の異次元の軍備費倍増だ。その結果は米国の為の海空自衛隊の壊滅的損害と日本人の死傷者だ。
森 有正の『第三発目の原子爆弾はまた日本の上に落ちると思います』を思い出した。


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