菅前首相の弔辞・お惚けか
「忖度の極みをみた」と感じたのが第一印象だ。派閥を持たない一議員が総理大臣に上り詰める執念は、並の連中とは一味も二味も違っていたことを改めて知る文面だった。山県有朋の「かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」の一首が話題になっている。 尾中香尚里氏は、この一首に対して、『安倍氏が最後に読み、菅氏が紹介したのが山県有朋だったのか、という点が引っかかってしまい』とある。そこで、岡義武著『山県有朋』の中から『彼らの政治支配は、彼らの権力意志を満足させるだけではない。支配的地位をあくまで守りつらぬくことこそ、彼らの信念によって真に義とされるのである。そのことは、彼らの闘志を鼓舞する。そして、彼らを狂暴にさえもする。』という文面を紹介して、『「令和の超然主義」を地で行くような安倍・菅・岸田政権の性格をよく示したとも言える一場面だった』と述べている。
権力に対する妄信、維持することの執着は時代背景こそ違え全く同じ血が騒いでいると言える。私はこの1首に背筋が凍る怖さを感じたのは、菅氏のスピーチライターの感性だ。権力への集中が一丸となって安倍氏周辺にこびり付いていることだ。岸田首相も素地こそあったものの、もはやホンマものとして立派に仲間内になっている。
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