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AIによる映像制作の未来 アドビCreative Cloud最新アップデート 「Premiere Pro編」

国際放送機器展「Inter BEE 2023」において、「Adobe Day」が開催
AIによって変わる映像制作

アドビの「Adobe Creative Cloud」は、映像制作やデザインにおいて重要なツールセットです。国際放送機器展「Inter BEE 2023」における「Adobe Day」では、最新のアップデート情報とAI技術による映像制作の将来像について、以下のポイントが紹介されました。

1、過去から現在へ:
・アドビは映像製品である「Premiere Pro」と「After Effects」を中心に、ワークフローの効率化や新機能、共同編集のフォーマットなどを提供してきました。
・現在では高速化と安定性を重視しつつ、AIによる効率化や機能強化を実施しています。
・3D領域においても連携できる機能拡張を行っています。

2、AI技術の活用:
・AIによるさらなる効率化と機能強化が進んでいます。
・映像制作においてもAI技術を活用し、クリエイティブなプロジェクトをサポートしています。

3、3D領域への展開:
・映像制作に関わる3D領域でも、連携できる機能拡張を行っています。
・3Dグラフィックスやアニメーション制作において、より多様なツールを提供しています。

4、未来への展望:
・アドビは引き続き映像制作の未来に向けて進化していきます。
・AI技術や新たな機能を駆使して、クリエイターたちの創造性をサポートします。

これらのアップデートは、映像制作やデザイン分野での作業を効率化し、クリエイターたちにより多くの可能性を提供しています。

目次

■映像製品のアップデート
■Premiere Pro最新アップデート
■まとめ

映像製品のアップデート


最新アップデートを紹介する前に、映像製品のアップデートに際して、アメリカ本社からは以下のトピックが発表されました。
 
・1,000人以上の映像編集者の意見を開発チームがヒアリングした
・ユーザーの要望が多かった20以上の機能を実現した
・Premiere ProとFrame.ioが6つのアワードを受賞した
 
2023年の映像作品に目を向けると、アカデミー賞で最多7部門を受賞した映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」では、Adobe Creative Cloudはもちろん、Frame.ioが使用され、アドビ製品がフル活用されたということです。
 
また、アメリカで行われている映画監督の登竜門「サンダンス映画祭」においても、アドビ製品で編集するムービーメーカーが過半数を超えているという状況がレポートされました。
 
そして、Premiere Proのベーシックな部分のアップデートも続いていることに振れ。高速化については前バージョンと比べて5倍の速度を実現。普段からよく使うトリミングやスクロール、ズームなど、タイムライン上で行う様々なアクションの動きがとてもスムーズになっていることも説明されました。
 
内部コードの最適化と近代化を行うなど、信頼性の向上も図られたということでした。

Premiere Pro最新アップデート


「Adobe MAX Japan 2023」で発表されたPremiere ProとAfter Effectsの新機能を説明します。まずはPremiere Proには以下の新機能が追加されました。

1、スピーチを強調(ベータ版)

録音状況が悪い会話のノイズ除去機能を提供。AIを活用してオーディオの解析を行い、プロスタジオ並みの音質に向上させることができます。ワンタッチで音質を改善できる点が特徴です。

2、文字起こしベースの編集機能

スピーチ音声を文字で起こす機能が進化し、文字による編集が可能になりました。文字を削除すると映像もカットされ、コピー&ペーストもできるなど、ワープロ感覚で編集が行えます。この機能はHPAアワード2023で技術賞を受賞しています。

3、「言い淀み」フィラーワード検出:話している言葉の中に出てくる「あのー」や「えー」などのフィラーワードを自動検出。特にテンポ感の速い映像編集時に便利です。


ⓒアドビ公式

スピーチを強調は、これまで音調整はかなり面倒な作業が必要でしたが、Premiere ProがAIを搭載したことで、ワンタッチでオーディオを解析して会話部分をプロスタジオ並みの音質に向上させることができるようになりました。

ワークスペースのパネル「オーディオ」の「エッセンシャルサウンド」、この中に「スピーチを強調」というメニューが追加されて、このメニューをチェックして「拡張」を押すだけで音質が大幅に改善します。

紹介された映像では、環境音が多く載っているサンプルを使って、埋もれてしまっている人の声を聞きやすくするデモが行われました。この「スピーチを強調」の設定値は調整できるので、環境音を演出的に残しておくことも可能です。

ⓒアドビ公式

文字起こしベースの編集機能は、Premiere Proではスピーチ音声を文字で起こすという機能が搭載されていましたが、それがさらに進化して起こした文字による編集機能が搭載されました。

例えば文字を削除すると映像がカットされたり、コピー&ペーストすると映像もコピー&ペーストできるなど、文字ベースの操作が映像にも反映されるという編集が行える機能です。

デモ映像の中で、出演者の声にリンクした文字は再生中ハイライトで表示されています。そして動画の一部をカットしたいときには、文字起こしされたパネルを見ながら不要部分の文字を選択。このときタイムライン上では、選択した文字にリンクしたイン/アウトが自動選択され、文字を削除することでこの自動選択された動画部分も自動でカットされる仕組みになっています。


ⓒアドビ公式

「言い淀み」フィラーワード検出は、文字起こしベースの編集でもっとも要望が多かった機能として追加されました。話している言葉の中に出てくる「あのー」や「えー」などの「言い淀み(フィラーワード)」の検出を行う機能です。

とくに昨今のトレンドとも言えるテンポ感の速い映像に編集したい時には、言い淀みや息継ぎの部分をつまんで短くする場合が多いことから、使用頻度が高くなる機能と考えられます。

文字起こしパネルのソートのアイコンから「語間」を選ぶと、該当するフィラーワードがオレンジや赤の表示で自動選択され、このフィラーワードを選択する度合いは、語間の秒数で調整が可能です。そして削除のボタンを押すと一括で削除され、タイムライン上でも同期していた選択箇所がすべてリップル処理されます。



この記事は無料でどなたでも読むことが出来ます。こちらのリンクから続きをお読みいただけます。

また3つの記事で構成されてますので、気になる方は「After Effects編」「Frame.io編」「Adobe Firefly編」もご覧ください。




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