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帰り道寄る駄菓子屋の罠

小学生のころ、帰り道に駄菓子屋に寄るのが習慣だった。昔ながらの、薄暗くて埃っぽい佇まいの店だ。うまい棒や、~さん太郎シリーズなど、いろいろな駄菓子が並んでいたけれど、地域柄、人気があったファストフードが、たこ焼き。そして、この駄菓子屋では、放課後一番最初にお店に来た子どもに、商品のたこ焼きづくりを任せる、というルールがあった。

自分が食べるぶんはもちろん、自分よりあとにやってきて、たこ焼きを買い求める子どもたちの分まで、たこ焼きづくりを任されるのである。私たちは、これをインセンティブと受け止めていた。たこ焼きづくりは楽しいし、一番乗りで駄菓子屋にたどり着いたということが、足の速さ、優れた体力を証明するものでもあった。

放課後、駄菓子屋でたこ焼きづくりを任されること、これはたいへんな名誉とされていて、チャイムがなると同時に子どもたちは駄菓子屋に向かって走り出すのだった。

しかし、冷静に考えると、これ、インセンティブじゃないよな。タダ働きでたこ焼きを作らされているのだ。インセンティブに見せかけて、集客と人件費の削減に活用していたわけだ。小学生のころの私はバカだったので、このからくりに気づくことなく、たこ焼きつくっていた。

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