追い続けてきた、大好きな数字
背番号は、その人が歩んできた道を思い出させてくれる。
思い出は数字と共にあるからだ。
はじめてもらう、その数字はきっと、好きな数字から選んだだろう。
小学生の頃。例えば自分の誕生日とか。
そして中学、高校とポジションによって数字が割り当てられる。
そんな流れを経てきた人が多いのではないだろうか。
1から9。
それぞれのポジションにあった一桁の数字を目指す。
そしてプロ野球。プロ野球の背番号は基本的には何番でもいい。
各チームによって何番代は監督・コーチとなっているところもあるが、空いている数字から割り当てられる、または選べる。
そうやって導かれてくる数字。
ファンは、スタンドからその数字を追う。
その数字を背負ったあなたを追う。
球団名の書いてある、はじめてのサインに入っていたあの数字。
プロ野球選手になって、スポンサーとしてついてくれたあのメーカーでつくったスパイクに刻んだ数字。
バッドやヘルメット、さまざまなところに刻まれるのがその数字だ。
背番号は、その時にあなたと一緒に歩んだ軌跡。
結果を残してもらえた、より若い数字。
憧れのあの人がかつてつけていた数字。
新人に譲られてしまった馴染みのある数字。
急に告げられた数字から感じる、来季の自分。
ただの数字なのに、ただの数字ではないのが背番号。
あの頃、を思い出させてくれるのが背番号である。
そして今まとっているその数字も、いつかの私は大好きな数字として思い出すだろう。