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調達できた理由は「バイブス」。ストーブの前でのおしゃべりが投資家の心を動かした 【IVS参加で調達に成功したスタートアップの話】

実利につながるネットワーキングができるIVSでは、ここで生まれた交流が資金調達やM&Aにつながる例が少なくありません。今回は、IVSに参加したことによって実際に調達に至った起業家にインタビュー。今回は、IVS2021 NASUへの参加をきっかけに資金調達に成功した株式会社Plusbase CEOの氏家好野(うじけ・よしの)(通称:ジーコ)さんにお話しをうかがいました

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「一緒に火のあるところに行きませんか」が話のはじまり


――IVS2021 NASUに参加したきっかけを教えてください。
 
氏家:知り合いだったIVSのスタッフさんに「ボランティアをしないか」と声をかけてもらったことがきっかけです。当時は貯金を切り崩しながら生活していたのですが、事業の構想はありました。IVSに参加すればきっと何か新しい発見があるだろうと思い参加したんです。
 

初めて参加したIVS2021 NASU

――ボランティアではどのようなことをしたのでしょう?
 
氏家:受付をしていました。そのときに株式会社スマートラウンドのCOO、冨田阿里さんがいらっしゃったんです。冨田さんとは以前お会いしたことがあり、覚えていてくださっていて。「紹介したい人がいる」と言われ、引き合わせていただいたのが株式会社Yazawa Venturesの矢澤麻里子さんでした。
 
――ご紹介いただいたことで、投資家との接点ができたのですね。
 
氏家:はい、でもその場ですぐに事業の話をしたわけではないんです。その瞬間は周囲に人がたくさんいたのでゆっくりお話しすることができなくて。ただその後、お話しすることができました。IVS2021 NASUはメイン会場が屋外かつ11月の開催だったこともあり、夜になると結構寒くて。矢澤さんも寒そうにしていたので「一緒に火のあるところに行きませんか」と声をかけて、雑多な話をしました。
 
――矢澤さんはそのときどんなことを言っていましたか?
 
氏家:ちょうどYazawa Venturesがアクセラレーションプログラムを始めるタイミングだったんです。そこにPlusbaseを参加させたいと。その後、「普通に出資したい」と言っていただき、調達にいたりました。
 
――矢澤さんにはそのとき事業構想を詳しく話したのですか?
 
氏家:それほどは話していなかったと思います。プログラムに誘っていただいたのは人としてのバイブスが、矢澤さんの直感のようなものに引っかかったんだと思います。
 
――IVSへの参加を機に事業がどんどん動いていったのですね。
 
氏家:ボランティアとして参加したときはここまで大きな話に発展するなんて思ってもみなかったです。事業の走り出しは想定よりも早いスピードで動いていきました。急いで登記をして、準備を進めたのを覚えています。

IVSでの出会いで、他社のCEOが自社のメンバーに加わることに

――翌年のIVS2022 NAHAにはスタッフとして参加されていますが、このときの目的は?
 
氏家:IVSには優秀な若手がたくさん集まるので、インターン生をみつけたいと思って参加しました。けれど、もっと大きな出会いがありましたね。ヘルスケア特化のシステム開発をしている株式会社ispecのメンバーがIVSスタッフとして参加していて、もともとPlusbaseの事業に関心を持っていたことを話してくれました。その後、ispecにPlusbaseのプロダクト開発をお願いするなかで、ispecもメンタルヘルスケアの課題に会社として取り組むことになりました。同じ志をもつ会社として、ispec CEOの島野耕平さんが、Plusbaseのメンバーとして加わってくださったんです。業務提携をし、今もお互い持ちつ持たれつで一緒に仕事をしています。

チャンスがあちこちに転がっているのがIVSというイベント

――IVSで経営者同士の交流は生まれましたか?
 
氏家:はい、現地会場ではもちろん、東京で開かれる懇親会場で知り合うこともでき、長く付き合いの続いている方もいます。スタートアップの経営者同士、助け合ったり応援しあったりできて、ありがたい仲間ですね。面白いなと感じた方とつながっていくと、後々何かしらのチャンスに結びつくことがあります。まだどんな形になるかわからないチャンスがあちこちに転がっているのがIVSというイベントだと思います。

IVS2022 NAHAにて、株式会社Voicy代表の緒方憲太郎さんと

――IVS2023 KYOTOには参加しますか?
 
氏家:もちろんです。いろんな方とネットワーキングをしたいですね。新しい事業の種や現場が抱えている課題も探りたいです。ヘルスケア領域の解像度の高い人との出会いも期待しています。
周りにも、IVSスタッフになることを薦めています。IVSには成長のきっかけがたくさんあるので、いい刺激になると思うんです。みんな悩みながら働いていることを肌で感じ、キャリア形成のきっかけを掴んでほしいですね。人生、そこから開けていくかもしれませんし。

楽しむ秘訣は、脳をハックして気にせず話しかけること

――IVSの会場でいい交流をする秘訣はなんでしょうか?
 
氏家:知らない人に話しかけることは緊張しますよね。あまりアドバイスになっていませんが、一旦「自分が他人からどう思われているか」を頭から外して挑むことだと思います。自分の脳をハックして、気にせずどんどん話しかけるしかないですね。逆の立場で考えてみてください。誰かと二人で話しているときに他の人が入ってきても、それほど嫌な気はしないじゃないですか。みんな、出会うために来ているわけだから。なので悪い方に考える必要はないと思います。
あちこちで会話の輪が生まれていて、自分だけがポツンと突っ立っている感覚になるときもありますが、必ずどこかに同じような状況の人はいます。その人に話しかけることは難しくないはずなので、狙い目だと思います。私もポツンとしているかもしれないので、その時はお声がけを
お待ちしています!
 
――氏家さんの場合、それが矢澤さんでしたね。大きなチャンスに結びつきました。
 
氏家:あとは、人脈を持っている人をみつけることができれば、そこからどんどん世界は広がっていきます。そういう人は基本的に人を集めて次々紹介してくれます。その人にDMを送って輪のなかに飛び込んでしまうのも手ですね。
 
――IVS2023 KYOTOでは、Bizzaboというシステムを使って、事前に参加者同士がDMを送りあえる環境を用意するんです。
 
氏家:そのシステムはすごく助かると思います。初対面の人とコミュニケーションをするのに事前準備は大事ですから。それで人脈がある人とつながっておくことができれば、場に馴染むのは早いと思います。
 
――ありがとうございました。


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チケット購入で誰でも参加できる!IVS2023 KYOTO

IVSは2022年まで招待制を敷いており、経営者や投資家しか参加することのできないイベントでした。インタビューにお答えいただいた氏家さんは2021年はボランティアとして、2022年はスタッフとして会場入りしています。しかし、2023年からは招待制を撤廃。チケットをご購入いただければどなたにもご参加いただけるようになりました。起業してまもない方、起業を考えている方、事業の仲間やアイディアがほしい方はぜひNext PASSをお買い求めください。

チケットのご購入やイベントの概要はこちらから
https://www.ivs.events/ja/2023
 
インタビュー協力:
氏家好野(うじけ・よしの)
株式会社Plusbase CEO。医療経営士。ChatGPTやAIを用いて、会話データからメンタル不調を予兆する、看護師向けメンタルサポートサービス「ナースビー」を手掛ける。また、電子カルテや治療アプリなどのヘルスケアサービスの開発を支援する株式会社ispecに経営企画として参画。2023年に自由民主党のリバースメンターに就任し、デジタル政策に関して政策提言なども行っている。

Lit.Link:https://lit.link/zikoyoshino
Twitter:https://twitter.com/ziko_plusbase


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