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【独占インタビュー付き】2021年度板橋区公開討論会レポート

来るべき衆議院議員総選挙に向けて、10月16日、「2021 衆議院議員選挙公開討論会in板橋」が行われた。(主催:板橋フォーラム実行委員会)

今回は協力員会として我々ivoteも入っているため、当イベントをレポートさせていただくこととなった。

板橋区公開討論会とは?


板橋区から立候補する議員候補者が集まり、自分の政策をアピールする討論会形式のイベントだ。

○×クイズを行う、議員同士でクロストークを行うなどの過程を通して「政策をより理解すること」に焦点を置いている。

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(〇×クイズの様子。今年の都議選の写真を引用。)


2021年度候補者の紹介


まず最初に紹介するのは、あくつ幸彦氏だ。

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凛々しい目元と真っ直ぐ通った鼻すじが彼の意志の強さを表しているように感じる。
それもそのはず、彼の大きなターニングポイントは、「3.11東日本大震災での被災者支援経験」だ。被災者と向き合い、共に怒り、共に歩んできたからこその強さが、彼の内側にあるのではないか。

スローガンは、「いのちと暮らしを守る政治」。

震災だけではなく、昨今の新型コロナウィルスにおいてでも人々のいのちは危機に瀕している。
そのような国民の危機的状況に対して、阿久津氏は今回の選挙で何を思い、何を民衆に語るのだろうか。

続いて、自民党の下村博文氏。

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下村氏を見るにあたって強調すべき点は、彼の人生はとても一貫しているということだ。
母子家庭で育ち、奨学金制度を利用しながら大学に通っていた下村氏。


その際、「どうして平等に教育を受ける権利が無いのだろう」と強い疑問を感じたことが、彼を政界の道に向かわせた。
そこから自分で塾経営をし、文部科学大臣などの経験を通して、今回板橋区出馬に至る。

その時感じた疎外感のようなものが「社会の中で光を当てる」ことを大切にしている下村氏の美学ではないだろうか。

最後に共産党の西之原修斗氏を挙げる。

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今回の候補者の中では27歳と最も若く、最年長である下村とは40歳差だ。
しかし、熱意という部分では全く引け目を取らない議員ともいえる。

リサーチの際、コロナ禍を自己責任で片付けたくないと演説で語る姿を筆者は確認している。
どのような対策を打ち出していくのか、どんなビジョンを持っているのかぜひこの場で伝えきって頂きたい所だ。

また予めivoteの存在を知っていてくれたそうで、一若者として若者に対するリサーチについては積極的であることも窺えた。

ivote独占 候補者インタビュー

【注意点】早く到着された順にお話を聞いているので若干質問時間や量に差分があります。ご了承ください。(西之原⇒あくつ⇒下村となり、下村氏はやや短めです)

①あくつ氏にインタビュー

_本日はよろしくお願いいたします。
まず、これだけは推進していきたいと思えるものを教えてください。

命とそれにかかわる安心安全が自分にとって原点なので大切に思っています。また、社会的弱者の人にために行動したいと思っています。

_ありがとうございます。ただ私が思うには、コロナ禍においては自己責任でやらなければならない風潮と行政で支える部分の境目が難しいと思うのですがそこについてはどうお考えですか。

コロナも変化していると思うので、そのバランス感覚が非常に難しいとは認識しています。それでも先ほど述べた社会的弱者となる人たちのサポートをしていきたい。

②下村氏にインタビュー

_ご自身のYouTubeチャンネルで、人の幸福度に直結するものは教育分野だとおっしゃっていましたが具体的にどんなことをしていきたいと思いますか。

「幸せや多様性。もっと個性を尊重された教育を進めていきたい」

_私たち学生団体ivoteは、若者の政治参加の啓発をしています。若者の投票率の低さについて、下村さんは政治家として責任を感じていますか。
また何をしてきたらいいと思いますでしょうか。

主権者教育は必要だと思う。国民が主権者という自覚を持ってもらえるように働きかけることが大切だと思います。

③西之原氏にインタビュー

_西之原さんは今回の出馬にあたっては最年少ですね。
多くの先輩議員さんと戦うわけですが、ここでは負けないと思えるところを教えてください。

やはり自分が27歳ということで、若い人と積極的に対話してきた経験においては自信があります。「自分の一票に価値を変わらない」と言っている若者の声を聴いて、若者の投票率の低さに問題意識があらわれました。

_西之原さんの演説において、「資本主義の自己責任には反対だ」という発言が印象に残りました。ならば、行政はどこまでサポートしていくべきだとお考えですか。

機会平等のチャンスを保障すべきだと思います。例えば学歴が低いというのは自分の努力量だから別に平等だと思うけど、医療になると本来命は守られるはずなのに金銭的負担で機会損失される。
難しいが、そういうものを平等にしていく・作ることが政治家の仕事なのではないかと思います。

_以上御三方にインタビューをさせていただきました。選挙中の忙しい中、お時間を作っていただきありがとうございました。


~イベント開始~

イベントのアーカイブURLはこちら

〇×質問コーナー

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議論開始(争点テーマは8つ)

※あみだくじで各項目により話す順番がバラバラとなっています。その意図を汲み、あみだくじ順のままにしています

1コロナ関連政策全般について
今のコロナ対策は100点満点中何点??

西之原‥25点「コロナ対策に自己責任が伴う」
ワクチンの確保ができていない人がいるのにGOTOの強行などは、科学者を無視しているのではないか。

あくつ ‥50点「コロナ禍で格差と貧困問題が露呈した」
子ども、学生、中間所得層などの支援が必要
今の与党は国民と認識が乖離しているのではないかと思った。

下村‥ 70点「マイナス30はスピード感。しかし…」
日本は世界的評価の高いワクチン提供を行っていると感じる。助成金の給付を今後はしていきたい。


2外交について

下村「今の中国の膨張政策には看過できない」
中国と対峙していくことが今後求められる。
対岸問題、隣国との外交政策も上手く立てていかなければならない。
日本の領土と国民を守るために防衛費は備える必要性がある。

西之原「軍事vs軍事を避けるため、日本国憲法を守るべき」
米中対立で今日本は岐路に立たされている。
最悪の事態を防ぐためにも憲法中心の外交政策が戻られている。

あくつ「政権が変わろうが約束は守る」
上記の前提を崩さずに、粘り強い継続、そこに伴う信頼、対話が大切。
また食の安全保障をすべき。

3環境・エネルギー政策について

あくつ「原発は認めない」・「省エネ&廃エネを企業に呼びかけるのは難しくない」
福島事故を踏まえ、原発のない社会を目指している。
原子力に依存しないカーボンニュートラルを実現する。
鍵は大胆な補助制度をエネルギー活用に導入すること。

西之原「原発はゼロにすべき」・「CO2の削減は可能だ」
2030年までに2010年度比でCO2を50〜60下げることが目標。
省エネ+再生可能エネルギーで50パーセントを賄うべき。
放射能汚染は環境破壊に最悪なので原発は反対である。

下村「原発再利用も検討」
カーボンニュートラルは、エネルギー供給が増える昨今において厳しい。
ゆえに東日本大震災を踏まえればない方がいいが、再稼動を認められている原発は使用すべき。その際は世界でいちばん厳しい基準を導入する。
再生可能エネルギーは国が投資をして育成、国が主導していく必要がある。

4教育政策について

下村「教育現場の改善を」
教師の所得や支援を上げ、分厚い中間層を作り上げていくことが大事。
また、未来に対する先行投資(国債。下村はこれを教育国債と呼ぶ)をすべき。

西之原「教員数が少ない+オンライン対応で負担の限界が来ていることに問題意識」
教育者に向けられた増額をすべきではないか。
日本の教育予算は37位中36位で、軽視されているように感じる。
また、入学金制度をやめるべき。家計の負担になりかねないと感じる。

あくつ「採用〜現場の段階での教育改革を」
完璧な教育環境は不可能なので、チームでフォローアップして取り組めるように教員の環境の整えるすべき。
教育予算の増額も賛成である。

5 経済政策について

あくつ「分配無くして成長なし」
大きな特徴としては、税金を支払ってきた人のために、一律の10万円(所得制限なし)
また二極化しないよう、中間層に行き渡るような分配をする。
次の国会で、森友加計問題の弊害も議論したい。

下村「今は成長を優先させるべきだ」
自民党では事業に関する補助金を1兆円ほど出した。
コロナ後に戻れる業種/戻れない業種には、事業再構築補助金も出している。
分配についてはもちろん必要だが、分配自体が少なくなっているから成長戦略を今は優先させるべきだ。

西之原「新自由主義はもう終わりにすべきだ」
アベノミクスは悲劇と格差の拡大だ。下層には、トリプルダウンは起きていないはず。
そこで、家計を立て直す。最低賃金を引き上げる。
アベノミクスから、家計重視の経済変化にすべき。

6 財政健全化と消費税について

下村「国民目線でこの課題は解決すべきだ」
財政の影響で国は潰れる以前の問題にコロナ禍で国民が苦しい生活がある
国がしっかりとした財源(追加経済政策)をあてていく必要がある。
国債発行ではなく、未来に対する先行投資。

あくつ「経済成長は今すぐに着手すべきではない」
今の経済における現状は民主党政権の時の消費税値上げも関係している。後悔している。
一時的な消費5パーセントは賛成である。

西之原「やはり消費税を緊急的に減らすべき」
財政健全化については大企業や富裕層への財源の確保が少ないことが気になっている。
消費税減税に意欲的。
また大企業の内部留保7兆円ということを知り、大企業の税負担について追求したい。

7高齢化社会の備えについて

西之原「介護職員の不足の最大要因は、過酷な労働環境と低所得だ」
雇用形態も非正規労働者が主流であり、賃金の引き上げをすべき。労働状況を改善すべき。
社会保障は暮らしに関わってくるし高齢者を中心もした安全を最優先させるべきだ。

下村「健康で過ごすための対策はどうする?」
今医療費だけで42兆円かかっている。ここをもっと未病対策などに使い、工夫すべきではないか。
特に介護については経済投資をすべきだ。
また内部留保は吐き出しをすべきである。

あくつ「医療介護分野は本当に深刻だし1番難しい」
しかし、介護職の1人あたり賃金の引き上げの実現は焼け石に水ではないか。
それより外国人労働者をもっとルールを定めた上で手立てを検討していかないともう間に合わない。
現役世代が高齢者何名も支えるのも無理だろう。
また、大企業の内部留保についてももっと問題提起して欲しい。

学生団体ivoteからの質問

ここで学生団体ivoteから、今回の候補者3人に質問する時間が設けられた。質問内容はこちら!

「皆さんが20歳前後だった頃を思い出して頂いて、今の若者たちはどのように希望を取り戻せるのか・未来への投資として、若者が生きやすい社会にするためにどのような取組をされるのか、お考えを伺いたい」


下村「今の学生は本当に大変だと思う」
YouTubeで学生の声を聞いている。
また、コロナが収束次第、携わった「トビタテジャパン」(留学事業)の推進をしたい。

西之原「20歳の人を、自分も当事者として考えている」
国が若者への政策を進めるべきだと思う。
また、20代の国会議員は一人もいない事にも問題意識を感じている。

あくつ「夢だけ大きくて悶々としていた20代だった」
もっと距離が近づくよう、学生と政治家とのタウンミーティングをしたい。


前半終了に寄せて~板橋区民と候補者の温度差~

ここまで読んでいただいたことに、まず心から感謝を申し上げたい。
実際の討論会は後半戦に入り、クロストークでより白熱した姿勢が表れるのだが、ここでこの日筆者が体感した事を共有させていただきたい。

後半のリンクはこちら



私は討論会終了後、開催地である大山駅の商店街で街頭調査を数名に行った。
「板橋区の候補者3人を知っているか」「投票するときにどんな部分に着目するか」などを3名の方に聞くことができた。

すると、「若い人は政治に参加することを避けられている・いない扱いされているように感じる」と20代の女性が口にした。
しかしその声を聞くのと同時に、今回の候補者の西之原修斗氏は20代で若く、若者の政治参加にも意欲的なことを思い出した。

また、60代の女性は、今回3人の候補者の名前を聞いたら全員の名前を知っていた。そのうえで、彼女は「NPOばかりに社会福祉を頼らないようにしてほしい」と言っていた。
これについても「あしなが育英会」や「トビタテジャパン」に力を注いだ下村博文氏や、東日本大震災で被災者支援経験のあるあくつ幸彦氏はまさに、政治の世界で福祉を導入しようとしているのではないかと感じる。

この調査を通じて何を伝えたいのかというと、顔を知っていたりポスターを見たことがあるだけでは、依然といて《「その人自身」を知る》ことは難しいということである。

もちろんそれぞれのライフスタイルがあり、政治を調べることにすべて時間を注ぐ必要はない。
しかし、自分だけが行使できる貴重な一票をもっと活用できないだろうか。

例えば今回の討論会の2時間、参加してくれるだけでも候補者の知識については大きく変わるのではないか。私はそう思えてならないのだ。

今回のような公開討論会の意義について、詳しくは終わりにでも再び解説するが一度後半の執筆に移ろうと思う。

後半リンクはこちら

参考

私たちivoteが作成した、板橋区公開討論会の特別サイトはこちら↓

板橋フォーラムのイベント概要はこちら↓

執筆・取材担当者:青木花連



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