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美大受験

芸術系はほかの学部に比べて受験体験記なんかの情報が少ないように感じたので、ほんの1年間の体験ですが、私が考えたこと・感じたことを記録として残しておこうと思います。これから美大受験に挑む受験生や美大に憧れている中高生の何か参考になったら嬉しいです。

現実的な実技や学科の対策で何をしたかについて話します。

美大に入るには絵が描ければいい、というイメージがありませんか?それは間違いではないとは思いますが、大きな落とし穴です。
実技ができても学科ができなくて落ちる……というのはよくあることらしいです。


学科と実技を両立するには?


私の場合は高校三年生になってから画塾に通い始めました。
高3になって実技に集中するには基礎的な勉強は高校二年生までに済ませておくと良いです。英単語や漢字などはコツコツ覚えておきましょう。高3の授業選択も受験の時に点数が取りやすそうな科目を狙うといいと思います。

共通テスト利用なら一月で学科が終わることになるので、そこでいい結果が出せれば精神的にも安心して絵に打ち込めます。たくさん思う存分絵が描ける!!!!!

勉強のコツ

・よく寝る

・習ったことはその日のうちに復習する

睡眠時間はほんとうに大事です。勉強の時間を確保するために毎日4時間睡眠……なんてことは絶対しない方がいいです。知らないうちに集中力や記憶力が低下します。情緒も不安定になりやすい気がします。寝て、授業を一発で覚えるように気合を入れた方がはるかに有意義です。

「習ったことはその日のうちに復習」。人間は復習しないと次の日には7割を忘れてしまうけど、復習することで記憶が定着するらしいです。「忘却曲線」で検索してみてください。すぐにはできなかったとしても週末にまとめてやるなど、工夫して復習はしっかりしたほうがいいと思います。定期テスト対策にもなって便利です。

ちなみに個人的に共通テストで点を取りやすいなと思ったのは基礎理科と倫理でした。基礎理科は覚えればいいので隙間の時間に勉強できます。そして社会は日本史世界史地理もありますが、倫理は教科書の厚さからみても暗記量が全然少ないです。


実技はどんな気持ちで挑めば良い?


実技は、個人的にはモチベーションを維持することがいちばん大事でした。それさえあればあとは好きなことだから頑張ればいいんですよね。


受験本番で絵を評価するのは受験生より何百倍も絵を描いたり見たりしてきたであろう専門家な教授たちです。素人の私たちでさえ絵から何かを感じることができるんだから、何百倍も目が肥え、知識があり、絵に対する解像度の高い人からすれば描き手がどんな気持ちでその絵を描いたかなんて容易に想像できるんじゃないかと思います。楽しんで描いた絵はその力量が伝わるし、筆の乗らないで描いた絵だということも伝わるはずです。気を抜いたところはすぐバレます。だから絵を描くモチベを高く持つことも受験勉強の一環といってもいいと思います。

ほかの受験生たちとの実力の差に悩むこともあるかもしれません。でも自分がどうして絵を描きたいのか、美大に行きたいのか、そういう根本的な自分の意思は見失わないようにしてほしいです。
デッサンや受験のための絵は、本当は受験のために描くのではないはず。

見たものや表現したいことをわかりやすく伝えるという絵画表現に必要な基礎的なことを学んでいるのであって、今後絵を描いていくためにはきっと欠いてはいけないことです。大学に合格することは小さなゴールではあるにしてもその先でいい作品を作り続けるというもっと大切な目的が待っています。

美大受験をする多くの人は絵を描くことが大好きで得意なんだと思います。好きだからこそ苦しいことはあるかもしれないけれど、好きなら頑張れるし好きだからやるんだし、美大受験という自分がやりたいことの第一歩に立てているんだから、自信を持って自分がやりたいことをやり続けるしかないですね。でもそれでも辛い時は休んでください。


デッサンの練習をするだけではなく、憧れる作家さんの絵はどこに魅力があるのか分析するでもいいし、美術館に行って傑作に心酔するでもいい。私は大好きな音楽を聴いて「いつか自分もこんなかっこいい作品を作ってやる」と自分を奮い立たせていました。

ナーバスになりやすい受験期であっても、絵を描く以上は心の底から感動することを忘れてはいけないと思います。

絵画でも映画でも音楽でも、「自分が魅力的だと思う作品像」を持つことは実技試験できっとおおいに役に立ちます。


勉強は絵に役立つと思う


勉強の話に戻りますが、勉強は良い作品を作る手助けになります。国語は言葉のセンスや語彙力が磨ければすてきな題名やキャプションがつけられるし、理科・社会の知識は資料を当たったり背景知識から絵を起こしたりすることもできます。英語が読めれば海外のコンペにも参加しやすいと思うし、数学も出来るに越したことはないです。

絵画をはじめとしてあらゆる作品は自分の人生経験すべてをつぎ込むことができるはず。自分が表現したいことを的確に表現する技術が「画力」であって、根本の「表現したいこと・考え」があってこそ深みのある絵が作れるのかなと思います。その意味では自分の頑張り次第で学ぶ時間を取りやすい学生時代を利用するほかはないですね。それで受験の点数にもなるんだからまさに一石二鳥。


最後に


長くなりましたが、これらが主に私が1年間美大受験のために絵を描いて学んだことです。最後まで読んでいただきありがとうございました。これから受験に臨むみなさんのことを心の底から応援しています。

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