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「人に何かを伝える」難しさ

「人に何かを伝える」というのは本当に難しいものです。

職場では、新しく入ってきたスタッフなどに、仕事のやり方や職場のルールなどを伝えなくてはならないのですが、その時に私が大事にしていることがあります。

それは「その行動にどんな意味があるかを説明できる事」です。

その行動をなぜやるのか、またなぜやってはダメなのか。

行動には必ず意味があります。というか、持たせなければなりません。
「意味を持たせる」とは、伝えた時に「なんで?」と返された時、意味のある答えを返し、納得してもらえるようにするということです。

接客サービスという観点から言えば、

  • これはやってはいけないことです。

  • 「それはなぜ?」

  • それをやると、お客様に不快感を与える、または危険にさらしてしまうから(←意味を持たせる)

だからやってはいけないよね、といった具合です。
「意味」を持たせることでその言葉に重みを持たせ、伝わりやすくすることができます。

その行動について自分自身がしっかりと納得し、理解をして、その行動に「意味」を持たせられるか。

「人に何かに伝える」という行為は、伝えるべき行動、事柄に対して、自分がしっかりと腑に落ちているか、が大事になってくることになります。

よく説明が人に伝わりにくい人がいますが、その原因は、そこにあるのではないかと思います。
自分が腑に落ちていない事を上辺の知識として人に伝えてしまうために適切な言葉も見つからず、マニュアルに書かれた通りの文面で説明してしまう。学校の授業でみんなの前で嫌々朗読をさせられるイメージがわかりやすいでしょうか。

しかも、そういった人に限って相手の様子もお構いなしに伝えるので、相手がどこで「?」がついているかがわかりません。
強調するポイントもつかめていないので、重要な部分も重要には聞こえず、結局何も伝わっていないということになってしまいます。
これが「行動に意味を持たせていない」ということです。

「これは決まっている事だから」「マニュアルでこうやれとなっているから」「先輩がこれでやってたから」といった薄い理解で伝えられたことが、代々入ってくる新しい人達になんとなく伝わっていくことで発案者が考えたその行動の真意も消え、意味のないただの作業へとなってしまいます。

それ程「人に何かを伝える」という行為は難しいと私は思っています。

だからと言って、「人に何かを伝える」ということから逃げるのは本末転倒なのですが、これ程難しいものだと理解していればこそ、対策を立てようと考える事ができます。

その対策については、また別の記事にしようと思います。
(続きを書いていたら、長くなったので…)

今回は、

  • 人に何かを伝えることは難しい

  • 伝えるべきことに「意味」を持たせる

  • 「意味」を持たせるためには、自身のしっかりとした理解が必要

といったことを書いてきました。

この考え方は私の「教育、指導の考え方」の根幹をなすものです。
書いてみれば当たり前のことなのですが、この「意味を持たせる」ことの重大性がわかっていない指導側の人間を多く見てきました。

意味のない言葉は相手には響きません。

次回の記事でそれを解決するヒントを深掘りしていきたいと思います。

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