その仕事は、断じて”やるな”。
おはようございます。
今日も、不動産仕入営業のみなさんに向けて、記事をかきました。
突然ですが、仕事の取り組み方における「仕入」と「仲介」の違いって、なんだと思いますか?
ひとつに「仕事を選べる」があると思います。
仲介は「この物件はいくらで売れる?」と聞かれたら、必ず査定しなくてはいけません。
大手仲介会社なら、なおさらです。
一般顧客に対して、丁寧な対応が求められますよね。
いっぽう
仕入は、そうではありません。
仲介から「この物件は、いくらで買えそう?」と聞かれても、「うちでは買えない。」と返答することができますね。
査定をしなくても許されるのです。
つまり「仕入」は「仲介」と違って、やりたくない仕事であれば「NO」と言えるわけですね。
これは、BtoBのビジネスモデルからくる仕入の特権であり、活路です。
ここを活用しない手はありません。
今日は、そんな話です。
成果を出すためには、やらない。
わたしは、不動産会社を5社ほど経験していて、各社で”成果がでない仕入営業マン”をみてきました。
大手もベンチャーにも、決まって成果が上がらない営業マンはいて、かれらには共通点があります。
それは
「やらなくていいことに時間をつかう」です。
買えそうにない物件に時間を使ったり、まとまる可能性が低い物件を追いかけたり・・・
とにかく、バカ真面目に、すべての声に応えようとしてしまいます。
かれらに対しては、「おいおい、そんなこといいから他のことやれ!」がわたしの見解です。
だから結果がでないんだよ、と。
成果を出すためには「やらなくていいことを見極めて、やらない。」が大切です。
なぜって?
『結果がでるアクションに、時間を多くつかえないから』です。
結果がでないことに、いくら時間をつかったって、結果はでませんよね?
いたってシンプル。
なんか・・・すごく当たり前のことを言っているので、恥ずかしくなってきました。
次章、いきます。
「やらないこと」の難しさ
「手をつけない」とか「やらない」って、簡単そうに思えますよね?
ただ、じつは、「やらない」ということは結構むずかしいのです。
ヒトは「なんでもやっておいたほうがいい」というトラップに引っ掛かりやすいもので・・・
「大きな報酬をもとめる」よりも「できるだけ損失を減らしたい」という意思決定バイアスが関係しています。
行動経済学では「プロスペクト理論」と呼びますね。
そりゃ、メールは全て返したほうがいいし、資料の完成度は高いほうがいいでしょう。
なんでも手をつけるほうが、不安を解消できます。
くわえて、仕事をした気になれるし、トラブルが起きても言い訳がつく。
そんななか
あえて「やらない」は、思い切る決断力を要します。
なによりも、ビジネスシーンでは「やらない」選択をしたことが「正解だった」と分かりづらいんですよね。
たとえば「メール返信」を例に・・・
メール返信を「やっておいた」から契約できた場合は「ほら!やってよかったじゃん!」となるので「やっておいてよかった」が正解だと明確にわかります。
が
メール返信を「やらなかった」おかげで,,,たとえば、営業訪問時間が増えて、契約に結びついても「メール返信をしなかったおかげだ!」とは、思いつきません。
実は「メール返信をしなかった」が成功要因なのに、です。
ようするに
『やらなかったアクション』で成功を引き寄せるわけではなく、やらなかったことで、『他のアクションにいい影響をもたらす』わけです。
プロボクサーだって、筋肉をむやみにつけません。
筋肉は、体重を増やすだけで無駄になり、階級もオーバーしてしまう。
パフォーマンスを最大化するために、勝負に必要な筋肉だけを鍛え、シャドーボクシングやスパーに時間をかけます。
やるべきことのクオリティを高めるために、『やらなくていいことは、徹底的にやらない』と、決めるのがいいのです。
ポイントなので、もう一度いいますね・・・
「やるべきこと」のクオリティを上げるために、「やらなくていいこと」は徹底的に、手をつけないのです。
仕入営業がやるべきこと
あなたは「クセのある狭小地」を買い取る会社に勤めたとしましょう。
「道路の突きあたり」や「地形がグチャグチャ」を好む会社です。
この記事のテーマとはハズレるから、あまり触れませんが・・・この場合は、会社は「競合との差別化」や「資金力」を考慮しています。
わかりやすくいうと
クセのある狭小地を買う”事情”があるわけです。
そんな会社で、もし『きれいな・大きな・整形地』を買取検討したら、どうでしょうか?
会社は「よし、買おう!」となりますかね?
「こんないい土地は、もうでません!ぜひ買わせてください!」と、いくら会社に提案しても、会社側にも事情があるから、そりゃ無理って話です。
だのに
仲介から「こんなにレアな土地はでません!買って下さい!」と言われれば、査定してしまう仕入営業がいます。
断りづらいのは分かります。
ただ、いくら査定しても、あなたの成果には結びつきませんよね。
また
わたしが勤めた不動産会社には「区割りが上手なので、区割りをいれてお返ししますよ」という仕入営業もいました。
その営業は、1時間も2時間も区割りに時間をかけるんです。
その人の存在価値を示せているから、たしかに中長期的にみれば契約になるのかもしれません。
が
その仕入営業マンは、中途入社であり”未契約が3ヶ月つづいた時点でのアクション”でしたから、決して最善とは思えませんでした。
「そんなの、やるなよ」と思うわけで
結局「区割り」は、そのつど仲介から喜ばれていましたが、仕入営業マンは自主退職していきました・・・
成果がでなかったのです。
己のスキルに酔ってしまい、「やるべきこと」と「やらなくていいこと」の区別がつけられなかった。
「仲介のために」という大義名分を盾にして、ひとりよがりに自己満足していたのです。
仕入営業がやるべきことは「仕入」なんですよね。
まとめ
とはいえ、わたしも「やらなくていいこと」に時間を使うことはあります。
なにをやればいいのか?
これは、営業マンの永遠のテーマでしょうね。
少なくとも「会社が求めない土地を、仕入検討する」という行為は、徹底的にやめたほうがいいですね。
では、また来週!
PS,,,
中野や新宿や吉祥にある「立ち食い寿司屋」をご存知でしょうか?
寿司のクオリティが高く、立ち食いだとアルコールが半額になるので、コスパがエグい。
とてもおすすめです。
仕事中に、ふらっと立ち寄ってみたんですけど、すっかりハマってしまいました。
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