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戸建価格は、”まだ”上昇していく。

おはようございます。

木曜日の朝7時なので、今日も、「不動産の仕入営業にむけて、ビジネスヒントになる記事」を発信します。

マイホームの購入を検討する人にも、参考になる内容です。


不動産価格の上昇


「首都圏マンションの平均価格が、バブル期をこえた」とか「戸建価格が高まった」みたいなニュースを、見るようになりました。

「マイホームの購入、今はやめておこう」という声を、耳にすることも,,,

「いつか、価格が落ち着くはず」「安くなったときに買おう」と、思う人もいるでしょう。

ただ、ここで、残念なお知らせです。

戸建価格は、しばらく、上昇します。

言い切ります。

(もし価格が下がったら、それはそれでいいじゃないか。)

なぜ、戸建価格は、しばらく上昇するのか?

そのへんを説明していきます。


価格上昇の原因


価格上昇の原因は、おおきく2つです。

  1. コロナショック

  2. ロシアのウクライナ侵攻

コロナショックにより、おうち需要が高まり、自己資金を不動産購入に割く人が増えました。

また

ロシアショックにより「エネルギー」や「原材料」が高騰しました。

まあ、このあたりは、世間で騒がれていたことだから、だいたいの人はイメージできるでしょう。

せっかくの記事です。

もう少し、プロからの視点で、価格上昇の原因を深堀りします。


サプライチェーンの分断


戸建住宅を開発するながれは、以下です。

『建築資材調達』『土地の仕入』→『商品製造(建築)』→『在庫管理や宣伝(販促)活動』→『販売(資金回収)』

これを『サプライチェーン』と言いますね。

消費者にむけてサービスを提供するまでの一連の流れのことです。

このサプライチェーンが、コロナショックとウクライナ侵攻のダブルパンチで分断されてしまった。

ここがポイントです。

「グローバル化」は、聞いたことがありますね?

国の隔たりがなくなり、お互いに手を組んだり、異文化交流が頻繁におきました。

(余談ですが、戦争がなくなったのは、「世界各国でコミュニケーションが起きたグローバル化」が理由かと思っています。)

このグローバル化を背景に、それぞれの国では、ながーい年月と膨大な資金を投入して、合理的かつ効率的な生産体制が築かれました。

ファッションでたとえると

中国の工場で「大量生産・大量発注」して、1品あたりのコストを減らします。

大量生産された洋服は、中国工場から一気に輸入。

在庫管理を工夫すれば、過剰な生産をストップできたり、廃棄される売れ残り商品を減らせます。

わかりやすくいえば

「ちょうどいい量」を「できるだけ安く」「無駄なく」一般消費者に届けることができていたわけです。

が、しかし

パンデミックやウクライナ侵攻を受けて、既存の輸入ルートが無くなったり、在庫保管場所を変更する必要がでてきました。

以下、コロナによる分断例です。

  • 中国→日本「陸上輸送遅延・コンテナ船の減便」

  • 東南アジア→日本「自動車部品・電子機器の供給が途絶」

  • 世界全体「旅客機減便・入国による隔離措置で技術者や移民の停滞で老合力不足に」

こうなると、新たなサプライチェーンを構築しなくてはいけません。

新たなサプライチェーンを構築って、つまり・・

『素材調達先』と『物流ルート』を新たに確保したり、『製造工場』を、海外ではなく日本で立ち上げたりします。

いままでは

「お友達価格」だった調達費用が、新規の取引先となることで「原材料・建設・人件費・営業コスト増」となったのです。

いままで、いい具合にまわっていた「商品の製造から販売まで(サプライチェーン)」が、壊れてしまったんですね。

先程もいったように、サプライチェーンの構築には、「ながーい年月」と「膨大な資金」が必要です。

だ・か・ら

しばらく、インフレ(物価上昇)は続くのです。


戸建を届けるまでのタイムラグ


価格上昇がしばらく続く理由に、消費者には、「価格高騰の波が、遅れてやってくる」というのもあります。

じゃあ、いま、

わたしが、土地を仕入れたとしましょう。

「あなたから土地を買います」という契約を締結して、まず3ヶ月間ほど時間をかけて、土地の大きさを測量します。

ほんで

決済(所有権をゲット)してから、土をイジったり、建築業者のスケジュールをあわせたりして、建築がスタートします。

建築関係トントントンして、戸建住宅が完成するのに、おおむね6ヶ月かかるでしょう。

わかりますね?

わたしが土地を仕入れてから、戸建住宅を売るまでに、ザックリ1年位かかるわけです。

もちろん

土地を仕入れる時点で「1年後にできあがる、戸建住宅の販売価格は、7,000万円だ!」と想定しており、この値付けは、いまの市況を鑑みて決めています。

繰り返します。

いまの市況にあわせて、「1年後に売る、家の販売価格」を決めているのです。

いまの相場で土地を仕入れているから、1年後も「いまの相場あたり」の販売価格で、家が売り出されるわけですね。

さしあたり

不動産の仕入競争は激化していて、本来の値付けでは土地を買えません。

事実上、ひとむかしまえの不動産の「2割増し価格」に設定して、土地を買っています。

つらいですよね・・・

このようにタイムラグが発生して、市場に出回る頃にはインフレ商品なんです。

消費者に価格高騰の波が遅れてやってくるのは、必然的なワケです。


まとめ


コロナやウクライナ侵攻の影響で、「サプライチェーンの分断」が起きていて、インフレは止まらない。

とりわけて

戸建住宅においては、建築して提供するまでにタイムラグがあり、価格高騰の波は、消費者に遅れてやってくる。

ようするに

『戸建住宅の価格は、まだまだ上昇していく』ということです。

「いつか」と値下がりを待っていても、不動産は買えません。

住宅購入は、もろもろ覚悟を決めるべきですね。

とはいえ、個人的には、もちろん相場が戻って欲しいと思っていますよ。(もう、普通のサラリーマンでは、家が買えないよね。)

では、また来週!

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