2012年10月8日の日記


 京都大学出身の山中教授が今日ノーベル生理化学賞を受賞した。かねてより話題になっていたIPS細胞に関する研究を評価されての受賞である。実に素晴らしい。日本人がノーベル賞をとったということも嬉しいけれど、それ以上にこのIPS細胞というものが夢がある。何せいかなる細胞でも理論的にはこの細胞から作り上げてしまうことができるのだから。私は常々人工子宮が発明されて、人々がセックスとなどというものから解放されるのを夢見ているので、そういう未来が私の生きている間に現出してくれるかもしれないと思わせるような研究である。実際はまだまだ課題の多い研究であり、高度な器官を作り出すことはまだまだできないということだが、研究を続けていくうちにそういう課題もクリアーされていくことに期待したい。

 今日はランニングをした。6キロくらいだったけれどはっきりいって結構疲れた。水が重い。そろそろ寒くなってきたしもう水は持ち歩かなくてもいいかなと思い始めている。

 今日はとても寒い。昨日はなんとなくおずおずとというか、控えめな寒さだったけれど、今日のは図々しい寒さだった。傲慢といってもいい。これからはどんどん寒くなっていくのだろうなと思った。

 遍昭の歌を何首か読んだ。実にいい。百人一首に収録されている「天津風雲の通い路吹き閉じよ乙女の姿しばしとどめん」にはっきりと示されている彼の「脆い、短い期間にしか現れない美」を永遠にとどめようとする意思、願望、あるいは性癖とすらいってもいいかもしれない、に私は完全に共感できる。現代人の、それも若者のセンチメンタリズムとばっかり思っていたこの刹那に対する執着というものが、1000年以上前からすでに短歌で歌われていたという事実をつきつけられて、ただただこの国の文化の懐の深さに驚嘆するばかりである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?