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統率者 種族王 決定戦 cpt.Ⅱカバレージ
初代種族王のいってつです。
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みなさんどうやら僕の連覇よりもカバレージを見たかったらしく、予選ラウンドは余裕の0-3。無事決勝卓でカバレージをとる機会を得ることができた。インタビュー、写真撮影への対応ありがとうございました。
種族王決定戦概要
今週末8.6は
— ツナ (@thexxtokyo) July 31, 2022
いよいよ種族王2です
僅か2日でMAX28名の応募をいただいた
第二章ですが、どんな種族たちに会えるのか今からワクワクしてます。
種族同士の戦いというストーリーに
没入し、誇りをかけて戦い、
そして制約がある中で構築という宇宙を楽しんで欲しい。
そんな想いを込めたイベントです。 pic.twitter.com/Q8HeAfxGun
簡単にイベントの概要を確認しよう。
統率者種族王決定戦(以下、種族王)はツナ氏が企画・主宰する統率者戦イベントである。種族王というだけあり、統率者を筆頭にクリーチャー・タイプを統一したデッキという構築制限がある。
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《法務官の声、アトラクサ/Atraxa, Praetors' Voice》
あくまで「部族」どうしの戦いということで、生き物の種類を表すクリーチャー・タイプでデッキ構築をしなければならない。例えば《刃を咲かせる者、ナジーラ》なら、人間統一デッキは可能だが、戦士デッキにはできない。
《法務官の声、アトラクサ》は「天使」「ホラー」「ファイレクシアン」の3つのクリーチャー・タイプを持っているが、デッキに入れられるクリーチャーはこの3つのどれか1つで統一しなければならない。
なお、《ウルザの物語》などトークンを生み出す能力については不問となっている。また、プレインズウォーカー・カードは使用できない。両面カードの場合、第一面の特性を参照する。
また、無限コンボ(任意の回数繰り返すことができるループ)についても制限がある。種族・クリーチャーが絡んだコンボでなくてはループを形成できない。クリーチャーを用いて生み出した無限マナを《威圧の杖/Staff of Domination》などに注ぎ込むのは適正である。
今回は予選ラウンドの3戦を行い、勝利数の多いプレイヤーが決勝ラウンドに進む形式。タイブレークはゲーム終了時のライフ差などで行われる。
会場は東京・水道橋「東京MTG」さん。マジックの原画やアートプリントの取り扱い、多言語カードの豊富な在庫で人気のショップだ。
本日は13時からツナさん(@thexxtokyo )主催の種族王2が行われます!
— 東京MTG - TokyoMTG.com (@TokyoMTG) August 6, 2022
その為、プレイスペースは18時ごろまで満席の予定となっております🙇♂️
もちろんお買い物スペースはご利用可能ですので皆さまのご来店お待ちしてます!! https://t.co/2ttgStJSDJ pic.twitter.com/NmR1X7VT1F
環境感
前回の記事はこちら。
基本はコンバットでの勝利を目指すことになるが、勝利しているのはコンボを擁しているデッキだった。また、第一回の時点から全体除去の多い環境になることが予見されていたため、《大天使アヴァシン》を擁する天使デッキや、墓地をリソースにできる部族が有利とされている。
天使やドラゴンなど、1枚1枚のカードパワーが強く、回避能力をもつ部族は全体除去後の世界で有利に立ち振る舞うことができる。
もっとも、不利を承知だとしても思い入れのある統率者や部族を選択するプレイヤーが大半だ。
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構築制限の都合上、いわゆる競技的な統率者戦で猛威を振るう《波止場の恐喝者》や《むかつき》が弱体化している。太くて丸いクリーチャーを順番に詰め込むような構築はできないし、デッキの総マナ総量が高いため、《むかつき》などのターボ戦略にも難がある。
また、前回いってつが使用した優勝デッキ《クルーグの災い魔、トラクソス》は、無限コンボに関する制限のルール変更で多くのコンボを失っている。
TOP4デッキリスト
4位 わきゅう選手《オラーズカの暴君、クメーナ》マーフォーク
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デッキ選択理由はクメーナの器用な能力。状況に応じてドローやパンプアップなど器用な統率者が好きだと語っていた。
マーフォークはその能力の器用さに加え、青のクリーチャーとしてはかなり戦闘に向いた部族でもある。
《メロウの騎兵》《矢のごときマーフォーク》などを用いた無限ドローコンボまで擁している。無限ドロー後のフィニッシュはもちろん《タッサの神託者》。
3位 misa選手《豊潤の声、シャライ》天使
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「天使が好き!絵が好き!天使を守れるシャライが好き!」という統率者戦らしい選択理由がまぶしい。
横展開した天使たちが対戦相手を制圧する!強力な天使を緑の《ガラクの蜂起》《同族の召喚》などで強力にバックアップしている。
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予選ラウンドでは《折れた刃、ギセラ》と《消えゆく光、ブルーナ》が合体する場面もあり、めちゃくちゃになっていた。《怨恨》までついている。
2位 なかちん選手《薄暮の埋葬布、リーサ》天使
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こちらは白黒の天使。やはり採用依頼は愛。《薄暮の埋葬布、リーサ》は統率者税をライフで支払うため再キャストが容易で、全体除去を積極的に打ち込むことが可能。全体除去は6枚の採用!
1位 ASA選手 《概念の群れ》エレメンタル
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先日のコマンダーサミット「最強統率者決定戦」優勝、過去二回の統率者神挑戦者決定戦でトップ12入りなど競技志向の統率者戦イベントでも《祖神の使徒、テシャール》で輝かしい成績を残しているASA選手。予選ラウンドでも全勝、3-0で突破。
今回選択したのは《概念の群れ》だ。統率者戦というフォーマットが発足したころからエレメンタルデッキを愛している生粋の「エレメンタラー」である。
各オムナスや《大渦の放浪者》《概念の群れ》など有利な交換をするクリーチャーが多数。ロングゲームでもねばり強く戦える。
決勝戦ゲーム展開
席順はランダムで決定。
リーサ→シャライ→概念の群れ→クメーナの順となった。
1ターン目は全員がセットゴー。
「まあまあ、まずはね」
「こんなEDHがやりたくて来てんすよ」
和やかな雰囲気だ。
続くターンにもリーサは行動なし。シャライからは《秘儀の印鑑/Arcane Signet》、概念の群れから《煙束ね》、クメーナからは《花の絨毯》とマナ加速。リーサは出遅れたか?
しかしここでリーサは《生き埋め》!一挙に3枚のクリーチャーを墓地に送り込む。
「おいおいおい!」
「ちょっとちょっとちょっと!」
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「本当~~?」
通常の統率者戦なら《壊死のウーズ》《アーチフィーンド、アスモデウス》《スカージの使い魔》を埋めて《壊死のウーズ/Necrotic Ooze》を釣り上げるなどで勝利できる強力なカードだがこれは種族王。墓地に埋めるカードは果たして――
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《賞罰の天使/Angel of Sanctions》
《セラの使者/Serra's Emissary》
「「「どこがやさしいんですか!!」」」
やる気まんまんだ。《希望の天使アヴァシン》と《セラの使者》は戦場を強固に維持する最強天使の一角と言えるだろう。《賞罰の天使》も後々見えている除去として効いてきそうだ。
概念の群れからは《湧き出る源、ジェガンサ》、クメーナからは《メロウの騎兵》とそれぞれ強力なクリーチャーが登場。リーサは《息詰まる徴税》を着地させる。
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ともにデッキによくあった、強力な役割を持つクリーチャーだ
一方、シャライは2ターン続けてアクションなし。《息詰まる徴税》をケアしなければ《豊潤の声、シャライ》を着地させられたはずだがそうはしない。プレイヤーの脳裏に《神の怒り》がちらつく。
概念の群れからは《概念の群れ》が着地。《生き埋め》したリーサをアタック。クメーナからも《オラーズカの暴君、クメーナ》が着地。
リーサアップキープに《吸血の教示者》。《再活性》をサーチして《セラの使者》を釣り上げる。クリーチャーからのプロテクションを得て対エレメンタルのブロッカーとなるはずが、エンド前にシャライから《剣を鍬に》!
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「《再活性》で減ったライフが戻ってよかったですね!」
さてここで再びシャライのターンだがアクションなし。
「なんなんだ……怖すぎる……」
《神の怒り》におびえながらも概念の群れはクリーチャーを展開する。《乱動の精霊》を着地させ、《オラーズカの暴君、クメーナ》を奪う!
誰も《乱動の精霊》にクリーチャーを奪われたくない。ろくに行動できないまま再び概念の群れのターンとなり、《発現する浅瀬/Risen Reef》まで着地。そのままクメーナからクリーチャーを次々割譲。
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このままではエレメンタルビートだけでゲームが終わってしまう……が、ここでリーサが《滅ぼし》をトップ引き!すかさず超過で唱えてエレメンタル軍団を沈める!そのままからっぽの戦場に《ティアの戦天使》が着地。強い!
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シャライ、概念の群れ、クメーナはそれぞれ統率者を戦場に送り込む。返ったリーサのターン《黎明をもたらす者ライラ》が着地!《アルハマレットの書庫》が絆魂の回復スピードも大幅加速!しかし各プレイヤー盤面にクリーチャーが並び始める。概念の群れは《概念の群れ》で《乱動の精霊》を戦場に戻すことに成功し、また不穏な空気。
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リーサが耐えきれず《啓示の刻》でふたたびリセット!文字通り空っぽの戦場に《薄暮の埋葬布、リーサ》を着地させる。
「いやーさすがにキビしいですね……キビしい」
マナ・アーティファクトまで失ったうえ、《概念の群れ》の再キャストには9マナもかかってしまう。概念の群れが行動できないうちに強力なクリーチャーがつぎつぎと戦場へ送り込まれていく。
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が、持っている!概念の群れから《冒涜の行動》だ!このゲーム、リセットボタンが強すぎる!!
そのまま《乱動の座、オムナス》を着地させると、ここまで天使の絆魂サンドバッグにされていたクメーナ本体に火力を飛ばす。天使たちが回復するのを見て「自分も回復したいがそんなカードは入ってねえ」と漏らしていたがついに沈む。
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コンボパーツを握っていたが、厳しいゲーム展開が続いてしまった。
リーサとシャライはなんとか食いつきたいが、さすがにリセットボタンの連続でリソース不足か。概念の群れに傷をつけることができないままターンが返る!《剣を鍬に》で《薄暮の埋葬布、リーサ》を除去すると《時間操作》で追加ターンを得ながら《俗世の教示者》。
一体何が積まれるのだろう。観戦者も各々考えながら見守る……結果は《大渦の放浪者》!これにはこの場の全員、納得のため息。
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追加ターンに入り、《大渦の放浪者》をキャスト!続唱2回でめくれたのは《ティムールの隆盛》と《墓場波、ムルドローサ》!暴力的なまでのアドバンテージエンジンを獲得してしまった。
リーサは《賞罰の天使》で《墓場波、ムルドローサ》を封じてはみるがもはや焼け石に水か。返ったターンで《荊州占拠》で追加ターンを得て、一気に手札を回復させていく。
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大量にドローしたのち、戦場には《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar》、《ゼンディカーの報復者》がならぶ。《ゼンディカーの報復者》が戦場に出たとき5体以上のトークンが戦場に出てくる状況。
①《ゼンディカーの報復者》と同時に出るトークンをすべて《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar》で生け贄にささげ、6マナを生み出す。
②《概念の群れ》の能力を起動。5マナで墓地の《ゼンディカーの報復者》を戦場に戻す。
以下繰り返しで無限マナ、無限トークンが成立。同時に、エレメンタルのETB、PIG誘発を繰り返せる状態になる。
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2度の全体除去を乗り越え、見事にアドバンテージを回復させて見せた。
追放除去か、供犠台を除去することでコンボを止められるが、この最終局面ではもはや除去は残っていない!決まった!最強統率者のASA選手が種族王の座も勝ち取った!おめでとう!
僕らが得たもの
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優勝したASA選手にはプレイマットが贈呈された。主催者ツナ氏がデザインしたワンオフ品だ!
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また、東京MTGさんのご厚意により、TOP4の4人にプレミアムプロモパックが贈られる。さらに、「最も愛を感じられた」として《全てを喰らうグロサーマ》ワームデッキのチャバン選手、「投票で最も多くのプレイヤーから賞賛を集めた」《Lord of Tresserhorn》ゾンビデッキのむーちょす選手にもプレミアムプロモパックが贈られた。
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前回大会と比べ、プレイヤーの熱量が非常に大きくなっていると感じた。前回は「なんとなくデッキ組みました♨」というプレイヤーが多かったが、今回はそうではない。愛する部族をより強く鍛え上げたプレイヤー、より強いデッキを求めたデッキ選択をしたプレイヤーが多かったのだ。
前回の僕はあの場で最もデッキを愛していた、最も調整したプレイヤーの1人だったと思う。しかしこの日は違っていた。みんながこの一日を全力で楽しむために努力していた。みんなのマジックへの愛がこの素晴らしい一日を作ったのだ。
このイベントの楽しさは、プレイヤーひとりひとりの賢明さ、真剣さに支えられている。
第三回大会はきっともっと多くのプレイヤーが参加する。次はいったいどんな種族が活躍するだろう。どんな物語が待っているのだろう。
構築物・トラクソスの天下は短かった。《カルドーサの鍛冶場主》が築いた王国はエレメンタルが滅ぼした。エレメンタル王朝はいつまで続くだろうか?物語は続く。
それでは、種族王のテーブルでお会いしよう。
文責:いってつ
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