イリザロフ

【生きているって、いいな】

私は20数年前、交通事故で入院していたことがあります。かなりの怪我で歩けるようになるまで7年、入院中に病室から桜の花を3回見ました。籠の鳥です。
大きな事故だったので、事故の後一週間ほど記憶がありません。気がついたら病院のベットの上です。横に母親がいて、何がどうなっているのか聞きました。

「あんた事故起こしたのよ」と母から聞いて、「どこで!?」「いつ!」と聞いたのを覚えています。事故現場はのどかな田舎の田んぼの見える信号のない交差点。交通量は極めて少ないところです。なぜ事故が起きたのかさっぱりわかりませんでした。バイクに乗った私が直進、対向車が右折のタイミングでぶつかったそうです。

「あんなに見通しのいいところで?信じられない!」そんな会話でした。ふと気がつくと母の服の肩の部分が破けています。「どうしたの、服破けてるよ」と問うと「あんたがやったのよ」と母。記憶にないのですが、昼夜を問わず叫んだり暴れたり大変だったそうです。

当時、大学生だった私が大学とアパートの間にあるたった一つの十字路で起きた事故。0.5秒、タイミングがずれていたらそのまま死んでいた可能性もあります。ありがたくも、今は歩くことすら普通にできるようになりました。人間、いつどうなるかわからないものです。今できること最大限楽しんでいきたいと思います。

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