見出し画像

松原川取水堰堤(まつばら、広島県北広島町)

概要
中国電力下山発電所7堰堤の1。
竣功:1934年?  型式:G  
目的:P
   取水量1.88㎥/s
   合計最大取水5.0㎥/s
   有効落差86.27m
   最大出力3,600kW
堤高:?m  堤頂長:?m
流域面積:?k㎡  湛水面積:?k㎡
総貯水容量:?万㎥  有効貯水容量:?万㎥


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:不可 直下:不可(一応川には降りられそう) 


●参考リンク・引用


●道中

(地理院地図より引用加筆)
国交省温井ダムのある太田川水系滝山川、その上流には更に王泊ダムという古いダムがある。
地図にも見える立岩、樽床と共に太田川3ダムと呼ばれているそうな。
王泊ダムは竣功こそ1935年だが、滝山川発電所の出力増強を図って1957年に嵩上げ工事を行い現在の姿となっている(手前に見える鉄管が滝山川鉄管)。
そんな王泊ダムだが、温井ダム下流にある滝山川発電所の他、下山発電所の取水も行っている。
(地理院地図より引用加筆)
下山発電所(赤丸)は取水7地点というが、界隈の水路は何やらややこしい事になっている。
(地理院地図より引用加筆)
単純に王泊ダム取水&大佐川方面取水というだけの話であれば良いのだが、2本の支流から注水(赤線加筆部分にも注水路がある)されている事と滝山川発電所の取水も行っている事が事態をややこしく?している。どの堰堤がどの発電所分なのかという…。その辺は文献を当たれば出るのだろうが、面倒なのでまた今度。
とはいえ整理のため一応地図上で指折り数えると、滝山川発電所6取水とは、、、
丁川支流+丁川注水の2ヶ所と、
(芸北発電所経由)大佐川注水の1ヶ所と、
それらの注水先である王泊ダムの1ヶ所と
滝山川支流2ヶ所
…とするのが妥当な気がするから、あくまで上記2注水は滝山川発電所分としてのカウントする事とした。
従って、下山発電所7取水-王泊ダム=6ヶ所はまた別にあるという事になる。
(地理院地図より)
過去の現地物色により赤丸部分大佐川エリアに3つの極めて小規模な堰堤があり、これまで未踏ではあったが松原川・大佐川本流には地図で明確に分かる取水が確認できていた。従って大佐川5取水+王泊ダム=6取水までは存在を確認できた。残り1ヶ所は?!というのはまた追々。
(地理院地図より引用加筆)
で、今回紹介するのは赤丸部分、大佐川水路(仮)の最上流部に位置する松原川。
(上記リンクより引用加筆)
松原川は奥滝山峡というオフィシャル辺鄙な場所にある。
で、なぜそんな分かりやすい場所に行かずに居たかというと…
何度か通過したが、いつ行ってもこのような有様だった為(上流側入口)。
で、今回そんなもどかしさに光差し込む、先のリンクとは別のオフィシャル言及。以前は通行止で行けない的な事が書いてあったがそういった文面も見られなくなっているのでこれはもしや!と現地へ直行。
そして2023年10月末。脇に寄せられてはいるが通行止…だがこれぐらいの事は織込み済みで観光協会に電話。結果、途中までは行けるとの情報を得、愈々念願の奥滝山に入峡。
オフィシャル辺鄙は伊達ではなく、入口看板の文字もほぼ判読不能だが、辛うじて「滝山」の文字が見える。
道はこんな感じで、舗装はされているが荒れ気味。明確なダート区間もあり、道は極狭という程ではないが離合は厳しい上、林業車両の往来も想定されるので、徒歩もしくは二輪でのアクセスが無難。
少し歩くと、遂に見えてきた。
あれに見えるが松原川取水堰堤!
ハッピーエンジェルが群れており、間違いなく中電設備だと分かる仕様。
さすがにこれには笑った。捨てちゃダメ~!(実際は仮保管的な意味合いだと思いたい)
気を取り直して堰堤。右岸の導流壁が目を引く迫力の面構え。
ズーム。特に言及されていないが嘗ての流木路?
呑口は木板でしっかりめに塞がれていた。
真横から。岩肌との調和が美しい。
別角度。
直下はちょっとした淵のようになっていた。
上流側、取水部分。
上流側から川へ。素朴な紅葉が美しい。
先程の流木路らしき。長く使用されていなさそうだし間違いなかろうか。
堰堤により川の流れは右岸から左岸へと大きく変えられ、
取水口へ。似たような呑口が2門あるが、右岸側は土砂吐、左岸側は発電取水口という構成で、スクリーンにはびっしりと落ち葉。
茂みで見えづらかったが、手前内部に発電水路が仕込まれていると思われる。
そしてその水路は、隣の大佐川へと注水されるのだが、その先に意外な光景があった(また別に投稿予定)。
大佐川と合わせて約3時間の奥滝山峡滞在中、通行人・車両とすれ違う事はなく、のんびりと紅葉も楽しめる空間だった。
辺鄙と言えば辺鄙かもしれないが、そうは言ってもそこまで言う程アクセスが悪いわけではないので、1人静かに手軽に峡谷の景色を楽しみたい人には穴場ではなかろうか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?