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下須取水堰堤(しもす、島根県吉賀町)

●概要
中国電力日原発電所2堰堤の1。
竣功:1938年?  型式:G  
目的:P
   取水量??㎥/s
   合計最大取水10.57㎥/s
   有効落差80.9m
   最大出力6,900kW
堤高:?m  堤頂長:?m
流域面積:?k㎡  湛水面積:?k㎡
総貯水容量:?万㎥  有効貯水容量:?万㎥


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:不可 直下:可(川)


●参考リンク・引用

https://www.cgr.mlit.go.jp/hamada/uploads/photos/259.pdf
https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/shaseishin/kasenbunkakai/shouiinkai/kihonhoushin/051212/pdf/ref5-3.pdf


●道中

周知の通り、ダムは全国津々浦々に存在し、治水・利水ダムは日本国内に3,000基以上もあると言われる。そんな中、島根県を流れる高津川は支流に至るまで「ダム無し」の一級河川で知られる。
水源は山口県岩国市に接する大蛇ヶ池付近とされる(勿論そこから水が滾々と湧いているワケではない…のだと思う多分…)。
古くはこの辺りが石見・周防国境界地点となっており、こっから西は津和野でっせという、移設された境界石(1729年製?)なるモノが池の脇にあった。
そんな高津川。「ダム無し」とは言ったものの、無いのは河川法上の「ダム」(堤高15m~)であり、電気事業法上の「ダム」(堤高不問)は存在する。
現存するものとしては、豊川発電所(1928年運開)を皮切りに、
1938年匹見発電所、
1943年澄川発電所、と戦前物件が複数。
それらがあるのは最大支流の匹見川。本流よりも急勾配&水量豊富な事もあり、電源開発が進められた経緯があるとか。
で、今回紹介するのは日原発電所。こちらも戦前1938年運開で、現存中国電力発電所としては唯一高津川本流にある。
対岸から気になったのは放水口。
珍しく網が掛けてある。ちょいとトラス構造?なのも惹かれる。
建屋のある左岸へ回ってきた(道狭し)。
匹見川3基に比べると落ち着いた外観。
裏へ回り込むとこんな感じ。左手前は余水用?サージタンク?
と思ったら、余水路らしきは別に開渠が設けられており、結局謎…
で、接近してみると…!
皆大好き、球分岐!!
日原発電所は発電機を3基配備しているそうで。
フォークで串刺しにされたような光景。
対岸からは全く見えなかったがまさかこんなモノを隠し持っているとは…!
森に飲み込まれそうな水槽。
さてそんな日原発電所は、水力DBによれば取水地点が2とある。1は明確でこの高津川本流にある。もう1つは中電堰堤でも屈指の見えづらさを誇る、とある谷にあるが今回は分かりやすい本流堰堤を。
やって参りました下須取水堰堤(名前は現地で確認)。
まず上流から。この存在感の無さ、堰が構造物としてイマイチ人気が出ないワケだ…汗
だが、それが良い。
取水口上部。
管理所脇に気になる水路。灌漑?
川へ降りられる階段がある。
近づいてみると、大きく湾曲した魚道!これは珍しい。
魚道内には石が配置されている。
デフォルメしつつ最大限実物に寄せた図が👍
美しい曲線。
しかし大胆な屈曲。
オールド堰堤でおなじみの(多分)流木路。
堤体全景。所々補修されてはいるが、大部分の石張が残る。
魚道越しに取水口付近。あの四角穴は・・・?
土砂吐ゲー…と思いきやワイヤーが無い!
戸溝は残っているが、その下には本堤より少し高い越流堤が施工されている。う~ん、何だ。
とまあそんな下須取水堰堤でしたとさ。
あ、この高津川本流には、吉賀発電所、晩越発電所取水口跡もあるのでそちらもお忘れなく。

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