見出し画像

明神池/長谷池(みょうじん/ながたに、兵庫県姫路市)

●概要
夢前川水系明神川にある2基の溜池。
竣功:1908?年 / ?年  型式:G / E  
目的:A
堤高:13.4m / 11.8m  堤頂長:32.0m / 43.0m
総貯水容量:7.8万㎥ / 2.1万㎥


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:不可 直下:可 


●参考リンク・引用


●道中

(地理院地図より)
ある時、面白い溜池は無いかとアテもなく地図を漁っていた所、このような地点に巡り合った。
隣り合った溜池。それ自体はさほど珍しい事もないのだが…
(Googleマップより)
航空写真を見てみると、一方は標準的なアース、もう一方は明確にコンクリダムではないか!!
この並びは珍しい!見たい!!という事で姫路へ。
付近に近づくと、神元神社という神社に到着。
創建は5~8世紀頃、現社殿は1870年改築のものとの事。
寺社仏閣はさほど興味が無く普段ならスルーだが、フラフラと歩きたくなる妙な魅力があり、
振り返ってみると!!
「明神池」の文字が!
研ぎ澄まされた?溜池センサーに我ながらゾワッと…笑
1921年に水利組合が建てたらしいが、それ以外に接点を示す現地資料は見当たらなかった。
当時はおしゃんだったのかも。
社殿脇には樹齢約350年という杉。
先へ。遠目に映るフェンスに愕然としたが、登山コースとなっているらしく、通過OK。
平日のこの日も登山客が数人。
数分程歩くと堤体が見えてきた。
当たり前だが地図通りのコンクリ堤体!
つよつよ溜池特有の群を為す石碑群。現堤体は2021年竣功と。厳密な年は異なるかもしれないが、上記竣功年は左の「明治四十一年」を拠り所とした。
底樋。
残念ながら天端は立禁(施錠)。
上流から。灌漑期は恐らくナミナミと湛えているものと思われる。
気になる右岸側。「鞍部処理工」との事だが、オリフィスっぽいものも見える。
やはり向こう側に水が抜ける構造。
水の跡が残っており、堤体越流頂ELと同じELの模様。
ひょっとしてコンジット的な役割か?と思ったが残念、ハズレ。
屈曲堤体に見えなくもないが、堤長からすると堤体とは別物。
右岸の事は一旦さておき、このツーショット!
直下にも行けたので勿論並びでパシャリ。
2021年竣功らしからぬ堂々たる姿。
で、明神池の隣にあるのが長谷池。しっかし兵庫県は「長谷」が多い。
しかも「はせ」だったり「ながたに」だったりするからややこしいことこの上ない…。
こちらはチェーン+立禁看板。池の様子は見えない。
底樋。改修済。
そして気になる2基の繋ぎ目。
上部をズーム。向かって左側は補修されなだらか。右側は岩肌を残しており、1本の余水路を共有する構造となっている。
もうちょいズーム。やはり上部では明確に水路が別。
(Googleマップより)
という事で、こんな感じの構造だと分かった。
しかし何故こんな回りくどい構造にしたのだろう…?
溜池同士の距離が近すぎて鞍部にダムを施工する事もできず、コストも考慮して敢えて水を通したとか?いずれにせよ想像が掻き立てられる溜池で満足満足。
帰り道。下流にて小さな堰の存在に気付く。
接近してよく見ると石張。明神池長谷池と共にこの地の営みを支えてきたのかもしれない。
お邪魔しました~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?