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黒川取水堰/余笹川取水堰(くろかわ/よささがわ、栃木県那須町)

●概要
那珂川水系黒川/余笹川、東京電力リニューアブルパワー黒川発電所2取水の1・2。
竣  功:1921年  
型  式:G
目  的:P
最大出力:920kW
発電形式:水路式
発電方式:流れ込み式
有効落差:30.3m


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:ー 直下:ー


●参考リンク・引用


●道中

東京電力リニューアブルパワー、黒川発電所。
元を辿れば1921年(大正10)運開だとかで建屋壁面には記念パネルも。
(地理院地図より)
発電所は、余笹川がちょうど那珂川本流に接続する川の又に位置。
発電所と鉄管。
鉄管と水槽。
水槽には扁額。
光・・・うっ・・・・分からん。
という事で調べてみたら「光水」と。
細かい事はさておき、とりあえず水力発電への情熱が伝わってきた気がした。
鉄管脇に記念碑。時に10月、まだまだ草深く全容は拝めず。
余水路。途中(手前)に緩衝池のような箇所がある。
下流側。余水は余笹川に直接ではなく、一度支流を経由していた。
その支流が写真の通りさほど広くはなく、対岸は洗掘対策が施されていた。
緩衝池もその一環ではないかと想像。
これら設備はこの旧道らしき左の道にある。
高さ的に発電水路はトンネルの上を跨いでいると思われる。
(地理院地図より)
さてここから水路を遡るわけだが、黒川発電所は扇状地にあり地形はなだらか、図示赤丸のように開渠区間が複数あり、山奥の発電所と違って水路が目線に近く見学がしやすい。
そんな開渠区間の中、どうも有名らしいのがこの膳棚水路橋(ぜんだな)。
地図で見る限り、ここだけが水路橋となっており、運開当時の姿をほぼ残しているものと思われる。
この水路橋は土木遺産でもあり、現地には案内板もあった。
ただし、駐車できるスペースはなく、地元の方?の往来もそれなりにあるので、どこか離れた所に駐車しての訪問をオススメする。
インパクト特大の橋脚と筋交いは一見の価値有り!
水路側壁部分にはバットレスが用いられ、それが連続する姿に只々感嘆。
水路橋入口。「㐧4号ずい道」とあった。
(地理院地図より)
てなわけで更に上流、次はいよいよお待ちかねの取水堰。
黒川発電所には2基の取水堰があり、余笹川を主要取水口として黒川から注水している。
余笹川下流水路。写真奥に堰がある。この手前からは隧道となる。
左岸側の余水吐きらしき。
戸溝がクイッとなってはいるが、スライドゲート?スペース的な問題だったり巻揚時の省力目的だったり・・・?
堰接近。
下流面。随分さっぱりとしており、発電感は薄い。
平成13年(2001)4月完成とある。そう書かれると寧ろ、もう20年かという感じもする😅
転倒ゲートを採用。この日は転倒状態。
土砂吐ゲートも全開。
取水口付近、1921年の面影を感じる部分は無い。対岸に目を遣ると中央付近に穴が見える。
これぞ黒川からこの余笹川へと注水する隧道。当時からのものと思われる。
左岸より。展望台のような見通し良好さが気持ち良い。
水路はあそこから隧道となる。
取水口周り。
続きましてお隣の黒川取水堰。
接近。笹川取水堰と殆ど同じ作りで真新しい外観。
余笹川より1ヶ月早い、平成13年(2001)3月完成。
こちらも勿論取水は停止中。
水路は沈砂池を経て余笹川へと流れる。
左岸より。余笹川では存在を確認するも見辛かった魚道を間近に見られる。
導水路。手前が余笹川への隧道。この辺も非常にこざっぱりしている。
隧道入口は布積みの荘重な趣を残していた。
100年選手ともなると、堰の改修が入るのは仕方無いにしても、あまりにも昔の面影がなさすぎる。また、2基とも同時の改修ということで少し調べてみた所、1998年8月末の4号台風により、このエリアが甚大な被害を受けたらしい。。那須町では年間雨量の2/3が僅か5日間に降った集中豪雨で、那須水害と言われているとの事。
(地理院地図より)
←1970年代 2013年→
土砂吐や取水口・水路も恐らく被災状況が酷く、全撤去して作り直したのだろう。黒川取水堰に関しては、理由は定かではないが以前よりも100mほど上流に移設されている事が確認できた。
平穏が続きますように・・・
お邪魔しました~


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