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ジル蔵池/ジルゾウ池(高知県芸西村)

●概要
竣功:1955年  型式:E
目的:A
堤高:18.4m  堤頂長:63.0m
流域面積:0.1k㎡  湛水面積:0.02k㎡
総貯水容量:17.0万㎥  有効貯水容量:17.0万㎥


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:可 直下:未確認


●参考リンク・引用

https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/161101/files/2020032600199/file_2023424113714_1.pdf



●道中

(地理院地図より)
高知県東部、芸西村(げいせいむら)。
太平洋へと続く平野は一大農業地帯となっており、
(Googleマップより)
道中、多くのビニールハウスが見られた。ナスやピーマンの栽培が多いらしい。
そんな景色を後方に、標高を上げていく。
程なく走ると水辺が見えてくる。これぞジル蔵池。現地に文字情報は見当たらず、ジル蔵なのかジルゾウなのかハッキリしないが、ため池データベースに準拠し、ここでは「ジル蔵池」とする。
ともかく湖岸を歩く。謎の設備跡?
少し進むと堤体が見えてきた。
更に進むと見事な苔コーティング設備。
取水設備。こちらは現役と思われる。
屋根に蜂箱。他にも数個設置されており、刺激しないようそそくさと先へ。
到着!想像以上に整然としている。
下流面。特に降り口らしきは見当たらず。
池。パッと開けた高地の空気が気持ち良い。
左岸に余水吐。
余水路。中々に巨大。ひっそりとした珍名溜池という雑な情報だけで行ったので、その迫力に度肝を抜かれた。
左岸。道が続いているが時期も時期なので撤収ー
・・・と思ったら何やら不自然な水の音が聞こえるので足元を見ると水路。
別角度。割としっかり流れ込んでいる。
付近の谷水排水路か・・・?と思ったが、
(地理院地図より引用加筆)
ここにこれほどまとまった水量の谷があるとは思えない。
こうなると発電取水堰堤探しに似たスイッチが入り、水路が伸びるダム下流方向へ足を進める。
明らかに人通りのある道に期待が高まる。
左に水路、
右に余水路。
余水路と逆行するように池へと流れる水路。
発電でもそうだが、下流方向からの流れ込みはとても好物。
基本開水路でシンプルに流れており、そのまま行けば承水堰があると思われたが、
藪が濃くなり素直に退散。
(地理院地図より引用加筆)
少なくともこんな感じなのだとは思うが、冬枯れ時期に持ち越し。
ちなみに界隈、関連施設と思しき祠のようなモノがあったが、記念碑の類や文字情報は見当たらず。
そして帰りに余水路。下流側は補修の跡が見られ、カスケードによる減勢が採用されていた。
灌漑アース=バッフルピアのイメージだったのでちょい新鮮。
別角度。分かりづらいが段々が確認できる。左岸側は石垣、右岸側は後年のモノと思われるコンクリ。どこかしらに降り口はあるのだと思うが草茫々で断念。
というワケで戻ってきた。開けたダムサイトにふぅと一息。
注水口。草に覆われて見えない上に、ここからは水音も聞こえない。
橋を渡らず撤収する選択もあったので、渡っておいて良かった。
池の様子。人の姿や釣りゴミも無く、美しい景色。
先程の蜂箱付帯取水設備。
帰り道から例の注水口。行きにも視界に入っていた景色だが、先程とは見えるモノが全く違う。
で、先程の入口に戻ってきたワケだが、竹に紛れきれていない管路が見える。
当然池に向かっており、
水中へと没していた。
この管路はアクセス路脇を通っており、
農地へと繋がっていた。
(地理院地図より引用加筆)
ん?ひょっとして水系跨ぎ・・・?!と思ったら、海岸線ギリギリで元の赤野川へと戻る模様。
という事で、単なる珍名溜池と侮れない、懐の大きさが垣間見えたジル蔵池だった。

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