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川西取水堰堤(かわにし、広島県庄原市)

●概要
中国電力川西発電所の取水堰堤。
竣功:1915年  型式:G  
目的:P
   取水量1.06㎥/s
   有効落差10.91m
   最大出力75kW


●見学情報
駐車場:無 トイレ:無 自販機:無 天端:不可 直下:不可 


●参考リンク・引用


●道中

水力発電所好きにとって、山上遥か高くから急降下する鉄管や…
その取水ダムが見学時のハイライトになる事が多い。
それを良しとする人そうでない人様々だろうが、自然の中で一際目立つ存在となっている。
この王泊ダム→滝山川発電所のような発電形式はダム水路式と言い、ダム式発電と共に設備が大規模である事が多い。中国電力発電所においては12基がダム式、32基がダム水路式となっている。
残る46基は水路式となっている。水路式は堰で取水して発電所地点まで標高を維持する構造であり、比較的小規模なモノが多い。コストと環境負荷の点で優れてはいるようだが、構造物としてみると目立ちにくく地味な印象で、ダム程の人気?は無いようだ。
がしかしそんな目立たない存在にスポットを当てる(という程教育的ではないが…)のが当note。
という事で今回は、中国電力の水路式発電所で最も低落差、2番目に低出力な発電所をご紹介~。
降り立ったのは高梁川支流の成羽川上流。
突然だが下流方向を撮影したこの写真中央付近・右岸側に発電所がある。
見えているのか見えていないのか自分でも分からない有様…汗
少し近づくとどうだろう。
この写真は確実に発電所を捉えている。
ズーム。中央に石垣が見え、その向こうに建物。
別角度から接近。ここまで来てもかなり分かりづらいが、中央右の建物が発電所で、左奥へと続くのが水路となっている。
これこそが川西発電所!あまりに目立たない為か?デカデカと川西発電所の文字。
ひょっとしたら道行く人の多くも気づいていないのでは?というレベル。
この小さな発電所だが、自己主張は激しめで、敷地入口門扉にも看板。
建屋にも極上の渋みを放つ看板。
建屋のすぐ西にあるのが上部水槽のようで、非常に短いが水路が建屋へと続いている。
水路そのもの以下は改修済だろうが、水槽は実にオールドな趣。一式で当時からの姿を残しているのが最高ではあるが、新旧設備で1基の発電所を構成する姿もまた一興。
そばを流れる成羽川。いつも思うが護岸が脆そうで凄く不安…
・・・とそこに芸備線。
放水口。土砂に埋もれそうな佇まいで心配。
建屋脇の水路が余水路だろう。奥に発電水路。こうしてみると低落差っぷりが分かりやすい。
水路ズーム。運開当初のものだとすれば御年108。
続いて水路を遡る。
(Googleマップより)
よくある発電水路と異なり、川西発電所の水路は農地の中を走っているのが特徴的。
灌漑水路を活用した農協発電所のような趣。
水路より発電所方向。
水槽ズーム。この日は停止中。
発電水路上にて、他ではあまり見ない看板。
遡ると少しの開渠区間。サビっサビのゲートも。
点検時等に水を成羽川へ戻すため?のゲート。
脇には素朴な感じの自由越流余水吐。
暗渠区間を経て、再び地上に水路。ややこしいが、写真左は灌漑水路で恐らく取水堰堤よりも上流に取水口があると思われる。
別角度。少しゆとりのある設計で沈砂池と見て良いだろうか?
中の様子。発電時は左奥から流れる。
更に遡ると堰堤付近に。左の水路は先の灌漑水路であり、発電水路とは独立した別の水路。
堰堤全景。人通り無くひっそりとした空間がたまらなく心地良い。
以前よりも見通しが良くなった気がする。
水路部分。大部分が当初のものと思しき石積みで中々の見応え。
堤体。魚道2種盛り。
補修の痕跡が見られるが、流れの少なそうな左岸には、微かに石張が見える。
堰堤取水口。
からの水路。
沈砂池。奥側に土砂吐を備え、左手前にはオーバーフロー用の越流部らしき。
別角度。
お邪魔しました~
※左岸道路。結構手前で通行止のため、堰堤には接近できない。

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