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布喜川調整池(ふきがわ、愛媛県八幡浜市)

●概要
国営南予用水土地改良事業により建設された調整池の一つ。
竣功:1985年  型式:G  
目的:AW
   取水量 灌漑1.869㎥/s 上水0.233㎥/s
堤高:33.7m  堤頂長:110.0m
流域面積:2.34k㎡  湛水面積:0.03k㎡
総貯水容量:19.7万㎥  有効貯水容量:15.0万㎥


●見学情報
駐車場:有 トイレ:無? 自販機:無 天端:可 直下:可 


●参考リンク・引用

https://www.maff.go.jp/chushi/kj/yontyou/5/attach/pdf/5-3-2.pdf

https://www.maff.go.jp/j/nousin/kantai/attach/pdf/giahs_3_231-1.pdf


●道中

四国南西端に位置する南予地方。
リアス式海岸からの急斜面に広がるみかん畑は絶景。
「愛媛・南予の柑橘農業システム」として全国24箇所ある日本農業遺産にも認定されているらしい。
(地理院地図より)
今でこそそんな呑気な事を言ってられるが、日当たりは抜群に良いものの、その地形故に水源は乏しく、毎年のように旱魃に遭ってきたという。
そこで南予用水事業という流れ。
で、その水源はというと、肱川本流にある野村ダム。
(上記リンクより)
赤丸が野村ダム、黒線が南予用水水路。
水系を跨ぎに跨ぎ、水路総延長175.8km、受益面積は約7,200ha。
野村取水塔より始まる水路は、
南北分水工により分水後、3基の調整池を経由し受益地区へと灌漑・水道用水を供給する。
その3基とは、南は宇和島・東蓮寺調整池(1996年竣功)。
北は伊方町・伊方調整池(1989年竣功)、
そして今回紹介する八幡浜・布喜川調整池(1985年竣功)であり、
(上記リンクより)
赤丸部分に位置する。
ダム直下左岸側には揚水機が見える。
この5号支線揚水機場から真網代・川上町方面へと水を供給、
手前に見える設備は伊方調整池へと続く北部幹線に繋がる。
(上記リンクより)
こんな感じ。
堤体はごくごくシンプルで自由越流一門。
管理所内の掲示では、「非調整型越流方式」とあった。
堤体上流面。
天端よりダム湖。
(地理院地図より)
・・・とココまでは初回訪問時に押さえていたのだが、赤丸部分が謎、というか近づきづらい所だったので、再訪と相成った。
(Googleストリートビューより)
上の赤丸部分。パッと見、特にそれらしきは見えない。
そして車での接近は困難との判断から自転車で。
まあ多分流れ込みが見える事でしょう…と高を括った左岸からの眺望。
びっくりするほど全然見えない(苦笑)。だが、ザバザバと音は響いている。
分かりにくい事この上ないが、この辺が不自然に波立っている事から、大体この辺だというのは確認できた。とは言え見えないとモヤモヤするのも事実。
冬枯れ時期にまた行くしかないのか・・・?
気を取り直して右岸接近…と足元に水路!
てっきり茂みの中に隧道出口があるものだと思っていたので予想外の展開。
(地理院地図より)
改めて地図を見ると、驚くほど正確に描かれているではないか!
結構雑な描き方になっている事も多いから…ついつい疑ってしまった。
調整池とは落差があり、茂みではっきり見えはしなかったが、流れ落ちているようだった。
振り返った所。道行く車からはさぞかし不審極まりない人物と映った事だろう…。
隧道には銘板も。
「三瓶第三隧道 延長3,166m」とある。三瓶は「みかめ」と読む。
第三…と書かれると第一第二は勿論第四の在り処を探りたくなるのはサガだが、流石に時間の都合上パス。
という事でやや消化不良ながら、北部幹線路が確かにこの布喜川調整池へ流れ込んでいる事が確認できた。肱川・野村ダムの水をこんな遠く離れた地に引こうと考え、実現した先人の労苦・情熱を改めて実感。
お邪魔しました~

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