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【物語】アリス、苗字変更に向けて始動。

(この物語はフィクションです。)

アリスは苗字にこだわりを持っていません。たまに見る姓名判断のサイトで「どうせ、」と思いつつ少し参考にする程度です。

とはいえ、苗字というもの。自由に変えられるわけでもなければ、相性の良し悪しで切ったりくっつけたりすることも難しい。


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「久しぶりだ〜〜〜〜〜」

アリスはいつも目印としている島を見下ろすと、ほんとうに帰ってきたと実感が湧いてきました。

「よし!変わりなし♫」

特別な何かがあるわけではないけれど、なんとなくいつもこの島を見下ろすと、実家の無事を連想し安心して素に戻れる気がします。


今回の帰省は波乱含みかな?と一抹の不安を持ちながらも「いや大丈夫。私の人生なんだし。」と不安な気持ちを打ち消すように声に出してみました。

「前回帰省したとき小出しにしたのできっと大丈夫。意識せずともみんなの頭の中にインプットされたはずだ。」

「お仏壇にお線香もあげてきたし。」

※アリスの自宅に仏壇はありません。仏壇と見立ててご先祖さまに毎朝お水とお線香をあげているのです。そうするようになってから、なんとなくうまくいってるな〜と実感しているんです。

「あと30分。。。さてどういう順番にしようか。。。」

出かける間際まで散々悩んだアリスですが、結局結論は出ず。運を天に任せるように「成り行き次第」と出発したのです。


こういうときなんです。アリスが実感するご先祖力。

自分1人で決めあぐねることが起きたときです。

ダブルス(結婚していた頃)当時はもちろん夫に相談し、結婚前は親しい友人に、子供の頃は親に相談してました。

さて再度独身となった今は、友人知人への相談は極力控えていました。好奇の目を感じるからですね。

なのでいつも自分で考えて道を選択し、全ての責任を自分でとってきましたが、困るのは明らかな理由付けが見当たらない場合です。

そんなときにふと「こっちかな」と感じたことを選択すると、「当たりだ!こっちだったね」という体験が何度もあるのです。

そのご先祖力に今回も期待しています。


ちょうど一月ほど前、所用で実家へ出かけた折、前触れなく口に出ていました。

「そろそろ苗字を旧姓に戻そうかな。」

離婚の際、婚姻当時の性で新しく戸籍を作り子供たちを扶養したアリスですが、それは思春期だった娘の希望を受けてのことでした。

子供たちは全員独立し、今やアリスは自由の身。

婚姻当時の性を名乗る理由が皆無です。

新戸籍をつくる際、戸籍係の人が言いました。

「離婚の時は苗字を選べますが、新戸籍を作成したあとに旧姓に戻すことはできません。苗字を変えたいときは誰かと婚姻するときです。」

言い方は違っていたかもしれませんが、概ねこんな内容でした。


「そうか。苗字を変えるには誰かと結婚したらいいのね。」

アリスはそうインプットし、機会があればそうしようと単純に明るく考えていたのです。

ところが、そろそろ変えてもいいかなあと思ってはいるものの、なかなかそういう機会は巡ってこないということに、ここ最近ようやく気付きたくない現実を受け入れたのです。

「他に方法はないのか?」と随分前から調べていましたが、なかなか難しいという情報しかなかったのですっかり諦めていました。

ところが時代は変わるものです。

最近では「生活するのに不便」な理由があれば認めてもらえるケースが多いと耳にしたのです。

「おや?それならいけるかな?」


<つづく>


こちらのお話は #画像で創作5月分  の企画に参加しています。

#画像で創作5月分


>そよかぜさん、ギリギリになりましたのでリンク貼っておきます。完結しなかったのでシリーズの第1話みたいになりました💦(完結するのかも今の段階では不明ですが。。。。)











今日も最後まで読んでくださりありがとうございます! これからもていねいに描きますのでまた遊びに来てくださいね。