連載小説 かのうの社(31)
ねえねえ、さかなクン、レジの娘と付き合ってんの?休憩室でおばさん軍団の一人がぶしつけに男に質問して来た。このおばさん何でもズケズケ言うおばさん軍団のリーダーだ。
いやそんなじゃ無いですよ、男は少し照れくさそうに手を振り否定した。おばさん軍団はもう男の前で鼻を摘むことは無いが、男の事を「さかなクン」と呼ぶ様になった。
否定はしたものの、あれから男はちょいちょい彼女の家で夕食を共にしていた。
夕食後はいつも彼女と二人でお酒を飲みながら話をした。男は小説家を目指していたが挫折