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【小説】かのうの社

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願いは叶うものなのか、この古びた社には様々な者達が沢山の願いを置いていく。かのう神社の神様、かのうさまが皆の願いを叶える手助けをするお話です。
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記事一覧

小説 かのうの社(あとがき)

かのうの社を読んで頂いた皆様ありがとうございました! 暖かいコメントや応援の言葉、本当に…

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小説 かのうの社(全文)

願いは叶うものなのか、 願いは叶わないものなのか、 強く願えば叶うのか、 どんなに願って…

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連載小説 かのうの社(35)最終回

チチチ、チチチ、 かのう神社の境内では今朝もお婆さんが竹箒を持って掃除をしている。新鮮な…

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連載小説 かのうの社(34)

次の朝、男は自分から出版社に電話を掛けた。 受付から担当者に回された。やたら長く感じた保…

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連載小説 かのうの社(33)

男はスーパーの売れ残りの惣菜をツマミにビールを飲みながらテレビのリモコンの電源を入れた。…

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連載小説 かのうの社(32)

おかしいなあ、男は眉を潜めて呟いた。少し首を傾げながらスーパーの休憩室でスマホをジッと見…

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連載小説 かのうの社(31)

ねえねえ、さかなクン、レジの娘と付き合ってんの?休憩室でおばさん軍団の一人がぶしつけに男に質問して来た。このおばさん何でもズケズケ言うおばさん軍団のリーダーだ。 いやそんなじゃ無いですよ、男は少し照れくさそうに手を振り否定した。おばさん軍団はもう男の前で鼻を摘むことは無いが、男の事を「さかなクン」と呼ぶ様になった。 否定はしたものの、あれから男はちょいちょい彼女の家で夕食を共にしていた。 夕食後はいつも彼女と二人でお酒を飲みながら話をした。男は小説家を目指していたが挫折

連載小説 かのうの社(30)

ああ家族っていいなあ、帰り道夜空を見上げて男は呟いた。かのう神社の真っ黒な森の上には無数…

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連載小説 かのうの社(29)

おじさんはね、スーパーで魚を売っているんだよ、ほらこれがイワシ、と言いながらキレイに開い…

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連載小説 かのうの社(28)

レジの美しい彼女の家は、かのう神社の鳥居を過ぎ少し歩いた所にある古い平屋の公営住宅だった…

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連載小説 かのうの社(27)

かのう神社にお参りに来るのは人間だけでは無い。森に住む全ての動物達もかのうさまを慕い度々…

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連載小説 かのうの社(26)

これは夢でも見ているのだろうか、男は目の前の彼女が言った言葉が現実とは思えず、目をパチク…

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連載小説 かのうの社(25)

ああ今日も売れ残ってしまった、スーパーの閉店間際、男は悲しそうな顔で陳列棚に残ったイワシ…

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連載小説 かのうの社(24)

スーパーの休憩室に男が入るといつも、ああ魚臭い、と言わんばかりにパートのおばさん達は皆鼻を摘んで男から身体を遠ざけた。 男は魚の血で汚れた自分のエプロンを見た。そして自分の手の臭いを嗅ぐと、確かにそう言われても仕方無いな、と呟き、井戸端会議にペチャクチャと余念の無いおばさん達から離れて一番端の席に座りお茶を啜っていた。 すると休憩室のドアが開きあのレジの綺麗な人が入って来た。彼女はサーバーから湯呑みにお茶を注ぐと男の斜め前の席に座ってお茶を飲み始めた。 あ、あの、その席