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期待

名前も知らない聞き慣れた虫の鳴き声
君の寝息に自然と合う呼吸が
この涼しい秋風に変わって
また離れられなくなる

脈拍で伝わる妄想にしかならない感情音
必ずしも楽しいことだけじゃない
この時間もずっと続くわけじゃない

でも
いつかきっとまた同じ速度で呼吸して
伝わる温度と鼓動で胸を叩き
地球がスローで回るような
呟きが一瞬で耳に届くような
そんな時間がいつかくると
そう期待するだけで胸がいっぱいになり
心臓の音に過敏になり
この音が消えてしまわないように
秋風に吹かれても灯りが消えてしまわないように
大事にすると心に決める

君がなにを考えているか想像して
違っていないか答え合わせをしたくなるが
野暮だからと夢に戻る

使い古した言葉も、お下がりの感情論も
離れていることも
無邪気に笑う顔を思い出すと無駄じゃないと思える

きっと
これからの人生に期待を添える
新しい季節になる

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