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【キャリア/経営の話】3人のレンガ職人の話を考える

今日はベルギーに弾丸日帰り主張です。空港までの電車が遅れているので果たして飛行機に間に合うか?ドキドキですw

さて、みなさんは三人のレンガ積みの寓話、ご存知でしょうか。こんな話です。

世界中をまわっている旅人が、ある町外れの一本道を歩いていると、1人の男が道の脇で難しい顔をしてレンガを積んでいた。

旅人はその男のそばに立ち止まって、
「ここでいったい何をしているのですか?」と尋ねた。

「何って、見ればわかるだろう。レンガ積みに決まっているだろ。朝から晩まで、俺はここでレンガを積まなきゃいけないのさ。あんた達にはわからないだろうけど、暑い日も寒い日も風の強い日も、日がな一日レンガ積みさ。腰は痛くなるし、手はこのとおり」

男は自らのひび割れた汚れた両手を差し出して見せた。

「なんで、こんなことばかりしなければならないのか、まったくついてないね。もっと気楽にやっている奴らがいっぱいいるというのに・・・」

旅人は、その男に慰めの言葉を残して、歩き続けた。

もう少し歩くと、一生懸命レンガを積んでいる別の男に出会った。先ほどの男のように、辛そうには見えなかった。

旅人は尋ねた。
「ここでいったい何をしているのですか?」

「俺はね、ここで大きな壁を作っているんだよ。これが俺の仕事でね」

「大変ですね」
旅人はいたわりの言葉をかけた。

「なんてことはないよ。この仕事のおかげで俺は家族を養っていけるんだ。ここでは、家族を養っていく仕事を見つけるのが大変なんだ。俺なんて、ここでこうやって仕事があるから家族全員が食べていくことに困らない。大変だなんていっていたら、バチがあたるよ」

旅人は、男に励ましの言葉を残して、あるき続けた。また、もう少し歩くと、別の男が活き活きと楽しそうにレンガを積んでいるのに出くわした。

「ここでいったい何をしているのですか?」
旅人は興味深く尋ねた。

「ああ、俺たちのことかい?
 俺たちは、歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ!」

「大変ですね」
旅人はいたわりの言葉をかけた。

「とんでもない。ここで多くの人が祝福を受け、悲しみを払うんだぜ!素晴らしいだろう!」

旅人は、その男にお礼の言葉を残して、また元気いっぱいに歩き続けた。


私はこの話が好きです。個人的に、どんな仕事であれ、それは何をもたらすのかという未来像を想像する方がポジティブなエネルギーがわくからです。自分のキャリアをふりかえると、全身全霊の本気を出す局面やプロジェクトには、すべて自分ならではの大聖堂があったように思います。

ちなみにこれイソップ寓話かと思ってたらドラッカーだという話を聞いて衝撃をうけましたw

で、実際、この寓話を多くの方によく話をしていたのですが、今日友人とはなしていて、「はっ」としたのが「末端に丸投げして考えさせるのではなく管理者や経営者がまず説明できないといけないよね」という声でした。

これは深いぞ。とおもいました。

組織や会社、チームを経営目線、マネジャー目線で考えた時に、「俺はサグラダファミリア作ってる」「俺は街の神社作ってる」「俺は京都の禅寺を建て直してる」でみんなバラバラだったら、わけのわからないものが出来上がる。

チームのメンバー、おそらく個人それぞれのミッションやパーパスはあれど、一緒に何かを作りあげるときは、まずトップが、これは何であり、何を意味するものなのかを明確に示さないと、本当にいいものはできないのだということだと思います。

3人目のレンガ職人が何を作っているのか語ってくれたけど、これはそもそも何を作っているのかの話が親方や司教様から聞かないと、自分ごととして腹落ちできないですよね。

なので、会社の偉い人がこの寓話を出してきた時は、「xxさんの大聖堂はなんですか」と聞くようにすると良いのだろうな。

もっというと、日本の凋落は、ひょっとすると、こういうところにあるのかも。仕事楽しくなさそうな人が多すぎます。経営者たちが、みんなでビジョンを、夢を、それがもたらされた先のみんなの笑顔について、語り続けていくことが大事なのだと思いました。

そしてその解像度高めるためには、経営者がたくさん世界のことを知らないといけないし、困ってる人の顔を思い浮かべられないといけないし。そのために誰よりも率先して動かないといけないね。

ではベルギーいってきます。

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