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読書記録2024(#1〜#4)

#1 『いつか必ず死ぬのになぜ君は生きるのか』
/ 立花 隆

2021年に亡くなった立花隆の著書からエッセンスを抜き出して、ジャンルごとに再構成したパイロット版、ガイドブックのような本。
著書の8割ぐらいは読んでいるけれど、こうしてまとめてあると、これから立花隆に触れる人には便利に使えるかもしれない。
イマドキの人だと「タイパ」とか言って、この1冊だけで全部読んだ気になってしまうのかもしれないけど。
情報洪水状態の現代社会のキーは何は無くとも教養のはずなんだけどな。リベラルアーツがどうこうなんて、言ったところでわかんねえか。

#2 『人はなぜ語るのか』 / 片岡 輝

ナラティブストーリーとストリーテラーの役割の項目が目に入って図書館で借りてみたけど、拾い読み止まり。全体としては通して読むほどの面白さも価値も感じられず。この本に書いてあることは、他の研究書等でよっぽどわかりやすく書かれている。一言でいうとつまみ食い程度で完読は時間の無駄。

#3 『堕落論』 / 坂口安吾

高校生のときに初めて読んで以来だから、実に40年ぶりの再読。
10代のときには終戦直後の坂口安吾の冷ややかかつ斜めに世の中を見つめるスタンスと、日本人の人性まで俯瞰して敗戦を捉える感覚がとにかく刺激的だったが(初めて読んだ日の日記にはどうでもいいようなことを大学ノート数ページにわたって書き連ねていたのを覚えている)、再読してみて、SNS全盛の現代が坂口安吾バリバリの年齢だったとしたら、彼は間違いなく大炎上だろうなとまず思ったのだった。
10代のワタシと比べても感想が凄まじく矮小化している。
堕落し切ることが難しいのはもちろんだが、衰退するのは意外に簡単なようだ。人間も社会もこの20年ほどで衰退したとしか思えないものなあ。
やっぱり安吾は面白い。

#4 『おかしな本棚』 / クラフト・エヴィング商會

主題に合わせて本を選び、架空の本棚の写真を撮り、主題のエッセイを合わせるという手の込んだ仕掛けがいい。多分自前の蔵書だろう。
さすがクラフト・エヴィング商會の作る本はどれも一筋縄ではいかなくて、本自体が楽しい。吉田篤弘の浮遊感のあるテキストも。
『おかしな本棚』が並んでいる書棚というのは劇中劇、ブック・イン・ブック的に面白そうだ。書棚を増やしたくとも増やせないような狭い住まいでは望むべくもないが。


1冊読むごとに読書記録をアップするのも面倒なので、読み終えては書き留めておいて、数冊まとまったらアップすることにした。
論文発表みたいに仰々しく書く気などハナからないし、大長編の感想文を書く気も、「超オススメ!」みたいな脅迫めいた価値観の押しつけをする気もない。
誰かに向けて書こうだなんて面倒なことは真っ平だし、出版社のサポーターになるつもりもない。
読書記録なんてものはそもそもが個人的なものだ。
読みたいと思ったら読めばいい。それだけのこと。
知らないうちにどこかで誰かに期待を持たれるのもいささか気持ちが悪いので、先に言い訳をしておくことにした。
(ここだけは知らない誰かに向けて書きました)

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